表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今日から学校と仕事、始まります。①莞

でも、いいんじゃないか

作者: 孤独

真面目にやっていく世の中って、良い事だろう。

でも、ブラブラとしていくのも、一種の真面目だよ。


真面目な人生だよね。気分転換ってみたいな。



「あーっ」



新しいゲームが発売されたら夜更かしどころか、朝まで行っちゃって、欠伸しちゃう理由が身体の違和感だって、コーヒー飲んで誤魔化してみた。でも、眠っているわけで。

呆れた家族がしょうがないから、布団かけてそのままにしてくれて。行ってきますを、言っていたようだ。


時計の針はそこから5回も回って、太陽も真上に昇っていく。

起きたらまた、ゲームをしていた。学校はもういいや。丁度良い場所、セーブできる場所じゃなくて、トイレを行くくらいとか、お菓子を獲りに行って食べるくらいの暇じゃなくて、眠れるくらいの暇。



そうだ。もう、1回目のエンディングが切りが良いな。きっとすぐだと、サクサクプレイをしていく。



頭がスッキリしていくのは目標が決まったからだ。何かがそこにあって、欲しいと思えば、自分は動けると気付けた。数学の方程式を暗記するより、自分の仕組みを学んだ方がタメだ。

人生だから、楽しい方を知れたらいいじゃないか。

続いていく。


「んーっ……」


ゲームの飽きがエンディングで来ることが良かった。今出た欠伸は、眠いからじゃない。退屈になってきたからだ。ここではもう強くなれないようだ。切り替えねばと、ゲームは言っているようだ。また、少し弱くなったら、プレイするさ。

ちょっと寝る。丁度良く、布団も近くあった。




◇    ◇



「おっし」


昨日の、一日中。ぶっ通してやったゲームの疲れを忘れ、心機一転と。学生服を袖に通す。


「あら、竜彦。今日は学校なの?」

「昨日、サボったからな!それも堂々と!続きはもうしねぇし。飯をくれよ」


当たり前な日常に嫌気がさす。世の中、嫌な奴とどーでもいい奴が多すぎて、友達なんて100人いたとしても少ないほどだと、世界から見れば感じる。

それでもゲームの新作が出るように、進んでいるこの世界では変化が生じる。その変化が時として、楽しみを作り出していく。どうして、サボったとか聞かれるんだろう?そんな変化でも会話ができて、してくれる友達がいるから面白い。ネタバレは絶対にダメと、口を塞いでおく。



「いってくる」

「いってらっしゃい」


昨日は、何も言ってなかったな。しかし、今日は言ってもらえて、普段は嫌な親の声でも受け入れられる言葉だなと、挨拶の便利さを知ったり。

スニーカーを履き、青い空の下で自転車を漕ぎ、通学中の音楽は口ずさむ元気をくれる。

まだ込み合っていない駐輪所に入る感覚は久々だ。なんか良い事があったみたいに、喜んで快適に自転車を止め、ちょっと駆け足に校舎に入っていく。階段なんて2段飛ばし。


「?」


でも、寂しくはねぇか。

校舎に入っても生徒を見かけなかったことを、あんまり意識はしなかった。むしろ、こんな人が少ない校舎なんて久々だ。



「おーぅ、おはよう!」


元気一杯の声とともにクラスの教室の扉を開けたが、そこには誰もいなかった。



「んだぁ?誰もいねぇじゃんか」


机にカバンを置いて、引き出しに入れていた漫画を読み漁る。どうせ、授業はちょっと五月蝿い満喫気分だ。


「そっか、今日は日曜日か。昨日は土曜日だったか」


日にちのズレと、時計が正しさと違ったいつもの光景にようやく気が付いた。ちょっと恥ずかしいか。しかし、こんな静かな教室にあっさりと入れたことと、新たな発見が妙案を生んでいく。

電話に、メールに。やりたい放題に携帯を使う。


「舟ー!漫画、ゲームを持って来ーい!丁度良い、漫画喫茶を発見したぞ!」

「四葉ー!女子連中を上手く誘ってくれー!」

「坂倉ー!飲み物と、食い物を持って来ーい!」


携帯と同じように、人遣いも荒っぽく。学校に呼んでいく。とはいえ、自分も呼ぶだけじゃなく、机のレイアウトを変更して、広々とした空間を作っていく。大移動の音は雑音にも騒音にもならなくて、むしろ、宴の準備みたいで楽しい。準備が良い。


「おーい!漫画持ってきたぞー!」

「飲み物や菓子も持ってきたぞ。これ、領収書な」

「川中や御子柴とかにも声を掛けたぞ」


日曜日なのに暇な奴等だと言えば、それは自分もだったと苦笑する。机を端に寄せ置いて、床は綺麗に拭いてからシートを広げた。


「わー、ホントに教室で飲み会をするんです?」

「人の少ない教室なんて、良いところを選ぶわね」

「遊びに来ましたよ」

「漫画とかも、お菓子も、こっちはこっちで持ってきましたよ」


それから、声をかけた友達がゾロゾロとやってきた。プチ宴会だと知って、想定以上の生徒達と暇人がやってきた。紙パックに麦茶やビールを注いで、灰皿にタバコを押し付け、長編の漫画を読み漁り、次の休みでどこかに行こうと旅行の準備を考えたり、普段でも言っているような愚痴を吐き出す。

日曜日だからこそ、暇をしている連中が多かった。こんなにもいたんだってくらい。


話し、飲み、騒ぎ、遊び、読み、食べ、笑い、


良い事だったと、今日は今日で思う。

結局、日が沈むくらいまでいて、明日もここに来るの面倒だなって、泊まるか泊まらないか、楽しく言ってみたり。まぁ、我が家の風呂と布団に勝てないから、みんな帰るんだよな。

楽しく、自転車で並んで帰っていく。



◇   ◇



「えーっ、昨日」



月曜日。


「一体誰がこんな事をしたのか?机がこんなにも移動しているんだが」


ビール缶やタバコはさすがに片付けたが、机を整頓するのが面倒で翌日に回したが、教師に先に見つかった。


「犯人は誰だ!手を挙げろ!何が目的だったんだ!」


そうして、クラスは手を挙げる。ほぼ大勢、というか、先生以外のみんな。

代表と責任を兼ねて、声を出す。


「昨日、ここで飲み会をしてました。すんません」


言葉に、拳を握り締め。机を叩いて叫ぶ。


「俺も暇だったから誘ってくれよ!!」


注意より誘ってくれなかった怒りの声を上げた。

でも、いいんじゃないか。良かっただろう。



自分の書き方を変えてみたが、逆におかしくなったと。

まぁ、いいんでしょうかね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ