ニューギニア決戦(4/4)
背水の陣と覚悟を決めた米豪軍と突撃大好きな日本軍が激突します。ポートモレスビー港に停泊中の戦艦も水平射撃で応戦!もう「しっちゃかめっちゃか」です。
ここまで来たら豪州軍は本当に背水の陣である。
トーマス・ブレーミー将軍「覚悟を決めた!」
ブレーミー「戦車も野砲も山砲も総て出せ!」
「砲弾は総て撃ち尽くせ!負ければ明日は無い!」
豪州軍は最後に総力戦で来た。
勇猛果敢なのはどちらも同じだった。
第18軍司令官の安達二十三「こちらも腹を括るぞ!」
「負ければポートモレスビー作戦は失敗だ!」
全滅覚悟で全米爆撃機が総爆撃にやって来た。
安達「全軍、挟撃の隊列に陣形を崩せ!」
爆撃機は散らばる日本軍に対応出来ない。
日本の戦闘機がそれを次々と撃墜していく。
日本軍が破壊するのは発電所や変電所、変圧トランスだ。
堰堤の(飲料水)取水設備を爆破して水源を断った。
電源が無くなり、飲料水を断たれた米豪軍は浮き足だった。
豪州兵A「ど、どうするんだ電源が無いぞ」
豪州兵B「飲料水が無ければもって3日だぞ」
豪州兵C「レーダー、通信機、全部ダメになった!」
もはや死に物狂いで米豪軍は日本軍に襲いかかった。
だがそれは日本軍の望むところだったのだ。
日本軍兵A「ちくしょう、これを待ってたんだ!」
日本軍兵B「見敵必戦、白刃突撃、寡を以て衆を制す」
日本軍兵C「敵が降伏するかもとヒヤヒヤしたぜ」
敵掩体壕に飛び込んだ日本兵はまさしく鬼神と化した。
斬って斬って斬りまくって皆殺しにした。
豪州兵はスコップと山刀で果敢に応戦してきた。
スコップを甘く見てはならない、真の凶器とはこのことだ。
斬る、突く、刺すとなんでも御座れの閉所での万能兵器だ。
逆に長物の日本刀は取り回しにやや難がある。
ドカッバキッポキグシャッ!
掩体壕内は血の海で首や腕がゴロゴロ転がっている。
首の無い敵通信兵のマイクを取って英語の上手い日本兵が叫んだ。
「Need backup! (増援頼む!)」
M3中戦車も野砲も砲弾の続く限り撃ってきた。
戦車は新兵器のタ弾(対戦車用成形炸薬弾)で沈黙させた。
野砲は迫撃砲の餌食になった。
歩兵は高射砲の水平撃ちで黙らせた。
P-38ライトニングが機銃掃射を掛けてきた。
日本の戦闘機(三式)は空対空ロケット弾で応戦した。
総力戦同士のもの凄い消耗戦だ。
もうメチャクチャである。
撃って撃って撃ちまくる豪州軍。
ポートモレスビーに迫る日本軍。
ポートモレスビー複合飛行施設。
それには8つの飛行場が建設されていた。
①キラキラ(KilaKila)飛行場1933~
②ジャクソン(Jackson)飛行場1942~
③ウォーズ(Wards)飛行場1942~
④ベリー(Berry)飛行場1942~
⑤シュヴィマー(Schwimmer)飛行場1942~
⑥デュラン(Durand)飛行場1942~
⑦ロジャース(Rogers)飛行場1942~
⑧フィッシャーマンズ(Fishermans)飛行場1944~
1941年までは①のキラキラ飛行場だけだったポートモレスビー。
いまや建設中の⑧のフィッシャーマンズ以外の全てが稼働中だ。
7つの飛行場は、空母が7隻あるのと同じである。
500機以上(実際は1600機)の航空機が稼働出来る。
連日ラバウルに150機も爆撃機がくるのはおかしいと思っていた。
だがそれも合点がいった、数の暴力なのだ。
駐機している機が異常に少ないのも分かっていた。
ほとんどが北豪タウンズビルの飛行場に逃げ去ったのだ。
地上戦はもはや日本軍の攻勢である事は間違いない。
逃げ散る米豪軍は狼に狩られる羊の群といったところか。
もうポートモレスビーは落ちる、と承知したのだろう。
やがて航空機の攻撃はポツリポツリと消えていった。
安達「今だ!蹂躙せよ!」
8つの飛行場にワラワラと日本軍が侵入する。
遮るモノのない飛行場は絶好のマトだった。
鹵獲したユニバーサルキャリアに便乗して猛然と突破する。
そこに砲弾の嵐が突如として見舞った。
ドグワーンッ!ドグワーンッ!
日本兵「な、なんだぁ!」
その威力は野戦の火力を凌ぐ威力である。
見ると軍港に停泊する戦艦の艦砲がこちらを向いている。
主砲や対空砲火の砲塔をすべて仰角を水平に合わせている。
日本兵「艦砲射撃の水平撃ちだ!」
こんなのが始まったら、たまったものではない!
コレが始まるのは最後の手段である。
陸戦兵器がもう底を突いた証拠だ、
ドグワーンッ!ドグワーンッ!
艦砲射撃が日本軍めがけて炸裂する。
その威力は野砲の比では無かった。
吹っ飛ばされる日本軍の兵士たち。
制空権を奪った日本軍は99式双発軽爆撃機22機を出してきた。
積んでいたのは反跳爆弾だった。
これは対艦爆弾として3月に米軍機がラエ空爆で使用していた。
技術士官がこの水切り爆弾を観察していた。
日本は魔改造の天才である。
ただちに反跳爆弾が炸薬多めでコピ-されていた。
その量は魚雷の炸薬量を上回っていた。
水切り投げ石の要領で水面を飛び跳ねながら着弾する。
陸への艦砲射撃で全主砲塔が陸に向いているチャンスを狙った。
狙われたのはレナウン級3番艦レジスタンスだった。
ボヨ~ンッ、ボヨ~ンッ、ボヨン、ボヨン、ドッカアア~ン!
44発中4発が命中し、レジスタンスは大損害を被った。
しかも外れ弾は埠頭の岸壁に激突し爆発していた。
その爆発もレジスタンスに大損害を与えていた。
とくに艦上構造物が滅茶苦茶な損害である。
4発の命中弾が致命傷となり、レジスタンスは沈没した。
あとは軽巡、駆逐艦の艦砲射撃を黙らせればよかった。
艦砲射撃をしている艦船湾内に停泊している。
それは回避運動のない標的の様なものだ。
魚雷も爆弾もメチャクチャに投擲され、片方だけの舷側に直撃した。
外れ弾はやはり岸壁を破壊し、艦船は大損害を被った。
殆どの艦船が浸水して、くるっとひっくり返ってしまった。
豪州軍にもはや残された火力はライフルと手榴弾だけだ。
とうとう米豪軍は波打ち際まで追い詰められてしまう。
沖合にあるジェモ島、トーゴ島、ハイダーナ島に逃げ込んだ。
米豪軍は最後まで徹底抗戦で絶対に降伏しなかった。
<最後の一人まで徹底抗戦し、命尽きるまで戦う>
「西洋人の中にも武人はいるのだな」
「命を捨てて戦うとは見上げたものだ」
「窮鼠猫を噛むというから油断は出来ん」
本当はマッカーサーの厳命があったからだった。
「ポートモレスビーを離れるな」
確かに沖の小島に集結しただけとも取れる。
まだポートモレスビーではある。
第18軍司令官の安達二十三「ううむ」
「降伏しないなら戦闘中という事になるがどうか」
スタンレー山脈を越えてきた日本軍には戦車がない。
戦車揚陸艦もはるかポートモレスビーまでは遠すぎた。
第18軍吉原参謀長「どうしますか?肉弾戦になりますが」
豪州兵と日本兵の肉弾戦は被害が大きすぎる。
かといって爆撃機による焼夷弾攻撃は躊躇われた。
安達司令官は人徳者で殺戮は好まない。
安達司令官「もう1日降伏まで待つと言ってやれ」
「ライフルと手榴弾だけでどう戦うつもりなんだ」
人徳厚い司令官の、この躊躇が仇となった。
北オーストラリアから3時間の距離にあるポートモレスビー。
その夜。
夜陰に紛れて、各島には救援機が雲霞のようにやって来た。
次々と敵兵を乗せると一目散に離陸して逃げ散っていく。
クックタウンの飛行場からの支援機だった。
ボーエンの水上機飛行場からも支援機が来た。
その他、ケアンズ、タウンズビルからもやって来た。
使える航空機は全て使っての脱出劇だった。
戦車揚陸艦も接岸して、撤退を急がせた。
載荷重量は2100トンもある怪物である。
その逃げ足の素早さは天下一品だった。
一晩で3つの島には人っ子一人いなくなってしまった。
安達司令「躊躇したオレがバカだった」
「戦争は外交であるという事を忘れたオレの負けだ」
だがこの事は人徳として、豪州では実は高く評価されていたのだ。
豪州兵A「脱出の際に日本機の襲来も機銃掃射もなかった」
豪州兵B「これが武士の情けというヤツか」
豪州兵C「我々に同じ事が出来るだろうか」
彼らの脱出先は日本軍の手の届かない北豪州である。
かつてポートモレスビー爆撃を行った飛行兵が不思議がっていた。
飛行場にズラリと並んだ敵機を撃破して意気揚々と凱旋。
翌日偵察に来ると、元通りになっている。
また撃破するとまた翌々日元通りになっている。
薄気味悪くなったという報告が上がっていた。
毎日北豪州の飛行場から増補されていたのだ。
これが米豪軍の国力なのだった。
次から次へと補充される米軍機。
そしてソレを運んでくる流通経路。
ニューカレドニア以西のフィジー、サモア。
この北豪州の飛行場を全滅させない限りどうにもならない。
補給が続く限り、ポートモレスビーは米豪制空権内である。
日本兵A「とうとうポートモレスビーまで来たんだなあ」
日本兵B「このむこうが豪州なんだなあ」
日本兵C「カンガルーいるかなあ」
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ポートモレスビー陥落!
北豪沿岸地域の主要都市は大騒ぎだった。
見える筈もないポートモレスビー方面を睨む者。
浜辺で脚立の上に乗って双眼鏡で注視する者。
そういった人手に当て込んで出店を営む者。
市民A「明日にでも、日本軍が上陸してくるぞ」
市民B「どうする?南部に疎開するか?」
市民C「南って…島国は後がないぞ」
正史ではレナウン級3番艦レジスタンスは未完ですがIF歴史ではいます。Need backup! (増援頼む!)は映画バタリアンで被害を拡大しようとゾンビが警察無線で応援を頼んでいるところから思い付きました。次回はガダルカナル激戦(1/4)です




