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告白
さて、愛美と淑子がそんな会話をしてから、1か月が過ぎた。
「今日、彼と会うけれど、来たい?」
「もちろん」
彼というのは、当然に敬介のことだ。
タイマン会場は、いつも通り、空き地だ。
二人は連れ立って歩いているが、その途中、敬介にたまたま出会った。
「あれ、敬介じゃん」
「おう、今日こそぼこぼこにするからな」
右、左とストレートを見せつけるが、愛美は笑ってそれを見ていた。
「ほら、いいなよ」
背中を押す形で、淑子を優しく一歩近づける。
「ん?」
敬介は不思議そうな顔をして、淑子をじっと見つめている。
「あ、あの……」
「どうしたの」
「公園で助けてもらったお礼、言ってなかったのと……」
「ああ、あれぐらいはよくしてるからさ」
そう言ったが、さらに淑子の言葉を待っているようだ。
「あなたが、好きになっちゃいました…付き合ってもらえませんか?」
「俺とかい?」
敬介が聞き返すと、コクンと淑子はうなづいた。
「……ごめん」
それは、まだできないんだと、敬介は言った。




