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野分の調べ  作者: キー
依頼
4/15

004

一時間ごとに予約更新中。現在三月十一日十八時。

客は女性だった。

 今、女性と客人とはちゃぶ台を隔てて向かい合って正座している。

 女性は食事を邪魔されたため、そこはかとなく不機嫌そうである。

 対して、客の女性は、図らずとも女性の食事を邪魔してしまった罪悪感からか、それとも目の前に座っている女性の迫力からか、口を開くことさえも出来なくなっていた。

 まあ。

 女性の傍らに置かれている大小にほんとうの威圧感のせいかもしれないが。

客人の女性は、藍色の袴を着、上から藍色の羽織を羽織っている。

全体的に蒼系統でまとめられた、どこか浮世離れした格好だった。


「それで――」

「ひゃ、ひゃい!」


 飛び上がった。

 いや、飛び上がったように思えるほど、客の女性の声は上ずっていた。


「そこまで緊張なさらずとも、取って喰いやしませんよ。ご安心召されよ」

「あ、有難う御座います…」


 赤面し、うつむいてしまう客人。

 まあ、噛んだ後に心遣いまでされたのだ、赤面ぐらいは仕方がないだろう。


「それで、どちら様でしょうか? 確かに私がこの道場の主、朽葉くちはかえでと申す者ですが」

「はい。 私は浅葱あさぎあおいと言います。 実は、あなたを腕の立つ剣士と見込んでの頼みがあるのです」


 頼み。

 その言葉には、楓の好奇心は多少動かされたが、今の楓にはそれ以上に重要な事柄があった。

それは――


「そうですか」

「はい。いかがでしょうか…?」


「申し訳ありませんが――」

「駄目、ですよねそうですよね。ごめんなさいいきなりこんな事言って――」

「先に朝食を済ませても、良いですか?」

「へ? あ、どう、ぞ?」



 空腹が、そろそろ限界だった。

感想、批評なぞがありましたらお気軽に。

誤字脱字でもかまいません。

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