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死神さん  作者: もか
第1章「双子のはなし」
16/29

16話「俺が、殺した」

「ストップ」

「!」

病院の屋上で誰かに声をかけられる。

「だ、誰?」

宙に浮かんでいる金髪の青年。

「おれはショウ。お前の弟の命を奪った死神の先輩」

「え?死神?」

「そうだ」

そう言いながらショウは地に足をつける。

訳がわからない。

弟、朝陽の命を奪った……。

「っつ!」

叫びながらその死神に殴りかかる。

「うわっ!」

しかしショウの体は透け、勢いのまま地面に倒れる。

「いった…」

「これで信じるか。おれが死神だって」

「…………」

こくりと頷いた。

「………はぁ、そんな睨むな。おれは真実を伝えにきただけ。…このことを知らないと今後大変なことになる、だから自殺はするな」

「え……」

手がぴくりと動いた。

……てっきりお迎えが来たのかと思った。

今から死のうとしていたから。

「……真実って何?」

「そのまえにあまり人目がつかない場所のほうがいい。移動するぞ」

死神がそう言った瞬間パッと場所が変わった。

「え!?」

しゅ、瞬間移動!?

「あれ、ここ……」

あの日行こうとした丘。

もちろんあの後行ってないから、来たのは何年ぶりかわからない。

「お前の弟もここで死神と話した。そして契約を交わした。宮野朝陽の命を代償に、宮野海音の命を助けると。契約通り宮野朝陽は死んだ」

「え………?」

朝陽の命を代償に海音の命を助けた……。

「俺が……朝陽の……」

「あぁ。お前は宮野朝陽の命を奪い、生きているということだ。でも、それは宮野朝陽が勝手に決めた。お前が罪を背負う必要はない」

「でも、俺が……朝陽を、殺した……」

「殺していない」

「ごめんなさいごめんなさい」

「話を聞け。嘘ばかりだ、この契約は。宮野朝陽の代償は命じゃない。結果論で言えば変わりはないが、正確には命ではなく寿命だ」

「……寿命?」

どっちにしろ同じ意味じゃないか。

「宮野朝陽は嘘をつかれた。この契約の本当の内容は『宮野朝陽と宮野海音の寿命を交換する』。本来宮野海音が死ぬ時に宮野朝陽が死んだ。これが意味することは何かわかるか」

「……俺は、病気じゃなくて事故で死ぬ予定だったってこと?」

「それもそうだが、今お前は朝陽の寿命を貰って生きている。そして、誰しも死ぬ時は決まっている。お前は……"本来宮野朝陽が死ぬ時でないと死ねない"。何度自殺をしようともただ重症で運ばれるだけ。命に関わることもない。結局死ぬ時は変わらない。今回みたいなことがない限り」


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