マレー沖海戦(1/2)
IF歴史ではポンポン砲は40mmボフォース機関砲でしかも光学近接信管弾になっています。光学式の欠点は①夜使えない②曇天や雨天で精度が著しく低下するなどの欠点で米国は電波式を採用したのでした。
仏領インドシナ(現ベトナム)。
その歴史は仏ナポレオン三世の遠征軍派遣に端を発する。
仏軍はカンボジアも侵略し、1884年保護国にしてしまった。
1897年インドシナ総督ポール・ドゥメールが、植民地支配を完成させた。
肥沃なメコンデルタには稲作プランテーションが完成していた。
ホンゲイの石炭鉱山からは輸出も始まり、莫大な富を植民地に齎した。
公用語に仏語を掲げ、教育・医療・雇用を通じて植民地を支配した。
つまりベトナム語しか喋れない庶民は「蚊帳の外」ということになった。
1940年06月。
欧州では、独国の仏進攻によってパリが陥落する。
新たに和平主義寄りのヴィシー政権が誕生した。
独国の支配は仏国植民地にも及んだ。
特にド・ゴールが島流しにあった今となっては、すがる術も無い。
アフリカにある多くの植民地が動揺を隠せない。
仏領インドシナも例外では無く、強い影響を受ける。
日本は日独伊三国同盟によって、植民地政府に進駐を迫った。
親独派のヴィシー政権はやむなく日本軍の進駐を許した。
だが治安維持の名目で仏軍は解散せず、残留することになる。
インドシナには仏軍と日本軍が同時駐留する事となった。
1941年07月。
日本軍は南部ベトナムのサイゴンに進駐する。
目的はマレー半島侵略への前線基地の確保である。
この進駐に対して米英印軍は猛烈に反発した。
いよいよ引き返せない点(回帰不能点)を超えたのだった。
1941年11月英印軍は東洋艦隊を派遣。
シンガポールのセレター軍港に停泊した。
戦艦1、空母1,巡洋戦艦1、駆逐艦4、油槽艦1の編成である。
この空母はインドミタブルといい、ジャマイカで座礁していた。
修理は90日掛かるという事だったところを突貫工事で3日で済ませている。
艦載機はフルマー単座戦闘機という試製機である。
復座で開発されたが、中途で単座に変更された変わり者だ。
ほかハリケーンMk. IIも搭載輸送されていた。
戦艦はプリンス・オブ・ウェールズという「世界最強」艦だ。
水上・対空・射撃管制レーダーを持つバケモノである。
1941年英国は光学式近接信管の開発に成功している。
40mmボフォース機関砲の砲弾はすべて近接信管である。
対空ポンポン砲は故障が多い為、スウェーデン製のものになっていた。
無人砲塔に回転弾倉をそなえ、給弾排挟とも自動で無人である。
また3インチ対空ロケット発射器を3基搭載している。
もともとレーダーやロケット砲は英国の十八番だ。
ロケット砲には光学式自律誘導装置が付いている。
ある程度の高度に達すると無誘導から誘導に切り替わる。
もう1隻はレパルスという旧式巡洋戦艦だ。
僚艦レナウンとともに近代化大改装を二度にわたって受けた。
レーダー、機関砲とも充分な備えである。
こちらも3インチ対空ロケット発射器を3基搭載している。
1941年12月09日。
英東洋艦隊は日本軍のマレー上陸作戦を阻止すべく出撃。
同日、日本軍潜水艦伊165潜がこの英東洋艦隊北上を捉えた。
インドシナのツダウム基地より九六式陸上爆撃機が出撃する。
だがスコールと日没により見失っている。
また英東洋艦隊もほぼ同時に日本軍艦影を捉えている。
英271型水上警戒用レーダーは雨などの自然現象に乱される。
ただちに索敵機が向かうが、スコールと日没により見失う。
お互いに触接を続ける事が出来ずにいた。
レーダー波はまだ自然現象や外乱に弱かった。
12月10日日本軍はマレー上陸に成功。
英東洋艦隊に気掛かりな情報も入ってきた。
サイゴン沖に空母2隻が遊弋中の情報(誤報)である。
英東洋艦隊も空母は随行していたが艦載機は旧型だ、
鳥海を旗艦とする日本艦隊も英東洋艦隊を捜している。
英東洋艦隊はシンガポールに向けて転進した。
これにより会敵はまた難しくなってしまった。
12月10日午前11時日本軍哨戒機が英東洋艦隊を発見。
戦艦2(1隻は巡洋戦艦)、駆逐艦4,空母2(1隻は油槽艦)と打電した。
空母がいる為、九六式艦上戦闘機とゼロ戦が爆撃機護衛についていた。
この洋上待機していた各航空隊が英東洋艦隊に襲いかかる。
英東洋艦隊も空母インドミタブルから戦闘機が発艦する。
フルマー、ハリケーンMk. IIといった面々である。
どちらも格闘性能で勝るゼロ戦の敵ではない。
この時米英の一撃離脱戦法はまだ浸透していなかった。
格闘戦に巻き込まれ次々と撃ち落とされる英軍機。
勝敗は一方的のように思われた。
この隙をかいくぐって爆撃機が英東洋艦隊に接近する。
この九六式陸上爆撃機は旧式で装甲が無い。
当たれば一撃で火を噴き、紙のように燃え落ちるだろう。
英東洋艦隊の対空兵器が待ち構えていた。
空戦をかいくぐった末に待ち構えていたのは英レーダー管制射撃だ。
英GFCS(砲射撃指揮装置)は機械式アナログコンピュータだった。
敵機の未来予測位置を割り出し、そこに十字砲火を集中する。
何も知らない敵機はそこに突っ込む事になるワケである。
美幌航空隊第一中隊8機はその弾幕に突っ込んでしまった。
白井大尉「うわっなんだコレ!」
40mm砲弾が爆撃機の周りで全て炸裂、破片をまき散らす。
装甲の無い九六式陸上爆撃機はたまったものではなかった。
日本爆撃機は近接信管弾の集中砲火を浴びて海の藻屑となってしまいました。次回はマレー沖海戦(2/2)です。




