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第零振 終始
『お父さん、お母さんできたよ!』
『凄いわね、純』
『とっても上手な絵だ!』
小学生の頃をふとおもいだした。
そういえば、あの日は僕の誕生日だっけ。
母の作ったハンバーグがいつもより美味しかったのを
覚えている。
そう僕の誕生日2月19日こそが、 僕の18年間の人生で一番最高であり、一番最悪な日になった。
あの日の夜だった突然大きな音がして、その直後部屋の電気が停電した。
父が慌てて外の様子を見に行った。
様子を見終えた父が帰ってきて言った一言は、
『逃げるぞ』
その一言だった。
それから指定された避難所に行き、今起きていることを知らされたのは翌日の朝だった。
世界は今、地底人に攻められているのだと。
第零振完