6話「謎の空間」
「んっ……」
重たい瞼を開け、身を起こす。
頭の重さに比べ、体は軽い。ぼんやりとした視界の中、とりあえず周りを見渡す。
ここはどこなのか、何をしていたのか、何も思い出せない。
「え、どこ……?」
ポツリと呟くも、謎の空間に響くだけ。散策しようと思い、立ち上がって一歩進む。
確かに地面はある。周りを見渡しても、どこまで続いているのかわからない。
「……すみませーん、誰かいませんかー?」
大声で叫んで助けを求める。返事はない。だんだん寂しくなってきながらも、足を進める。
腕を広げて壁を探るが、指先は空を切るだけ。どうしようもない気持ちで、早くここから出たくなって、走り出す。
走っても、走っても、何も起きない。ただ体力が消耗されて、少しずつスピードが落ちていく。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
足がガクガクと震える。息が苦しい。額の汗を拭って、その場に座り込む。
よくよく考えたら、こんな得体もしれない場所で、叫んで走り回れた度胸がどこから出たのかわからない。よくできたな自分。
座ったまま目を瞑る。これは夢だ。こんな場所、現実なわけがない。なぜそのことに気づかなかったんだろう。
このまま眠ってしまおう。次に目が覚めた時はいつものベッドで寝ているはずだから。疲れているから、きっとすぐ眠れるだろう。
そう思い、寝転がり、体に力を抜いた。
だらんと下ろした手に、何かが触れた。
そのまま、がしっと右手を掴まれる。
「っ……!」
起こされるように手を引っ張られ、おぼつかない足でなんとか立ち上がる。
無意識に閉じていた目を開けると、見慣れない景色が広がっていた。
「え……?」
少年っぽい顔だけど、全身を見れば大人な男性。白い髪に真っ白な服、前髪には黒のメッシュが入っている。
「おはよう。遅くなってごめん」




