スキルの活用法
地平線に太陽が沈んだ。
あたりはみるみるうちに暗くなりだし、ぼくらは見通しの良い荒野の真ん中にバスを停車させて、今晩のキャンプ地とした。
いくあてもなく、ライトをつけて余分にガソリンを消費するのは自殺行為に等しい。
修学旅行土産のカステラを四人で食べて、ささやかな夕食とした。
「喉がかわくわね」
鮫島さんが不満を漏らした。
「文句いわないの。水だって貴重なんだから」
「いや、水なら出せるぞ」
「え?」
ぼくらはラピスと共にバスの外に出た。
「やれ」
《いえす、ますたー。【マスターオブアイス】――【アイスウォール】》
地面から突きだす、大きな氷の壁。
「そこらへんに穴を掘って、こいつを溶かして沸かせば、風呂にもなるだろう」
「「「お風呂――ッ!?」」」
女性陣が目を輝かせた。
この時ばかりは、ぼくを敵視する鮫島さんすらも例外ではなかった。
「あの、なんていいますか……わたしは古河くんのことを神と崇めればいいんでしょうか?」
福原さんが真剣な目つきで訊いてきた。
「適度にぼくの指示に従ってくれればそれでいい」
「お、お背中ぐらいは流します! 本気です」
いじめられていた彼女は、この場のリーダーであるぼくに気に入られようと必死だった。
ひとまず安心させるべく、茶色がかった頭をなでる。
「そんなことしなくったって、できる限り、ぼくは福原さんを守る」
「古河くん……」
眼鏡の奥で、彼女は感動したように大きな瞳を潤ませる。
そう、できる限りは守る。できる限りは……。
『ふふん、そーです。ますたーの背中を流すのはラピスの役目なのです。硬軟自在なこの身体は時に垢擦りのように激しくこすり、時にきめ細やかな泡のごとく優しく包んで、ますたーの身体にこびりついた垢という垢、汚れという汚れをぺろぺろ、うひひひぺろぺろ』
「ごめん、やっぱりあいつを見張っててくれるかな」
「は、はいっ!」
『ますたーっ! あいにーじゅーっ!』
にぎやかな一時は過ぎ去り、夜は更けていった。
古河奏人のスキル……11個
タイトル変えてみましたが、どうでしょうか?




