寝るまでは一緒じゃないですから
「いただきまぁす」
私達は自宅に着いてから、一緒に宿題をやった。
今朝のことがあるからそうなるのは仕方ないけど…ちょっとだけ納得いかない。
とりあえず、明日のテストはなんとかなりそうだ。
その後、夏休みの宿題の話になった。
結局、今年の夏休みの宿題もまあくんと二人三脚になりそうだ。
明日、宿題を貰ってから考えるしかないんだけども…早く終わらせたい。
今日の夕ご飯は、夏野菜がたっぷりと入ったカレー。
ゴマも一杯入ったごぼうサラダ。
まあくんが辛いの苦手だから、カレーにはたっぷりとカボチャが入っているんだろうな。
いつもより黄色いカレーを見て私は苦笑する。
たまには…辛いカレーも食べたいなぁ。
「ところで…夏休みはどうなってるの?」
「どうして?」
「予備校とかはいいの?」
「私は志望校的に行かなくてもいいかも。今年はね」
「ふぅん、まあくんは?」
「僕の方は希望進路が指定校推薦があるみたいなので、そっちを目指すんです」
指定校推薦か…。成績が余程良くないと無理だよね。そんな私も狙っているけど貰えるかどうか。
「高校2年の夏休みは一度しかないんだから…。後悔しないようにね」
「分かってるよ。まずは…夏休みの宿題だよね?」
「そうだね。あいちゃん。早く終わらせて一緒に遊ぼうか?」
「そうだね。まあくん…そろそろおじさん帰ってくるよ」
私は時計を見た。午後7時。共働きなまあくんの夕飯は昔から私と一緒の事が多い。
まあくんの家の夕ご飯は、うちの夕ご飯と同じものだったりする。
「そうだね。晩酌用のおつまみ用意しないと」
「大丈夫よ。まあくん。おばさん作っておいたから。勉強するんだったらまた帰っておいで」
「今日は…止めておきます。家庭科のプリント…終わってないんじゃない?」
「うん…あれは一人でやりたいから。まあくんありがと」
「それじゃあ、いつもおばさん用意してくれてありがとう。おやすみなさい」
「あい、荷物が多いからまあくんの家まで着いていきなさい」
「はーい」
私は母から、まあくんの家の夕飯が詰まった袋を持って玄関に向かう。
「あいちゃん、ご飯は僕が持つから…代わりに鞄でもいいかな?」
まあくんの提案にのっかって私は荷物を交換する。
道路を一本渡るだけの道。本の10メートル位の道が今日はちょっとだけ遠く見える。
でも、いつもの通りですぐにまあくんの家に着いた。
玄関の前で私は鞄をまあくんに戻した。
「ありがとね。あいちゃん。喧嘩しても大好きだよ」
「そう。じゃあね、まあくん…明日もよろしくね」
私は口早にそう告げてからクルリと後ろを向いて家に向かってダッシュした。
気がついた?いつもはじゃあねしか私言わないんだから。
どんな形でも…まだ私はまあくんと一緒にいたい。
朝からげんなりするようなセリフを言われようが、仲直りするために追いかけてこようが。
そんなまあくんと対等に付き合えるのって私しかいないと思うよ…まあくん。
無事終了です。最後は少しだけ甘くしました。
その後の二人は…ご想像にお任せします。
よろしければ感想お待ちしてます。




