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死神さん  作者: もか
第1章「双子のはなし」
13/31

13話「約束」

退院して家族全員で過ごす家。

いつもとは全然違う。

「わーーーーーーーー」

久しぶりの部屋で大はしゃぎする海音。

「朝陽、俺治ったよ!」

「うん」

「家族みんなで住んで、学校に通って、どこか出かけたりして。嬉しいな。これからは朝陽とずっと一緒にいられるよ!」

「うん。そうだね」

こんなに笑顔な海音はいつぶりだろう。

まだ病気が判明してない時以来だ。

「朝陽、どうしたの?」

「え………?」

「泣いてんじゃん。こっちおいで」

ベッドからスッと降りて立ち上がる。

その動作だけでも前までは時間がかかっていたのに。

目の前で手を広げる海音。

感情が赴くままに、海音の腕に飛び込んだ。

そんな朝陽を海音は優しく抱きしめ頭を撫でた。

「よしよし。そんなに俺が完治したのが嬉しかったの?」

何も返す事ができない。

本当にぐちゃぐちゃすぎて自分でもどうすればいいかわからない。

この感情の行き場がどこにあるのか。

「朝陽、大丈夫だよ。ずっとそばにいるから。朝陽は俺のこと見守ってくれるでしょ?だから俺も朝陽のこと見守り続けるから。安心して、勝手にどこか行ったりしないよ。もちろん行きたいところはたくさんあるけど、朝陽と一緒に行きたいから。約束ね」

「…………」

こんな約束かわしちゃダメだ。

海音をがっかりさせてしまう。約束を、破ってしまう。

でも、体は自然と動いてて小指を海音の方へ出していた。

海音はぎゅっとその指と自分の小指を絡ませて歌う。

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のます、指切った!」

パッと海音と手が離れる。

あーあ、約束しちゃった。

いつからこんなに捻くれた性格になったんだろう。

「一応完治したわけじゃないんでしょ」

「まぁそうだね。様子見の入院期間も終わったし、通院して何事もなかったら完治だって。でも、目を覚ませば急変することはあまりないって」

「海音はそのあまりないに当てはまりそうだから心配だな」

「ひどい朝陽。せっかく目を覚ましたのに」

「冗談だって。当てはまれたら困るよ」

だらんと落としていた両腕を海音の体に巻き付ける。


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