あとがき
と言うわけで、予告通りのあとがきです。遅くなってすいませんm(_ _)m
あらたまった場では初めましてになります。『デニス雑貨商(略)』の作者をしているタモンと申します。
まずは、この物語を完結まで読んでくださった皆さんにお礼を言わせてください。最後まで読んでいただけたこと、心から感謝しております。未熟な作品ではありますが、皆さんに読んでいただけたことで彼らの物語には存在意義が生まれます。ですから、ありがとうございましたと言わせてください。
さて、ではここからはこの物語の成り立ちとか、趣旨などをざっくばらんにお伝えしていこうと思います。多分大半が反省会になりますので、睡眠導入剤とかにおススメです。
この作品のコンセプトは「タモンなりに考えた異世界召喚チーレム無双」でした。今回が初めてとなる本格的ななろう小説投稿にあたり、「なろうで書く感覚を掴むこと」「多くの人の目に留まること」の二つを基準として考えていました。
先に述べた通り、なろうで小説を書くのは初めての試みだったので、書いていく中で何がどうなっていくのかが全くの未知数でした。前準備として簡単な構成は行なっていましたが、必ずしもそれが計画通りに連載していけるとは限りません。実際、初めは毎週1話以上のペースで投稿していくつもりでしたし、途中まではそうしていました。しかし、初期から読んでくださっている方は分かるかもしれませんが、中盤に差し掛かる手前くらいで息切れを起こし、最終的には2週、3週かけて1話を投稿するところに落ち着きました。ちなみに、このペースでも定期的な投稿は結構きつかったです。
そう、定期投稿に関しても、当初は全く考えていなかったことです。こっちに関しては、どちらかと言えば「多くの目に留まること」に関連する話になります。私のような零細作品は新規の読者を獲得することはもちろん、その後に定着してもらえるかという課題もありました。そこで、あとがきなどで定期投稿していると伝えることで関心を引き伸ばせないか、と考えた結果のこの投稿ルーチンです。不定期投稿したことがないので、こちらに関しては効果の有無は正直わからないですが…。あと定期投稿だと1日遅れただけで読者が半減するんです。あれには私も真っ青になりましたね。まあ、そんなデメリットがあることもわかりました
ともあれ、前者の基準については今回の連載のお陰で結構なノウハウを構築することができたと思っています。自分なりに、連載できる最低ラインを見極めることができたのは収穫と言えるでしょう。ついでに第三者視点で物語を書いていくコツや、細かく段落を変えるといった技術的な訓練にもなりましたしね。
話を戻して「多くの人の目に留まる」ための工夫ですが、これは書いたジャンルです。世間は空前お異世界ブーム。私自身もそれなりに嗜んできていましたので、より多くの人の目に留まるのであれば、そういった流行りのコンテンツに乗っかるのが正攻法でしょう。あと題名を不必要に長くしたのも同じ理由ですね。と言いつつも、主人公を召喚者以外のものに務めさせ、「雑貨」という検索ワード上位には入ってきそうにない内容にしてしまったのは、基準を考慮するのであればあまり上手い手だったとは言えないでしょう。
まあ、そもそも「タモンなりに考えた〜」というコンセプトなんですから、私のこだわりを省いては元も子もありませんしね。総じて、二つ目の基準は評価するにはまだまだ情報が足りない感じです。今後に期待ですね。
あと、書き始めてから知ったのですが、なろう界隈の流行はいつの間にか「異世界転生・召喚系」から「現地人が追放された後にチートで活躍してもう遅い」する方にシフトしてたみたいなんですよね。そういう意味でも少し外してたようです。
と言うわけで、この物語が生まれた根本については、このような思惑がありましたというお話でした。
続いては作品の土台の話は忘れていただいて、内容の方に踏み込んで行こうと思います。
一般人であるデニスと彼の店を中心に進んで行ったこのお話。そのテーマは「なろう主人公に振り回される一般人たち」という物でした。現在の余りにもストレスフリー過ぎるなろう業界への問いかけ?が、私なりの『異世界召喚チーレム無双』だった訳です。だからこそ、デニスには極力カケルと接点を持たないような距離感でいてもらいつつ、カケルの起こす出来事自体にはきちんと立ち会ってもらっていましたし、最後には戦闘に巻き込まれて焼け出されてもらいました。最後のあの展開は、実はこの話の企画段階から決まっていた流れだったんです。
内容的に一つ大きく変わったことがあるとすれば、カケル周りですかね。書いてるうちにだんだん愛着が湧いてきてしまいまして、完璧なヘイトタンクにすることはできませんでした(多分)。
あと変わったことと言えば、各キャラクターの動きくらいです。例えばゴルドン。彼、プロットの段階では1話のみの登場になる予定でした。それがあれよあれよという間にレギュラーに。創作は何が起こるのか全く予想ができませんね。
続いては純粋に反省点の列挙です。と言っても、実のところ書いた内容を通しではまだ見返せてないんですよねぇ。現段階で言えるのは、「リンの異能使用時の無駄なお色気」「カール宰相周りの掘り下げ不足」「そもそもストーリー全体で致命的な齟齬が起こったりしていないか」などでしょう。
リンのスキルに関しては、カケルの収納空間と合わせて二人で一人前の冒険者になるような物を考えていました。反面、カケルには近頃のなろう系主人公同様に自身のスキルのみで無双してもらう必要があった。そこで、他人のスキルすら吸収して収納してしまうスキルと、カケルに他人のスキルを提供できるスキルで一組のシステムを考えてみた訳なんですが…、これが正直ちょっと無理がある感じなってしまったと感じています。必死に合理的なアプローチにしようとして、返って複雑になってしまった状態ですね。考えすぎておかしくなったとも言えます。
カールさんについては、物語をクライマックスに持っていく人物であるにも関わらず描写が不十分になってしまったと考えています。特に彼が王国へ復讐するあたりの心理描写。皆さんも「こいつ誰だっけ?」と思ったんじゃないでしょうか。彼に関しては、本編外の外伝でちょくちょく触れてはいたんですが、途中から外伝を書く余裕が無くなりまして…、なんて言い訳をしてみたり。今後書き直す機会があれば、そこら辺の描写ももっときちんと書いていきたいと考えています。
最後に、ストーリー全体の流れについてですね。正直なところ、その週の締め切りを守るのに必至で、細かい部分のストーリーをきちんと構成することが出来ていません。もうこれはここまでに散々言い訳してますね(^_^;) 書いているうちに変えたくなる部分が出てきても、それまでに書いた内容を通しで読む余裕がなく、結果として放棄された伏線とかも出てきている気がします。そもそも、完結した時点で全体的に違和感の無い作品に仕上がっているかすら怪しいのでは…?これはもう、ひとえに私の力量不足もありますが、ここで大いに実感したこともあります。それは、『編集者』の存在です。
プロの作家さんには、必ずでは無いにせよ編集者がついていると思います。作家に寄り添う相談相手であり、一番近い第三者。彼ら彼女らの客観的な意見は、書いていく中でも相当重要なものになるのでは無いでしょうか。何より、彼らの編集作業は仕事です。編集は作家の物語がきちんと売れる形になるまで調整し、その売上で食っていく訳です。個人レベルでの仕事に対する意識の差はあれど、下手な物を出して会社に損害を出すわけにはいきませんから、それなりに真剣に作家の相手をしてくれるでしょう。…してくれますよね?ちょっと本物の編集者に会ったこと無いので希望混じりの想像が入ってます。
そんな彼らのお陰で、誤字脱字や表現の正誤、ストーリーの流れの違和感や不必要な展開など、かなりの客観的な意見が作品に反映できる訳です。すると自然、駄作もある程度は読める内容になるのではないでしょうか。そう考えると、やっぱすごいですよ編集者の存在ってのは。
私も友人知人などに『デニス雑貨商(以下略)』を見せて意見を求めたりはしています。甲斐もあってたまに意見や感想をもらえることはありましたが、やはり一から十までとはいきません。彼ら彼女らにもやらなければならないことはありますから、そこそこ文量のあるこれに全力は注げませんし、注いでもらうよう強要もできませんし、注いでくれるほどの情熱を持つ人もいません。何より文章ってのがネックになってますよね。絵や漫画なら一目で言えることもあるでしょうが、文章は致命的なミスでも無い限りはすぐに分かる改善点なんて簡単には出せないでしょう。一言で言って煩わしいですよね。結果として、私の一人相撲にならざるを得ないのが現状です。
この考えに至った時、仕事として編集をしてくれる存在のありがたみに気がついてしまったんです。だって仕事ですから。よほど嫌でも無い限りは、社交辞令のレベルでも作家とその作品にある程度向き合わなければいけません。今のタモンは、そういった忌憚のない意見、感想を心底求めているのです。タモンは編集者の存在を渇望しています。それが、結果的に作品の出来そのものを押し上げてくれますし、私自身の思考にも新たな視点を与えてくれるはずです。
そんなわけで、なろう初投稿で最も学び、実感したのは文章力やストーリーの面白さみたいな大事な事を押し退けて、『編集者欲しい…』ということになりました。身も蓋も無いですね。いや、もちろん編集云々以外の改善点についても自覚は持ってますからね?そもそもが、たくさんの人々を惹きつける作品を書いてさえいれば、ほっといてもプロの編集者の方からアポイント来るわけですからね。それだけの魅力がまだ足りないんでしょう。それについても、今後の大切な課題の一つとしてきちんと把握しているつもりです。
以上、長々と書いてきてしましましたが、これにてあとがきはお終いになります。いやぁ、ここまで読んでくれた方はどれくらいいるんでしょうか。恐らくほぼほぼ独り言状態ですよね。もしお付き合いして下さった方がいましたら、それは本当にありがたいお話です。もう感謝しか無いです。ありがとうございます。
来年からは新シリーズを書いていくつもりです。プロローグは次週投稿しますが、新年早々のスタートというのは、なんだか縁起が良いですね。ただ、まだ詰めきれていない箇所も多く、書き始めるにはやはり不安が尽きません。この作品での反省点を踏まえ、より良いものをお届けできれば、と考えております。あと、デニスの方もたまに更新すると思います。アカツキ周りの伏線回収もまだ残っていますしね。書きたかった物語は書き切れましたから、今度からは本格的にただの日常系になる予定です。デニスとカケル双方の陣営も、作品のルールから解放されたことでより積極的に絡んでいけるようになるでしょう。
そんな訳ですので、今後も気長にお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いしますm(_ _)m
タモン




