男二人の会話
かなり短いです。
「とりあえず、これから俺は金稼ぎするぞ。あいつが言ってた『家を復興させたい』ってのは借金があったらできないからな」
「……借金を返せば、それが恩返しになるのでは?」
「マイナスからゼロに戻したって恩返しになないだろ。『自分は幸せ』というくらいにプラスにしなくちゃ恩返しの意味がない」
「…すごいですね。恩人の借金を返しているのに、それを『恩返し』にしないとは…」
「? 恩人が困ってるならそれを助けんのは当たり前だろ?」
「…いや、本当にすごいです。特にそれを真顔でいうあたりが」
「意味わかんねぇ。別に普通のことをしてるだけだろ」
「…そうですね。…はい、その通りです」
「??」
なんだか歯切れの悪い会話をするルースにガルーは違和感を覚える。
だが、目の前の男の行動を考えるのは過去の経験から無駄だと知っているので、気にしないことにした。
「まぁ、そんなことはどうだっていい。…ただ、お前に一ついいたいことがあるんだ」
「…なんですか?」
「さっさと家帰れ」
「………。」
「別にお前は俺の恩返しに付き合う義理なんかないだろ? 王都で土産でも買って、さっさと自分の領地に帰れ」
「…んー、それはちょっとお断りします」
「…なんでだよ」
「いやー、長年の友のあんな面白い姿を見てしまったら、このまま帰るのは人生の楽しみを減らしてしまうようで勿体無くて、とてもとても」
「……この野郎」
「なので、是非今後もあなた達二人の様子を見守らせてもらいたく…」
「ふざけんな。帰れ。いや、やっぱ死ね」
俺はルースの言葉を途中で斬って、奴にむかって暴言を吐いた。
「いいじゃないですか。別に減るものでもないでしょう?」
だが、奴は全く堪えている様子はない。
それどころか、実に楽しそうに俺の事を見ていやがる。
さすがその様子には少しムカついた。なので、ちょっとだけ脅してみた。
「いや、マジでふざけんなよ? …お前どうせ俺の今の状況を見て楽しんでるだけだろ?」
「まぁ、ぶっちゃけそうですが、それがなにか?」
「………………………。」
俺の脅しはこいつには全く効果がなかった。
寧ろ奴を調子にのせてしまったようだ。
…なんていうか。
昔からやろうと思っていたことだが、今日は本気でやってやろうかと思った。
こいつの首、ちょんぎってやりたい。
ルースにはとことん酷いガルーです。
基本ガルーが優しいのは恩人であるテレサだけ。
あー、そろそろガルーの本気を少し書きたいです。