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学校にて
学校にて。
「ふぅ…」
ため息を吐いていた淑子のそばに、目ざとく何かを嗅ぎつけた愛美が近寄る。
「どうしたの」
空いていた淑子の前にある椅子に座り、目をキラキラさせて愛美が聞く。
「いやね、実はね……」
淑子は、この前あった、ジョギング中に出会ったことについて、愛美に聞いた。
「あれ、なに、淑子は彼のこと好きなの?」
言った瞬間、淑子は顔を真っ赤に染めているが、どうやらその通りだと言うのが本心のようだ。
「それで、どうしたいの?」
「どうしたいっていわれても…」
淑子が、なぜ敬介を好きになったのかは分からない。
それは、愛美とのタイマンの時だったのかもしれないし、強姦から助けてくれた時かもしれないし、犬と一緒に散歩をしている時かもしれいない。
もしかしたら、その全部かもしれない。
分かっているのは、メアドを交換した程度の仲なのにもかかわらず、出合いの時は片手で数えられるほどだと言うのにもかかわらず、片想いに至ったという点だ。
「その気持ち、ぶつけてみたいの?」
「ぶつけちゃっても大丈夫かなぁ…」
「大丈夫。いざとなれば、私が伸ばすだけだから」
何を伸ばすのかは、あえて淑子は何も聞かなかった。
愛美は、右ストレート、左ストレート、それに右フックと連続して技を決めていたからだ。




