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溺愛彼氏は皆のモノ??

まあくんに置き去りにされた私は、ようやく自分のクラスに着いた。

べそをかきながらいなくなってしまったまあくんと同じクラスでなくてホッとする。

席について、鞄から宿題と取り出して、私は宿題を片付ける。

「あい…宿題やってないの?」

「うーん。昨日は本を読んだまま眠っちゃったみたいで」

「あらら。授業は午後からだから…頑張れ。無理だったらお昼休みに移させてあげるね。ところで、まあくん親衛隊があいの事睨んでるよ」

中学からの同級生のまゆちゃんが教えてくれる。

「なんでだろうね。まあくんに宿題写させてっていってダメって怒られたからケチなまあくんは大嫌いって言っただけなのに」

「あぁ…成程。後は分かった。べそかきまあくんはそのまま教室に行っちゃったって訳か」

「きっと…ね」

廊下にいる親衛隊は私を睨んでいるだけで、何かして来る訳ではない。いつもの事だから。

「それにしても…暇な人たちね。私なんか観察しなくてもいいのに」

「…無理でしょう。まあくんのあいちゃんへの溺愛ぶりは並みじゃないもの」

「でも…1年365日あれでそれを記憶がある範囲では13年も続くと普通であって、ないと気持ち悪いものなのよ」

「要は、習慣となっているから気にしないでくれってことね」

「うん」



まあくんはどちらかというといじられキャラだ。

どちらかというと、年上のお姉さんから可愛がられるタイプ。要は見た目ががっつりショタコン向きなのだ。

で、今のクラスではマスコット的存在になっているそうだ。

なんでも、まあくんは皆のモノ。独占はダメ。抜け駆け禁止だそうだ。

私も含めて、まあくんが親しい女子はこの洗礼を受けている。

休み時間の度にまあくんが私の元に来ようとするから、結果的に親衛隊によって監視されている。

それでも…本人は来るんだけども…。そして結局、探しに来た柔道部のクラスメイトに連れ戻される。

その時に必ず『僕はあいちゃんの所に行きたいだけなのにぃぃぃ!!』と叫んでいる。

それを聞くのが、私達のいるクラスの日常。これを聞かないとやっぱり変。



「ちょっと」

親衛隊から私は呼ばれた。

「私達のまあくんに何を言ったのよ。まあくん泣いているじゃない」

「ふぅん。そう」

「何か言うことないの?」

「ない。まあくんだって自分でどうにかできるんだからほっておけば?」

「自分が原因だっていうのに、その言い方はあんまりよ」

親衛隊はどんどんヒートアップしていく。

まあくんは好きだけども、これが恋愛かどうかなんて分からない。

だって、生まれてからほぼずっと一緒だったから。

だから、まあくんの想いが恋愛としての好きなのか、幼馴染としての好きなのか結論が出せない。

このことはもちろん、まあくんは知っている。その上でのまあくんの行動なのだ。

そんなにまあくんが欲しいのなら、ちゃんと告白すればいいのに…。

まわりくどい事をするのが好きなのか?この状況に彼女が酔った状態なのか判別できない。



「確かにね、けちなまあくんは嫌いって言った私が悪いのは認めるけど、責められることはないんじゃない?」

私はその一言を言った後は親衛隊の相手をすることをやめた。

だって…宿題の方が大切だもの。

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