メンヘラちゃんの異世界転生
メンヘラがきちんと理解出来てないかもしれません。
それでもOKな方はどうぞ!
あぁ、何で私はこの世界にいるのだろう。
私は前世の記憶を持っている、前世の私である未奈は毎日が何故か怖くて彼氏もいたけど彼と合わない日は特に怖かった。
こんな私に対し彼は優しかったがイケメンと言われる彼は女性に人気で私なんてものは実際は邪魔だったかもしれない。
だから自殺した。彼に合わない日に脈をうつ心臓の上をナイフで一突きした。辛い毎日から逃れたかったのだ。
なのに何故私はこの新しい世界で伯爵家の娘―ミィーナとして生まれたのだろうか?
また毎日が怖い。
怯える私を両親はすごく心配してくれるけど何故だかわからない恐怖心が私の心の中から消えることはない。
毎日を部屋の中で怯えながら暮らして15年、こんな怯えて暮らしていても伯爵令嬢である限りやる事はある。
礼儀作法やダンスは小さい頃から毎日少しずつやらされていたから出来ないことはない。
この国では15歳になると成人し社交界の場に出なければいけない。
私も今15歳だ。
駄々をこね伸ばしていた社交界の場にもいい加減出なければ行けなく今日その社交界のため城で開かれるパーティーへ向かう。
私の顔色は酷いであろうし手足も震える。
あぁ、自殺したい。
何度かやろうとしたけどその度にメイドや執事にとめられる。今では見張りもつくほどだ。
「お嬢様、つきましたよ。大丈夫です怖い事などありませんよ?」
見慣れたメイドが言うが、大丈夫とはなんの確証を持って言うのか、何が大丈夫なのか、こんなにもこんなにも私は怖いというのに。
私なんてものが出なくても社交界の時間は流れると言うのに世間は私を逃がしてはくれない。
今の世界の私は美形の両親の間に生まれたために美形だ。
入った瞬間に人に囲まれる。
何が大丈夫だったのだろうか?
私は今この空間からも逃げ出してしまいたい。
下を向き過呼吸になりそうな息を整えようとするが周りに集まる人の言葉はやまずますます過呼吸になってくる。
あぁ、いっそこのまま息ができなくて死ぬのも良いかもしれない。
メイドも執事もいない今これがチャンスかもしれない。
そう思うと嬉しく思えてきた途端、私の口に私よりも大きい手が回る。
「リューステス様だわ。めったに社交の場には出ないというのに珍しい。」
「あの触るのも嫌いなくらい女嫌いのリューステス様が女の人を触っているわ!」
周囲がざわめくが今の私には関係ない。
呼吸を諦めようとしたのを止められたのだ、そのまま落ち着くように言われ一緒にテラスの方へ行くがそれを追った周囲の目もあることから私はいきを整える。
もう少しの辛抱だったのに。
もう辛い……生きてる事がなんの役に立つのだろうか?
更に下を向こうとした時、強い力で上を向かされた。
「未奈、やっと会えた。」
前世の私の名前。
「……りゅーや?」
顔をよく見る。
その顔はこの世界の人としての顔になっているが前世の竜也の顔と似ていた。
美しい竜也はいつも人気で引く手あまただったのに私を選んでくれた。
でも、前世の私は自殺したはず。私から開放され誰とでも好きな人と付き合えたのにどうしてここにいるのだろうか?
「あぁ!未奈!未奈!未奈がここにいる。もう絶対そばを離れないから自殺なんてさせないくらい離さないから!」
嬉しそうな声音で思いっきり抱きしめられる。
また周囲の人がザワッとしたけど私は抱き締められた安心感に浸っていた。
いつも竜也の腕の中は安心できた。
それ以外は怖くて死にたくなった。
でも、私から開放したのにどうしてここにいるのだろうか?
「竜也、どうしてここにいるの?私自殺したからここにいるのに。」
「未奈が自殺してるのを見つけてすごく悲しかったよ。どうして僕はずっと側にいて挙げなかったのかと後悔もすごくした。本当は二人でどこか遠く人も来れない所で暮らしたかったし、誰にも未奈を合わせたくもなかった。自殺したあとの未奈を君の前の両親と見つけていても立ってもいられなくてその場で未奈の使ったナイフで首切っちゃった。でも、こうしてまたあえて良かったよ!今度は離さないよ。ずっと一緒にいよう!」
あれから彼は私の後を追ったのか。
私なんて死んでも変わらないと思ってた。
世界は回り続けるし、一人死んだところで世間は目なんて向けない。
向けたとしても一時期のニュースみたいに記憶の奥へと押しやられてやがて忘れてしまう。
そんなものだと思っていたが違ったみたい。
彼は私の自殺により彼の人生の歯車は回るのをやめた。
そもそもあった時から彼の人生の歯車は壊れていたのかも知れない。私と言うサビが彼の歯車を壊していった。
「うん、あなたと一緒なら他はどうでもいいや。私自身でさえも私にはどうでもいい物だもの。」
彼の元は居心地が良い。
何の心配もいらない。彼に全てまかせとけば何もかもがうまく行った。
今回も彼の近くにいれる。
私の人生は彼のものだもの何の心配もいらない。
❃❃❃❃❃❃❃❃❃❃❃❃❃❃✾❃❃❃❃❃❃❃❃
2週間後、公爵家の長男リューステス=ディスリット
と伯爵令嬢ミィーナ=ラウスレッドは結婚した。
このニュースに世間は賑わった。
出会ってわずか2週間で結婚まで行ったのだ。
しかも、リューステスは大の女嫌いで有名な男だった。
美しい造形の顔に似合わず女に向ける言葉は冷たく、一体何人の女がその毒牙にかかったのだろうか?
そんな男が結婚したのだ。
噂にならないはずがない。
ミィーナもまた伯爵家の溺愛している令嬢であると噂されていた。
実際あの社交の場で彼女に惚れた男は多いだろう。
それぐらいミィーナもまた美少女なのだ。
「ミィーナ。これからはずっと一緒だよ。怖がる暇もないくらい一緒にいようね。愛してる。」
――――――愛してる。
その言葉を認識した時私は初めてこの言葉の意味を感じた。
私が怖かったのは愛されなくなる事なんだ。
誰からも必要とされず、誰からも愛されなくなる。
でも、もう大丈夫。
私の隣には彼がいる。
彼が私との約束を絶対破らない人だ。
「私も、私も愛しています!」
一体囚われたのはどちらだろうか?
彼か私か……。
最近心が病んでる気がしてきた←