宇宙人ぴょよょよょ〜ん そのいち
なお、こちらの作品はかつて真夏に書いたものを冬にアレンジしました。
寒い。暖冬だと聞いたが嘘だったのか?
電気代も高いから、そう暖房をつけるわけにもいかない。
あいにく、明日は祝日で仕事がない。
このままでは寝付けないからと、おれはスマホと財布を持ってダウンジャケットを羽織り、コンビニへと足を進めた。
寒いなら熱くなりゃいいじゃんってことで、辛口ビールとおでん、それに激辛菓子を買い込んでコンビニを後にした。
吐く息が白くて、公園で立ち止まる。
そういや今日は曇っているな、なんて思っていたら、正面から小さな影を見つけた。
子供?
まさか、こんな時間に?
なにげなく見過ごすことができなくなった俺は、子供が近づいてくるのをなんとなく待っていた。
が、近づいて来るほどその影が普通じゃないことに気がつく。
俺よりも頭二つ分小さな人影は、緑色のボディにアーモンド型の大きな目、そして申し訳程度の鼻の形をしていた。
これって誰がどう見ても宇宙人だよねぇ?
「ぴょよょよょ〜ん」
はぁっ!? なんか喋ってるけど、ビールか? おでんが目的なのか?
しかたなく俺はビニール袋ごと宇宙人に差し出す。
「これで勘弁してくださいっ」
コスプレとかでもなさそうなので、命惜しさに食料で勘弁して欲しく、ビニール袋をガサガサさせた。
「ぴょよょよょ〜ん」
だから、その言葉はなんなんだよ。
「ぴょよょよょ〜ん」
近い。近いって。漏らすかもしれないほどの距離なんですけど。
硬直したまま動けずにいると、宇宙人はおれの額にデコピンした。
「ぴょよょよょ〜ん」
◆ ◆ ◆
っはっ。
目が覚めたら、自分の部屋だった。ビールもおでんもない。でも、生きてる。
はぁ〜。なんだよ、夢かぁ。
そう思うと尿意をもよおしてくる。
寒い部屋をちょこまか歩いてトイレに行こうとしたその時、姿見に映った俺の姿はどう見てもさっき会った宇宙人だった。
「ぴょよょよょ〜ん?」
はぁ? なに言ってんの? 俺、どうかしたのか?
「ぴょよょよょ〜ん」
待てって。ぴょよょよょ〜んってなんだよ。なんでそんなのしか口から出てこないんだよ!?
悩んでも無駄に思えて、用を足したらそのまま寝ることにした。
う〜、寒い。
◆ ◆ ◆
翌朝。人間の姿に戻っていた俺は、悪い夢をみたんだなと胸をなでおろした。
が。夕方になるにつれ、俺の体がどんどん緑色になっていくじゃないか。
まさか、夜限定で変身するってことぉ?
勘弁してくれよぉ。
毛布に潜ってぴょよょよょ〜んとひとしきりうめいたものの、こんなの真実じゃない。なんとかしてくれ!!
と願うしかないのだった。
つづく




