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死神さん  作者: もか
第2章「死神と生贄のはなし」
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7話「アラタ」

「おはよう。遅くなってごめん」

意味がわからず首を傾げる。マジで何言ってんだこいつ。

困惑していると繋がれたままの手に、少し痛みが走った。手を強く握られている。その感覚から、これは夢ではないことがわかる。

「あの……!」

「しっ。静かにして、気づかれる」

人差し指を唇に押し当て、静止を促す男性。

気づかれる?誰に?周りは何の気配も感じない。

「……俺はここの案内人みたいな者だ。今から君がちゃんと帰れるように送る。だからバレないようについてこい。わかったか」

静かに頷くと、男は腕を引っ張ってどこかへ連れていく。

「あ、俺はかた……」

「名前は言うな。"とられるぞ"」

「え?」

「……俺はアラタ。お前は?苗字は言わなくていい」

男性、改め「アラタ」は、声を密かに伝えてきた。

「ユウです」

「よろしくな」

「よ、よろしくお願いします」

そこから会話は続くことなく、ただどこかへ連れていかれるだけ。

聞きたいことはたくさんあるけど、気まずくてなかなか聞けない。

「あの、ここはどこですか?」

勇気を振り絞って聞く。案内人だから知らないことはないはずだ。

「……分かりやすく言うなら、あの世とこの世の狭間みたいなとこ」

アラタはそう答えた。

「…え!俺死んだ?!」

「…半分正解だな。今のお前は現実世界では仮死状態になっている」

「仮死状態?」

「ああ。その状態を利用してユウの意識をこっちに持ってった」

「は、はぁ……」

答えてもらえたものの、意味が理解できない。

でも、こうなっている時点でおそらく常識は通用しない。考える事をやめ、繋がれた手を強く握った。


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