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彼氏同伴の朝食風景

着替えが済んだら、朝ごはんだよね。健康な体は食事から。

「あいちゃん。今日もキュートだね」

「そう?いただきます」

朝から胸やけしそうな極甘スイートなセリフをかわしつつ朝ご飯。

まあくんはおうちで食べてきているから、私の向かいのダイニングテーブルに座ってニコニコしながらコーヒーを飲んでる。

極甘スイートなセリフをすらすらと吐くのに、実は…まあくんは甘いコーヒーが苦手。

マックスコーヒーを飲んでっておねだりすると涙目でやめてぇって言う位。

最近はそんな事はしないわよ。私だって空気読めるんだから。

今朝は、イングリッシュマフィンにツナとチーズを挟んでトーストしたのと、温野菜のサラダにマヨネーズと味噌を混ぜたディップとヨーグルト。

朝はしっかり、昼は普通に夜は質素が私のポリシー。

やっぱり女の子に生まれたからには、自分なりに綺麗であり続けたい。

それって…少なくても恋する女の子は絶対にそう思うと思うけどな。



「朝からあいちゃんはしっかり朝ご飯だね」

「もちろん。今日は午前中に体育があるしね」

「そっか…。体操服姿のあいちゃんかぁ。またかわいいんだよね。他の男になびかないでよ?」

「なっ、何を言ってるの?まあくんは?」

「だって…あいちゃんは僕のモノなんだから…ね?」

「そうよ。まあくん、いつでもこの娘を連れて行っていいんだからね。18歳になったらさっさと結婚しとく?」

「あっ。それっていいかも。そうしたら夫婦だもんね(はあと)」

私は目の前で繰り広げられる会話に頭が痛くなる。

どこの世界に、18歳になったらさっさと結婚しなさいって彼氏にせっつく姑(予定)がいるんですか?

そのまえに私の意思はどこにあるんですか?

私にだって…人並に結婚に対しての願望があるんです!!



「あいちゃん?眉間に皺を寄せた顔もすっごく可愛いんだけども…笑ってほしいなぁ」

「誰のせいで…こうなったと思うの?私の意思を無視してドリームを語るなぁ」

そう言って私はそっぽを向いてテレビのニュースを見ていた。

まあくんも好きなんだけども…お気に入りのニュース番組のキャスターさんにうっとりする。

すっごくイケメンって訳じゃないんだけども、くりくりとした眼が可愛くて、コメントでたまに毒を吐くの。

今時のアナウンサーってキャラクターがないと生き残れないんだなと切なくなる。

画面越しの彼に頑張れってエールを送る。

「あいちゃんは…知的な年上男性が好みなの?」

「はぁ?」

「だって、熱い視線で見てたじゃない?」

「違うわよ。どんな職業でもサラリーマンは大変だぁって思っただけよ。まあくんだってそのうち…ああなるんだから」

私はちょっとムキになって答える。なんかおかしな答えになってない?私?

「そうだろうね。社会に出たら。でもあいちゃんの前の僕は僕のままだよ?だぁいすき!!」

いつの間にか私の背後にいたまあくんに後ろから抱きしめられる。



「ちょっ…」

「おばさんの事は気にせずにどうぞ」

「ありがとうございます」

娘が襲われているのに、どうぞって熨斗を付ける人がどこにいる?

ご機嫌なまあくんは、私の頭に鼻をくっつけてクンクンしてる。

「シャンプー換えた?ハーブの優しい香りがする」

「うん。でも…変態みたいだよ?その格好」

「それは嫌だなぁ。じゃあやめた。体育なら髪の毛まとめる?僕がしてあげるよ?」

「やって貰おうかな。まだ時間あるし」

「了解。とびっきり可愛くしてあげるからね。ソファーに行こうね」

まあくんに手を引かれて私はソファーに連れて行かれる。



「綺麗でサラサラでつやつやな髪の毛」

「褒めても何もでません」

「お任せでいい?」

「うん」

私の髪をブラシで梳かしていたまあくんに聞かれて私は素直に答えた。

私が自分でまとめてもいいんだけども、まあくんの方が上手なんだよね。

女の子としては悔しいけど、そこはもう諦めた。

「じゃあ、編み込んでいってもいいよね」

「だから任せるって言ったじゃない」

「そうだったね」

まあくんはテレビの見ている私の邪魔にならないように手早く編み込みをして残りを三つ編みにした。

「はい、今日もあつそうだから、シンプルにまとめたけど。いいかな?」

「ありがとう。まあくん、学校に行くわよ」

「そうだね。じゃあ行こうか」

私達は鞄を手にとって玄関に向かう。



このやり取りのない朝なんて…やっぱりつまらない。

だけど、このことはまあくんには絶対に言わないんだから。

言ったら…恥ずかしすぎて…死ねる。

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