表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
兄は異世界へ妹はプレイヤーに  作者: たこおら
異世界生活始動編
5/5

5.初クエストは草狩り

勝手ですみません。

この作品を改良して、リメイク版を出そうと思います。

絶対後悔させませんので、それまで待って頂けると幸いです。

俺達は再びギルドに戻りクエストを受けようと、掲示板に張り付けてある数多の依頼の紙を見渡していると、


「あ、あれとか良いんじゃない?」


テトラが一枚の張り紙を見て指差す。

俺も差した指の先を見る。

そこには、


―――


 クエスト ☆☆☆☆★


 【魔薬草(まやくそう)の草狩り】

 魔草の森(まそうのもり)に生息する魔薬草を10本狩る


 【報酬】

 銀貨30枚


―――


と書いてあった。


「草刈りか、最初のクエストらしいけど少し物足りないかもな」


「みんな最初は小さい所からやっていくのよ。あんたはつべこべ言わずに、私に着いてくれば良いの。」


乱暴な言い方ではあるが、訳すと"急に高難易度のクエストを受けたら危ないから、簡単なモノからやっていこう"という事だろう。


「分かりました、それでいきましょう。」


「あ、また敬語で話した!敬語はやめてって言ったわよね!」


「あ、ごめんごめん。」


それから俺達は、受付嬢さんに張り紙を渡してそのクエストを受けた。


―――


ギルドを出て、街を出て、王国の壁を越えて、しばらく歩くと、ようやく例の森に着いた。


「薬草取りかぁ、まぁ確かに最初のクエストには丁度良いかもな。」


「ん、薬草取り?違うわよ、魔薬草っていうのは…」


テトラが何かを言いかけたその時、突然目の前の地面がゴモゴモと盛り上がり始めた。

すると、そこの周りの土を突き破るようにして、数本のツルが勢い良く飛び出す。


「下がって!!」


テトラの掛け声とともに、俺は反射で後方に飛び込む。

後ろを振り返ると、先程まで自分が立っていた場所に、深々とツルが突き刺さっていた。

一方のテトラはというと、防御魔法らしきものを展開して、ツルを弾いていた。


突然の出来事で頭が回らずにいると、今度は2本のツルが同時に襲って来た。


(もうダメだ…)


そう思った時、俺はある違和感に気付く。

ツルが進むスピードがやけに遅い。

遅いというか、いつまで経っても俺の元に辿り着く気配がない。

この感覚を、俺は前にも経験した事がある気がする。


そうか、思い出した。

俺が死ぬ直前、トラックに轢かれる瞬間の視界と良く似ている。

あの時も、衝突の瞬間までの時間が異様に長く感じられた。

しかし、あれは恐らく"死ぬ間際は時間の流れが遅く感じる"というやつだったが、これは違う。

確証は無いが、直感的にそう感じる。


だとすると、考えられる仮説は一つ。

俺は今ゾーンに入っているという事だ。

もう一つ加えると、俺は自分の意思でゾーンに入る事が出来るのではないか。

そう考えると、俺の仮説に確証が生まれる。

一般的なゾーンは、こんな短期間に何度も出せるものじゃない。

恐らく俺は、死を間近に経験した事で、ゾーンを自発的に引き起こせるのかも知れない。

まぁ取り敢えず、戦闘中なので今の状態を保っている内にツルを倒そう。


俺は剣を鞘から抜いて、ツルに斬りかかろうとする。

しかし、予想外の事態が起きた。

俺の身体能力がゾーンに着いていけず、自分の動作もゆっくり進んでいたのだ。

俺は片方のツルを斬るのがやっとで、もう一方はどうする事も出来なかった。

半ば諦めていると、突然爪の形をした風がツルを両断した。


「大丈夫!?」


風が飛んできた方向を見ると、そこに居たのはテトラだった。

俺は直ぐさまテトラの方へと駆け込み、再び剣を構える。

そして、得体の知れない魔物について、俺はテトラに問うた。


「どういう魔物なんだあいつ。」


「え、知らないの?あれが魔薬草よ?」


「はぁ!?あれは草っていうか明らかに魔物の類だろ!」


「だから書いてあったじゃない、"草狩り"って。」


「狩るってそっち!?」


どうやらこの世界の草刈りは、俺が思ってたものとは全くの別物だったらしい。

しかし、そんな会話をしている間にも魔薬草は襲ってくる。


俺は再び集中し、目を凝らす。

すると、やはり魔薬草の動きが遅くなった。

これで確定だ。俺は自発的にゾーンに入ることができる。


俺はそのまま、向かってくる魔薬草を袈裟に斬り伏せる。

幸い、俺よりもテトラの方が脅威と感じたのか、俺に来たのは一本だけだった。

一方のテトラは、五本程の魔薬草を魔法で一気に薙ぎ倒していた。

流石は先輩冒険者といったところだ。


それからも俺は夢中で戦った。

足りない身体能力を目でカバーしながら、必死で応戦した。

そして気が付くと、動いている魔薬草はもう一本も無くなった。


「はぁ、、はぁ、、終わった…のか?」


「みたいね…」


テトラが、ふうっと一つ息を吐く。

初の魔物狩りで大分体力を使ったが、それはテトラも同じのようだった。


「今回は結構数が多かったわね。いつもは五日くらいかかるんだけど。」


ぐったりとした魔薬草を、根元から切り取りながら会話を続ける。


「なるほどな。普通はこんなに大変なクエストじゃないのか。」


「そうよ。まぁ初めてにしては結構頑張った方だったんじゃない?足で纏いにはならなかったわよ。」


テトラは、イメージ通りのツンデレな反応を見せる。


魔薬草を全部獲り終えた俺達は、暗くなる前に帰路に着いた。

夜になると、今の比じゃないくらいに魔物が湧き上がるらしい。

幸い、魔薬草はそこまで大きくないので、普通に抱えて運べた。


街に戻った後、ギルドのすぐ隣にある解体舎(かいたいしゃ)へ、狩り獲った魔薬草を運び込んだ。

そこには、ガタイの良い豪快そうな男性が腕を組み、堂々と仁王立ちしていた。


「おじさん、解体お願い!」


「お、テトラちゃん!今日はまた大量に…ん?そこの坊主は?」


「紹介するわ、私のパーティーメンバー、レオよ。」


「どうも初めまして、イサハヤ レオです。」


「おぉ、テトラちゃんにも仲間が出来たのか!俺はここで魔物の解体をやってるゲルマってもんだ、よろしくな!」


ゲルマさんが口角を大きく上げ、歯でニカッと笑う。


「じゃ、早速取り掛かろうとするかな。」


「お願いね。」

「お願いします。」


俺達はゲルマさんに魔薬草を任せて、解体舎を後にする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ