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(本編完結)また第二次世界大戦かよ  作者: 登録情報はありません
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マレー・シンガポール戦(2/5)

豪雨の中、戦車がやって来るシーンは「戦略大作戦」で嵐の中、音楽を掛けながらシャーマン戦車がやって来るシーンのオマージュです。

■シンゴラ・パタニ方面

こちらはタイ王国側から上陸し、マレーへ越境する奇襲部隊である。

上陸はさしたる抵抗もなく成功した。


シンゴラ英国領事館はあっという間に占拠された。

シンゴラ港から重機の陸揚げが始まった。


パタニ(Pattani)ではタイ軍の抵抗に遭い、市内では銃撃戦となった。

暴風雨の中、武装解除の説得が続く。


「我々日本軍はマレー越境のためにタイ国通過をするだけです」

「安心して下さい!タイ国の国体(国状)は安泰です」


そこに鹵獲したM3中戦車に乗った(ある)男がさっそうと現れた。

参謀本部作戦課の南方作戦主任参謀となった辻政信である。


山下中将より「こすっからい男につき注意」という曰く付きの男だ、

さっそく拡声器で大音声でとんでもない事を叫びだした。


辻参謀「キット マイ ペン ロー アイ クワーイ!」

<ナニ、考えてんだよ、バカモノが!>


独断専行で猪突猛進が悪いクセなのが辻参謀の短所であった。

すぐ拡声器を取り上げて、歩兵第42連隊長安藤忠雄大佐が注意した。


安藤「ムン タムヒアライワ?」

<お前何してんねん?>


そして拡声器をもって言い直した。


日本軍「我々は解放軍です」

「英国の呪縛に囚われず、新しい秩序を受け入れて下さい」


安藤大佐「辻政信中佐、窮鼠猫を噛むといいますぞ」

「煽るとタイ人どもは逆上して反撃に出るやも知れません」


辻「タイ人の反逆に対する見せしめだ」

「甘くするとつけ込まれるスキを与える」


安藤「占領すれば間接統治となり地元民に自治を任せる事になるんです」

「手懐けて使う分にはいいじゃありませんか」


辻「なるほど、そう言われればそうだな」

「自重しよう、仕事の邪魔をしたようだ」


安藤大佐は参謀本部作戦課長・土居明夫からこう言い含められていた。

「逆らうな、受け流せ、そうすれば図に乗って付いてくる」


土居は武官時代にノモンハンでシベリア鉄道爆破をけしかけた経緯がある。

彼はその時に辻参謀の「よい方向への操縦法」に気付いたのだ。


王立警察や市民が警察署に立てこもり最後の抵抗を続けている。

それこそ戦車で一掃も出来たが、それは後々のテロやゲリラを生むだろう。


4時間後、粘り強い説得の末、全員が投降した。

この後の辻参謀は河村先遣部隊付き参謀になっていた。


日本軍「あとは英東洋艦隊がどう出るか、だ」

この時、シンガポールを出た英東洋艦隊はこちらに向かっていた。


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1941年12月10日。

マレー沖海戦起きる。


戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスは大破。

空母インドミタブルは沈没した。


残存の英東洋艦隊はアフリカのモンバサに撤退を余儀なくされた。

後に艦隊保全主義に徹して、決して動かなくなる。

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日本は南進してシンガポールを目指さなければならないのだが……。

作戦立案時、マレー半島の地図は英国のガイドブックしかなかった。


遡ること1年前の1941年01月。

作戦主任参謀の辻政信と作戦課長の池谷半二郎は悩んだ。


辻政信「地図なしでは絶対に作戦行動は取れない」

池谷半二郎「それならマレーに詳しい事情通が2人いる」


2人の男が参謀本部に呼び出された。

第一部員の谷川一男中佐、 国武輝人大尉がそれであった。


陸軍中野学校幹事の上田昌雄大佐も参加している。

谷川「地図?お任せ下さい」


辻「英国諜報部の24時間監視の目があるのだぞ」

国武「我らが諜報網は『手が長い』のです」


手が長いとは諜報網が異常に広いという意味だ。

敵性外地では頼もしい限りであった。


1941年01月。

谷川、国武、上田。


彼らマレー通の3人はシンガポールの地を踏んだ。

外務書記官という肩書きで英国の入国審査に通った。


戦争はまだ始まっていないが外交は破局寸前である。

彼らは24時間英国に監視され、追尾を受け、行動を密告された。


監視によれば、領事館内の事務をキチンとこなしているようだ。

追尾によれば映画館、繁華街や市場を散策しているようだ。

密偵によれば、それらしき行動には出ていないようだ。


やがて期限が来て、彼らは日本へ帰っていった。

土産はパイナップルやバナナ、象の木彫り人形だった。


英国防諜機関「なんだったんだ?単なる物見遊山かよ」

しかし英国人は完全に欺かれていたのだ。


国武らはまずプラナカンに接触していた。

プラナカンとは15世紀から馬来島嶼(ヌサンタラ)に住む中華系混血民だ。


混血移民の為、Cina(中華系)やBelanda(オランダ系)は英国寄りを重視する。

Jepang(日系)は日本に先祖由来を持つ中華系混血民だ。


中華系が鄭和の遠征に由来する移民であるように日系にも由来がある。

日系は鎖国前のマレーのパタニ日本人街にその祖を見る事が出来る。


国武らが会ったのはJepang(日系)プラナカンであった。

国武「マレー半島の詳細な地図が欲しい」

マレー沖海戦はこの章(1/5~5/5)の次章に書かれる予定です。辻参謀大活躍ですがマレー戦では正史でも大活躍でした。ホントは作戦参謀が先陣を切ったり戦闘に参加してはいけないのですが、彼はヘイチャラでした。次回はマレー・シンガポール戦(3/5)です。

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[気になる点] 辻ーんの操縦法を知る人物は貴重だ。
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