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ある日の朝 溺愛彼氏のモーニングコール

彼女大好きな彼氏の朝は?

「あいちゃん」

「何?まあくん?」

「僕達ずっと…ずっと一緒だよね?」

「…多分ね…」

「ちょっと!!あいちゃん、どうしてすぐに答えてくれないの?」

「絶対って言えないでしょ?」

「全く、あいちゃんったら…かわいい」

「あぁ、もう。暑苦しい。張り付くな!!」

「いやだ。ギュウ」

「まあくん!!」



幼い頃の夢を久しぶりに見た。

アレから約10年、お向かいのまあくんは相変わらず暑苦しい。

時間は、午前7時。そろそろあいつが暑苦しくやってくる。

「おっはようございまあす!!」

ほら…聞こえた。無駄に煩い声がする。

「まあくん。いつも通りよ。よろしくね」

お母さんも…そのリアクションはないでしょうが。

もう…言うだけ無駄か。

トントントン…軽やかに階段を上ってくる音がする。

ここまでは爽やかにみえるけれども…ね。

私は毛布を被って寝た振りをした。



「おっはよう!!あいちゃん!!今日もいい天気だよ!!」

ドアを開けるなり、あいつは爽やかとも暑苦しいともいえる第一声。

この挨拶を約10年聞いていると…そんな事はどうでも良くなってくる。

それから、まあくんはカーテンを開けて朝の陽が部屋に注ぎ込む。

今日もいい天気だ。それだけは認めよう。

私はいかにも今起きたように毛布から顔を出した。

「おはよう。まあくん。着替えるから出てってくれない?」

「あぁ…そうだね。今日も可愛いね。だぁいすき!!」

私がベッドから起き上がるとおでこにまあくんがキスをする。

「もう!!朝からなにすんのよ!!」

「えっ?ごあいさつだよ。今日もかわいいんだから。下で待ってるね」

そう言うと、まあくんは下のダイニングに行ったみたいだ。

毎日がこうだといないと違和感を感じてしまうのだから習慣とは恐ろしい。



私の幼馴染のまあくんは私と同じ病院で生まれた。

まあくんの方が先に生まれたが、曜日は同じだ。

小学校に入るまでは、毎日当たり前に一緒の時間を過ごしていた。

けれども、その時間は小学校の入学で断たれてしまう。

私達は家の前の道路で学区が分けられてしまっていて、別の小学校に通うことに。

それからだ。私が家にいるとまあくんがやってくるようになったのは。

どこに行ってもついてくる。ついてくるまあくんを邪険にも出来なくって…

気がついたら今の様になっていた。



友達がいないわけではない。

私とまあくんがセットになっているのを受け入れてくれる友人達がいる。

いつもべったりなまあくんを私が引きはがすのを見守ってる。

気がついたら…溺愛彼氏とツンツン彼女と呼ばれるようになった。

まあくんが、人目を憚らずに『あいちゃん大好き!!』って言うからいけないんだよ。

まあくんが嫌いなわけじゃない。まあくんの事は好きだ。

けれども…伝えてしまったらもっとハイテンションになるのが目に見えてる…だから言えない。



私は制服に着替えながら…深い溜め息をつくのだった。

ツンツンなあいちゃんは彼の事が好きです。

溺愛彼氏のまあくんは分かっていて行動してます。

ツンツンですが、まあくんを丸ごと受け入れてるんですよ。

でも…ツンツンですから(笑)


不定期更新にします。次回は書きたくなった…その時です。

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