First day 2
あっあれは!
「お母さん!」
木に見覚えのある顔を見つけた。が、それは、
「なんだ、殻だ。お母さんも同じように。」
それからも色々と見つけた。お父さんに、兄さん。さらに、それらと同じ顔の者達を何回も見かけた。皆殻だったけど。
「あーこれからどうしようかなー。ていうか僕はいつ死ぬんだ?結構ドキドキものだなぁ。あードキドキする!」
ぶるる!と身を震わせたとたん、ジーーー!大きな音がでた。
「うお!?・・・なっなるほどね。こうやっても出るんだ、この声。」
羽はいいけど、これは厄介だな〜と思ってると上の方からミーーン!!という音が聞こえてきた。
「えっ!なっなんだ?」
上を見上げるとそこには、僕と全く同じ姿をしたやつがいた。
いや、所々違うところはあった。羽の色、体の色、大きさ。
「よう。お前何日目だ?」
「って、え?いや、あの、その・・・」
「おい、お前だよ!そこのお・ま・え!」
「ぼ、僕です、か?あの、何でしょう?」
「だからー、何日目?初日?四日位?」
何をいっているのかさっぱりだ。だいたい何で見ず知らずの他人に話しかけるんだ?でも何が?なんて聞き返すのも恐そうだしなあ。どうしよう。
と思っていたら相手から
「ははーん。この反応、お前、初日だろ。どーりでのろいわけだ。まぁ大丈夫だ!俺が何でも教えてやるよ!」
・・・余計わけわからん。
どうしよう。この人とどう接していいかわからない。
「どうした?まあ落ち着けよ。初日なんてみんなこんなもんだ。」
だから初日って?もうちょっとかみ砕いて言ってくれよ。
あ〜もう!と思っていたら不意に後ろからザッザッザと何かが歩いてくる音がした。ものすごくでかい足音だ。それほど巨大な何かが歩いているのだろう。
「まっまさか」
「おい、お前。準備いいか?」
ザッと僕らがいる木のすぐ近くで足音が止まった。
「まさか・・・人間?」