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死神さん  作者: もか
第2章「死神と生贄のはなし」
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4話「伏線回収」

じいちゃんの声が、頭上から聞こえた。

「ほ、ほんとにですか!」

「ああ。少しだけだがな」

「ありがとうございます」

二人が顔を上げてじいちゃんにお礼を言う。

「ありがとう、じいちゃん」

「礼を言われる筋合いはない。裏へ行くぞ」

「裏?」

清水が首を傾げて聞き返す。

「ああ。この神社にはお参りをする拝殿の後ろに、普段は行けないが本殿がある。中には入らせんが、建物の前に行くだけなら見てもいい」

そう言って、拝殿の裏に回るじいちゃんを、三人でついていく。じいちゃんの言う通りもう一つ建物があって、拝殿よりもなんとなく豪華に感じた。数段しかない階段に、大きな扉、真新しそうなしめ縄。そして、扉の前には小さな台があって、その台の上には鈴のついた枝が置かれていた。

「あれって……」

「あぁ、柏の枝だ。神社の由来にもなっている」

「まじか!」

やっと解けた神社の名前の由来に三人で喜ぶ。

「あの、ここの神社では何を祀っていますか?」

「それは言えん」

清水の質問に対し、じいちゃんは即答で答える。

「賽銭箱の中が溢れそうなほど多いのはなぜですか?」

「月に一度、一世帯の代表者で集団参りをしている。個人でする奴もおるし、自然と溜まるだけだ」

次に内田が質問し、じいちゃんは饒舌に答える。

その後も二人はじいちゃんを質問攻めした。じいちゃんは答えない時もあったが、ほとんどのことには答えてくれた。

たまに見せるじいちゃんの暗い表情が少し気になったけど、質問できる雰囲気ではなかった。

時間も経ち、じいちゃんを見送って図書室へと戻る途中、清水がふと口を開いた。

「そういえば、あの柏の枝、前までは拝殿においてあったよな」

「え、そうだっけ?」

「あぁ、確かにあったな。賽銭箱の後ろに」

内田もうんうんと首を縦に振る。

「えー、思い出せない。前っていつ?」

「……小学校低学年ぐらいのころ?」

「そんなに前!?」

「うん。よくみんなで遊んでた頃だよ。夏休みに涼みに行ってさ」

「…………あ!あったね!懐かしいなぁ」

内田の言葉でようやく思い出した。確か、ふざけて鈴を鳴らして、すごく怒られた覚えがある。

「あの後から鈴見なくなって、今思えば俺たちのせいだったかもな」

「俺たちが蒔いた種ってことか。十年越しの伏線回収?激アツだな」

妙な部分で盛り上がっている二人を見ながら、昔のことを思い出す。

あの頃は今よりも活発だった気がする。外でクラスメイトと遊んで、調子に乗って怒られて、どこにでもいる生意気なガキだった。今は少し疎遠になって、遊んだり、定期的に話すような仲はいないが、決してクラスメイトと仲が悪いわけではないし、何かあれば普通に話す。たまに寂しいと感じる時もあるけれど、自分自身、周りを巻き込んでバカやるタイプではないため、そこまで支障は出ていない。

けど……、ここ数日を通して感じた。

やっぱり、誰かと一緒にいるのは楽しいな。

二人の背中を追いかけながらそう思った。


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