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 最近ウワサのメイド配信者! 何故人々は彼女達にハマるのか? その魅力を徹底解説!

作者: 朔々




 〜とある館にて〜



「ねぇ、夕食後に全員集めてちょうだい」

「畏まりましたオーナー」


 午後のティータイム、オーナーと呼ばれるその女性はとある戯れを思いついた。メイドにネット配信をさせよう、と。


 午後9時。館の全ての業務を終えてメイドたちが女性の前に集まった。


「良い暇潰しを思いついたの。誰か二人、動画配信者になりなさい。そうね、『生配信メイドチャンネル』というのはどうかしら?」

「……僭越ながらオーナー」

「なぁに?」

「そのチャンネル名は少しダサいかと」

「あらイク、あなた詳しいの?」

「はい。嗜む程度ですが」

「なら決まりね。イク、あなたとそうね…… ラメ、お願いね」

「はい。畏まりましたオーナー」

「チャンネル名は『ガチメイドの戯れ配信ch』とさせていただきます!」


 一月後、本物のメイドがネット上に降臨した。







 『最近ウワサのメイド配信者!』 〜何故人々は彼女達にハマるのか? その魅力を徹底解説!〜




 突然だが諸君、君たちはお気に入りの配信者は居るだろうか?


 筆者も何人かをチャンネル登録し、日々配信を楽しんでいる。


 そんなある日、筆者の耳にとある配信者の噂が聴こえてきた。


 ご存知だろうか?


 『ガチメイドの戯れ配信ch』


 最近巷でひっそりと話題になり始めている、二人組の配信者だ。


 動画の内容をざっくり言うと『メイドが家事をする姿を配信しているだけ』の動画だ。


 メイドと聞いてテンションが上がるのは筆者だけだろうか? いいや、そんな事は無い筈だ。であればメイドカフェがあれ程流行る筈がない。


 さてそんな『ガチメイドの戯れ配信ch』だが、家事の裏技などを教えてくれる訳では無い。では一体なぜそんなチャンネルが話題となっているのか。

 筆者は実際に動画を視聴し、その魅力の秘密に迫ろうと思う。


 まずは彼女達の歴史から語ろう。そのチャンネルの誕生は約一年前に遡る。


 『ガチメイドの戯れ配信ch』


 チャンネルの概要欄によると


 「私達のオーナーである、とある高貴な女性の無茶振りで始まった『イク』と『ラメ』二人のメイドによる配信」


 だそうだ。拙者、主従間無茶振り大好き侍でござる。


 動画には主に『イク』が出演し『ラメ』はカメラを担当している。

 チャンネル登録者は5000人弱。

 これは一見少なく見えるが、彼女達のチャンネルは最大手の動画投稿サイトでは無い。最近出来たばかり(祝一周年)の動画投稿サイト『NANO』だ。

 中にはもう既に登録者数10万人を越えている配信者も居るが、それは他所のサイトから流れて来た有名配信者だ。

 登録者数5000人は、生え抜きのNANOっ子としてはベスト20には入る程なのだ。


 そんな二人のメイド『イク』と『ラメ』。その配信スタイルは初配信時から一貫している。

 それは、週に一度、日曜日の朝八時から夜八時までの十二時間生配信というものだ。


 全ての動画配信者を含めても、十二時間生配信というのは長い。それも毎週だ。


 しかしメイドの仕事振りを見れる機会など、この現代日本で他に有るだろうか? いや無い。

 そもそもメイドなんてフィクションの中の存在、三次元に居るのはコスプレだけ。これが我々の認識だ。


 では、フィクションでもコスプレでも無い本物のメイド。これが人気の理由なのだろうか? いいや、そんな訳が無い。

 誰しもが疑って掛かる筈だ。そう云う設定なのだ、と。メイドが好きであればある程にその傾向は強い筈だ(筆者のように)。


 では何故か?

 やはり答えは動画の中に有るのだろう。筆者(それと筆者の腰)は決死の覚悟で十二時間視聴に挑んだ。




 以下の記事は12月10日の生配信を見ながら書いた物だ。


 ↓↓↓↓↓↓




 今日は12月10日、日曜日。週に一度の生配信の日だ。


 時刻は7時59分。画面には白い布で覆われたテーブルが映っている。これがこのチャンネルの待機画面なのだろう。布の下に何か置かれているようだが、何かは分からない。


 8時ちょうど、チリンチリンとベルが鳴った。おそらくテーブルベルの類だろう。

 配信が始まるようだ。


「おはようございます。ガチメイドの戯れ配信ch、私はカメラ担当のラメと申します。

 それでは本日も配信を始めさせていただきます。宜しくお願い致します」


 セリフは硬いが、口調は柔らかい。姿は見えずとも好印象だ。画面に映ることがほぼ無い彼女にもファンが居るのも頷ける(後に間違いだったと気付く)。

 続いて、テーブルの白い布がラメの手により取り払われる。出てきたのは黒いエナメルの衣装。


 意図がさっぱり分からずにいると、画面横から白い腕が伸び、エナメルの黒い三角に何かを貼った。


「『カワヤンw』様、ご支援ありがとう御座います」


 ラメとは違う声、彼女がイクか。画面横から伸びた白い腕の持ち主だろう。

 イクの声に合わせ、画面は黒い三角をクローズアップする。それは黒いエナメルのパンツだった。

 そのパンツには『カワヤンw』のシールが貼られていた。セロハンテープの様な透明な下地に白い文字で『カワヤンw』と書かれている。

 エナメルとシールの光沢がマッチし、まるでパンツに直接名前が書かれているかのようであった。


 クローズアップされたパンツは、イクの手につままれ画面外へ。

 カメラが一旦引き、テーブル全体を映す。30秒程画面に動きが無く、戻ってきたイクの手には再び名前シールがつままれていた。


 イクが左右のカップに一枚ずつシールを貼ると、カメラはブラジャーをクローズアップ。


「『右乳首は頂いた!』様『ナ☆カ☆タ☆』様、ご支援ありがとう御座います」


 イクの手がブラを連れ去る。パンツと同じ流れだ。もしやイクは画面外で全裸なのではなかろうか?


 この後も同じ流れが続くと仮定し、ここで一旦コメントを読んで見る事に。

 テーブルの上にはまだロンググローブとニーソックス、折り畳まれた衣装(おそらくメイド服だろう)が残っている。時間的余裕は有る筈だ。


 まだ開始数分だと言うのに、コメントは随分と盛り上がっている。大半は右のカップに貼られた『右乳首は頂いた!』への祝福のようだ。確かにその名前では他の場所では格好がつかないか。

 どうやら名前が貼られる場所は投げ銭(配信者への支援金。おひねり)の金額で変わるようだ。

 イクとラメへの投げ銭に混じり右乳首への投げ銭も見受けられる。ハンドルネームのインパクトも有り、有名なファンなのだろう。


 コメントを追っているうちに、残りは片方のニーソックスと服だけになっていた。ニーソには既にシールが貼られている。

 生地の面積に合わせシールも大きくなるだろうと思っていたが、変わらず指一本分の大きさだ。メイド好き(私もその一人だ)の為に、外観を大きく損ねない配慮なのだろう。

 ただ、美しいメイドに他人の名前が貼られていくと云うのは中々に面白くない。次回は私も投げ銭するとしよう。


 最後に残ったニーソをテカテカの細腕が摘み画面外へ。ややあってパチンと音がした。

 引っ張られた生地が指を離れ肌を叩く、そんな扇情的な音だった。


 その音を合図に、ここで初めてラメはイクの全身を映した。

 白い柔肌、黒のエナメル、お腹の前で手を組む美人メイド。


「イクと申します。本日も宜しくお願い致します」


 私の想像は正しかった! やはりイクは画面外で全裸であったのだ! ホワイトブリムだけを着けカメラの横、今と同じ何食わぬ顔で立っていたのだ!


「それでは服に隠れる前に、ご支援頂いた方々の名前をもう一度お読み致します」


 ラメが支援者の名前を読み上げていく。その度カメラは名前シールの貼られた箇所をクローズアップしていく。

 パンツとブラは正面から。ロンググローブとニーソックス(詳しくはサイハイソックスと言うらしい)にはそれぞれ四枚もの名前シールが貼られており、ラメはイクの周囲をぐるりと移動しながら指示を出している。


「イク、腕を頭の後ろで組んで下さい。『紫トマト』様」


 普段女性の腋をまじまじと眺める事など無く、何故かドキドキしてしまった。その様なフェチがある事は知っていたが、まさか自分にも有ったとは驚きだ。

 読み上げはサイハイソックスへ移り、右脚は平穏に終わった。黒いエナメルに包まれたぷっくりお尻と太もものコラボはやばかったが。


「それではイク、i字バランスをしてください」


 イクは何の無理も無く、左脚を上げきった。

 ラメの舐めるようなカメラワーク。右の爪先から左の爪先へ。そして太ももに戻った。

 クローズアップされた太もも、サイハイソックスの縁には、上下逆さになった名前シール。画面端に鼠径部が見切れている。

 ため息の出るような肢体だ。


「『珈琲豆まる齧り』様」

「以上19名の皆様、ご支援頂きありがとう御座います」


 脚を下ろしたイクが深く腰を折る。


 頭を上げたイクはカメラの前でメイド服を着始めた。至って普通のメイド服(私はメイド服といえばフレンチ派だ)だ。

 ただしイクのメイド服は、通常の物よりも露出度が高めになっている。胸元ががっつり空いてエナメルのブラが見えているし、背中も例のセーター(童貞殺し)並に肌が見えている。


 そんな生着替えシーンの中、私は目ざとくとも見つけてしまった。イクの背中(正確にはうなじの少し下辺り)にはもう一枚名前シールが貼られていたのだ。


『オーナー』


 肌色のテーピングテープの上に書かれていたその名前。わざわざテーピングテープを使うのは、透明なシールではその下の名前を隠せないからだろう。

 そしてその下に有るのはおそらく、シールの様な偽物では無い。


 柔肌に刻まれた本物の刻印。


 イクとラメ、二人のメイドを抱える真実のご主人様の名前なのだろう。彼女たちが誰かの所有物だというのが嫌というほど理解出来た。


 イクがメイド服を着終わる。


「それでは本日の業務を始めさせて頂きます」


 そこからは至って普通の家事動画だった。とはいえ舞台は豪邸、その仕事内容は私たち庶民の想像を絶する。


 私は詰めていた息を吐き出し、コメントを読みつつ、肝心の配信はながら見をしていた。油断大敵である。


 急にコメントの流れが止まった。


 私はそれを不思議に思いながらも勝手に休憩時間と捉え、コーヒーを淹れに十分程画面の前を離れた。戻ってきた時にはコメントが大盛況であった。

 コメント欄をスクロールし大雑把に拾ったところ、ラメがローアングルから舐めるようにイクを撮影していたらしい。

 大失態だ。何故私はコーヒーなど淹れに行ったのだ!


 少しでもこの失態を埋めようとコメントを漁ったところ、ラメがエロ監督やら匠やらと呼ばれている事を知った。先の支援者読み上げの例も有り、ラメはなかなかむっつりすけべの様だ。


 私は二度と見逃すまいと、画面に張り付き配信を追った。その結果、午前中だけで三度の匠タイム(Showtime)(コメントでそう呼ぶと知った)を目撃した。そのどれもがフェティシズムを擽るものであった。


 特に驚いたのは三度目だ。ラメはなんとイクのトイレに同行したのだ! 個室の中までである。

 気づいたイクの手によりカメラは床へ向けられた。だがラメはこっそり画角を修正。足首まで下げられたエナメルパンツが映し出される。そしてお得意のクローズアップ。


 蒸れたエナメルのパンツに、スピーカーからはジョボジョボと水音。


 私は息を吸うのも忘れ見入っていた。自分にこんな性癖が有るとは驚きだ。


 昼12時。


「これより一時間、お昼休みを取らせていただきます」


 カメラをテーブルに置き、ラメが今日初めて姿を表した。


 イクとラメはカメラに向かい、二人きれいに揃ってお辞儀。最後にカメラを美しい庭園に向け、二人は去って行った。コメントによると庭園の映像が午後1時まで続くらしい。

 私も昼食を取るとしよう。




 以上が、当日生配信を見ながら書いた記事だ。


 その後配信は午後8時まで続き、筆者の腰はバキバキになった。それでも筆者は彼女たちの週一生配信を追いかける所存だ。何故なら!!


 配信の最後にイクの生着替えが待っているからだ!! メイド服を着たまま、蒸れ蒸れのエナメル衣装を脱いでいく美人メイド!! 腰の痛みなど吹き飛んでしまう!!


 戯言はここまで。


 いかがだっただろうか、私の体験記(それとも視聴記?と書くべきか?)は。

 悔しい事に、私の貧弱な文章力では彼女達の魅力を全然書き表せ無い。少しでも気になった方々は是非一度イクとラメ、二人の配信を見て欲しい。


 『ガチメイドの戯れ配信ch』 今回私はあくまでもWebライターとして、仕事の一環での視聴だった。だがこれからも個人的に追い続けるだろう。


 最後に彼女達の魅力を敢えて一言で表すなら、


 フェチ心を擽るのが上手い!


 イクとラメ、二人のメイドは間違いなくあなたの新しい扉を開いてくれるだろう。


           ─了─ 





 この記事を書いた人 ゴンドー


 ゴンドーと申します。ゴンザレスの名前で配信者をしていた事が有ります。

 黒歴史なんで探さないで(。>人<。)


 今は主に、経験者としての視点から配信者になる為に必要な事や注意点等について記事を書いています。(他の話題の記事もよろしかったらどぞ)


 この記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。







 ここまでお読みいただきありがとうございます。


 書き始めはいち視聴者の視点だったのに、気付くと何故かネット記事風になってました。なんででしょうね? 


 ちなみにラメのカメラワークはイクの指示です。配信を通して見られるのが癖になったイクの趣味です。


 最後に、この作品はもちろんフィクションですし、実在の人物や団体とは一切関係ありません。


 こんな風にフィクションなんて書かなきゃいけないのが、めっちゃ虚しい。

 誰かに仕える本物のメイドが主の戯れで配信をさせられ、徐々に露出に目覚めていく。それを見守るいち視聴者たち。その一人でありたかった。


 最後までお読みいただきありがとうございました。



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