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死神さん  作者: もか
第1章「双子のはなし」
18/29

18話「向き合う」

「うあっ、ひっぐ、うぇ」

涙がぽろぽろと落ちてきて地面を濡らす。

口を押さえても、漏れ出る嗚咽が余計惨めに感じる。

取り返しのつかないことをした。朝陽は、朝陽が死んだのは、全部、全部自分のせいだ。罪という言葉では片付けることのできない大きな過ち。

「……何度言ってもお前は罪を背負い続ける。そうだろう?」

ショウが冷めた声で言う。

そんな声とは裏腹に、海音に近づきそのまま抱きしめた。

そっと優しく。

死神だからか触れた身体は冷たく、人間ではないことを肌で感じる。

でもなんだか少し暖かかった。

ショウの腕の中で泣き続ける海音。

そんな海音の頭を優しく撫でながら言葉を紡ぐ。

「あいつは……あいつらは海音に罪を背負ってほしくないと言った。でもそんな言葉で罪の意識は無くならない。だから…罪を負った者にはそれ相応の罰を受けてもらう。それで、罪の意識を完全に無くせとは言わない。ただ、少しでも気持ちが軽くなってほしい。……海音は、どうしたいか?」

「……………………」

朝陽を殺した罰。

一つの命を奪ったなら、一つの命を捧げるまでだ。

死ぬ以外罪を償う方法はない。

「だから、お前が宮野朝陽を殺したわけじゃない。……確かに捉え方によってはそうだが、直接手を下したわけでもなく、誰かに命令したわけでもない。そうだろ」

ショウの言っている事は正しい。でも、やっぱり…。

「……お前は死ぬ理由がほしいだけだ。弟がいなくなったから死ぬ。自分のせいで弟が死んだから死ぬ。もしそれで本当に死んだ時…お前の弟はどう思うだろうな」

「っ…」

止まりかけていた涙が、また流れ始める。

もうとっくに限界を迎えていた。手術が終わってから感情の落差が激しすぎて、心も体も疲れ切っていた。

ショウは海音を自分の腕から離し、面と向かって言った。

「……こんなことになってしまって本当にすまない。でも、これもあいつらの望みなんだ。罰を、受けるか?」

再度ショウからきかれる。

でも、ほとんど答えは決まっているようなもの。

罰がどんなものだったとしても。

「うん。ちゃんと罰を受ける。だから、朝陽のことよろしくね」

ショウの目を見て真剣に答える。

今までの罪と醜い自分に向き合う覚悟で。

ショウは目を見張り、少し驚いたような表情をした。

その後見たこともない優しい表情になった。

「……交渉成立」

ショウはそう言って手を差し出す。

海音はその手を強く握った。


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