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第二章 〜死亡〜

その日、俺はいつもと同じ様に次の授業の準備をしていた。そしてもう直ぐ授業が始まろうという時、そいつは現れた。

急に教室の扉がけたたましく開いたと思ったら、涼介が居た。

「よぉ秀、元気してるか?」

「あぁ、しっかり元気だ。だけどもう授業始まるぞ?教室に戻った方が良いんじゃないか?あと、涼介の振りは止めろ、もう分かってるから」

涼介は俺と仲の良い親友だが、学校では全くと言っていい程話さない。そもそも小学から一緒にいた中だしな。その代わりと言っては何だが、放課後や朝の登校とかで話したりするけどな。

「流石10年以上一緒にいた仲だな〜良く分かってらっしゃる」

「で?要件は?まさか暇つぶし、とかじゃ無いよな?」

「そんな訳ないだろ、お前を殺しに来たんだよ」

その瞬間、微弱ながらその偽涼介から殺気が感じられ、俺は一歩後ずさる。

「誰が?何の為に?」

「それは残念ながら答えられんな」

命令なんでね、と小さく付け足す偽涼介。

命令?もしかして……それ以外に考えられないか。もし俺の直感が正しいとするならばここからの生還は無謀な事だと理解できる。まぁ、最期に人足掻きしてみるとしますかね。

「じゃあ俺の目的は済んだし、そろそろ始めるか」

取り敢えずそう返答しておく。そして俺の目的とは教室に居た生徒、教師の非難だ。

それが達成された今、もう悔いはない……いや、あるな。俺のパソコンの履歴、どうしよ。誰か消しといてください。俺の名誉の為に。

偽涼介はナイフを構え、もう戦闘態勢に入っている。はぁ、仕方ないから戦闘の火蓋は俺が切ってやろうか。


「それじゃあ、始めよう」


その途端、俺の心臓を貫いたのは、偽涼介が持っていたナイフではなく、見覚えのある刀だった。(そもそも何で凶器を学校に持ち込めているのかもわからない)

その刀は、前に涼介の家に行った時に見た太刀だった。つまりそれが指すことは……


「俺の同期は自分で考えな。一つだけ言えるとするなら、俺の上にまだ何人もの強者が居る」

俺が聞く前に涼介は答えた。

つまり俺は犯罪組織に殺された、と言えば良いのだろうか。別に正直この組織に殺されるんだろうなとは思っていたし、遅かれ早かれって奴だろう。

まぁ誤算があったとするなら、涼介がこの太刀で俺を殺した、というところだな。

涼介の太刀は涼介の家、塊家の秘宝らしい。いや本当かは知らないが。

つまりは何故涼介は自分だけのものではない秘宝を俺の血で穢したのかということだ。まぁこういうことを考えた所で俺にはどうしようも出来ないんだけどな。

あ、もう意識を保てなくなってきた……俺も……

ここまでか……




《名前を言ってください》

「はっ‼︎」

此処は、どこだ?

誰も居ないし周りは暗闇に包まれていて何も見えない。そう言えばさっき声が聞こえたな。何というかアナウンス音声みたいな声でえっと……名前、だけ?

「俺は柊秀だ」

こういうのは正直に答えた方が良いだろう。俺のただの直感だが。

《では属性を選んで下さい》

属性って…いやいやいやいや流石にな〜ある訳……

《属性は焔、業火、激流、水華、風舞、絶風、慈煌、閃光、陰影、暗黒、漆黒の10種類があります》

10種類?漆黒を合わせて11種類じゃないのか?

「漆黒属性の説明を頼む」

《漆黒属性などありません》

「今さっきあんたが言った属性には漆黒も含まれていたぞ?」

《では漆黒属性を授けましょう》

一々意味が分からない。こいつ何を言っているんだ?

「おい、それはどういう……って……ぇ?」

流石にこれには俺も拍子抜けしてしまった。何故なら俺の真下に大きい穴が現れ、その底にはまるで魔法陣の様な物が浮かんでいたからだ。いや、魔法陣だな。あれは。

俺死ぬ前に変な夢見ちまったし縁起悪いなー出来れば天国がいいけど、地獄に行ったらもう受け止めるしかないな。よし。覚悟はできた。さらば!地球!さらば!俺の人生!

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