表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

きみが人間と呼ぶなら

きみが人間と呼ぶなら外伝 千賀睦月の取扱説明書

作者: Setaria.v
掲載日:2026/06/16

こちらは、

きみが人間と呼ぶなら

https://ncode.syosetu.com/n2283mh/

の外伝的作品となります。


有り体に言えば、本編の宣伝用の短編となります。

もしこの外伝を読んで気に入った方は、そちらも読んでみていただけると私が喜びます。

千賀睦月の取扱説明書


 本書の目的は、山村葉一(やまむらよういち)千賀睦月(せんがむつき)(以下、千賀)を理解し、よりよい生活を送るための注意事項などを記載したものである。

 後に、千賀自身にも確認させることにより、万全を期するものとする。


◯基本的な生態情報

 恐らく「吸血鬼」と呼ばれる種族に変化させられた模様。

 本編では観察の結果得られた千賀の性質についてのみ記す。


・食事

 主食は人間の血であり、対象から噛みついて啜る行為を求める。

 千賀は鋼の意志があるので待てをすることで我慢が効くが、最近は山村に甘えて叱られることが多い。

 この欲求を分解すると、「血・噛み・温度」となる。

 千賀の場合、食事を与えた上で犬の玩具を与え、恒温動物に触れることでも一定の満足感が得られることが分かった。


千賀による記述欄:

山村、最後の一行は本当に必要なのか?

俺がペットショップでどれだけ恥ずかしい思いをしているか分かった上でこれを書くのか?


山村による追記:

お前が俺を抱きしめたり、犬の玩具(おもちゃ)で遊べと言い続ける限り、ここの記載は増えていくから覚悟しろ。


・人間と異なる身体的特徴

 異常な身体能力および再生能力、伸びる牙や爪、催眠や魅了など。

 千賀は主に俺を抱き上げるためなどに使う。

 山村は随時牙を確認し、千賀の飢餓(きが)状態に気を配ること。


・人間と異なる精神的な特徴

 主観によるものだが、好戦的となり残虐性や対象への執着、人間時の記憶の摩耗(まもう)などが見られる。

 千賀を野に放つべきではない。

 外来種駆除作戦などでは目覚ましい功績を上げるだろうが、現場に投入した結果、何が起こるかは予測がつかないため非推奨。


千賀:

俺は殺戮(さつりく)兵器か?

今日日(きょうび)特定外来生物の記載でも、もう少し手心というものが……。


山村:

人間を主食とするタイプのお前が外来生物としてレーティングされるなら、普通は国民総出で即抹殺対象だからな。

これは順当な評価であると強調しておく。


・弱点

 日光(紫外線)、火、流水、銀など。

 昼間は日傘、帽子、サングラス、マスク、首元が隠れる長袖、手袋など、正に不審者といった出立の千賀が見られる。


・主な日常

 朝、山村の布団より起床。

 不審者の装いを揃えた後に車で出勤。

 実験室を縄張りとして、日中は籠る。

 終業後、食事の場合は実験室で山村から採血。

 車で帰宅。

 山村の飯を用意し、風呂を沸かす。

 風呂上がりの山村を口説いて接触(この時に食事をする場合もある)。

 山村の布団に潜り込み就寝。


 活動範囲は、山村の家、研究所(職場)、スーパー、ペット用品店、千賀の食事を提供する店など。


千賀:

俺は山村と一緒にいられて幸せだ。


山村:

さいですか。自分が成人異常男性であることはよく覚えておけよ。

人の布団に潜り込んだり、俺を膝に乗せたがるのは一般的ではないからな。

俺が許してやっていることだけは忘れんなよ。


◯基本的な取扱情報

 千賀は自身の欲求への感受性が低く、まずは欲求があることを理解させることが肝要。

 また、感情は欲求に強く結びついており、分離が難しい場合が多いため、肉体的および精神的な欲求をまとめて扱う。


・第一ステップ【欲求のラベリング】

 千賀自身の欲求を、言語化させよう。


◾️例 「耐え難い」→「体温を感じたい」

※欲求に名前をつけることにより、対処が可能となるため


・第二ステップ【他人への伝え方】

 千賀の欲求を、山村に何をさせたいのかという形に落とし込もう。


◾️例 「抱っこ」「お腹すいた」→「お願いします。山村を抱き上げながら食事をしたいです」

※ラベリングした欲求を、他人に分かる形でお願いすることで、相手に許しを乞い、自分の欲求を満たすことが可能となる


・第三ステップ【本能と感情の分離】

 千賀の欲求は、肉体的なものと精神的ものに分ち辛い。だが、どちらが優勢なのかは時と場合により異なるため、何度も言い直しをさせることである程度、千賀の欲求の本質を見分けることができる。

 例えば「くっついていたい」は肉体的な欲求だが、「寂しい」という感情を内包し、更に「自分のものとしたい」という所有欲まで見え隠れし、接触により微量な生命力を吸い取るという、何に分類すべきか困難なものもある。


・第四ステップ【他人の気持ちを向かせる】

 千賀が山村を口説くことで、山村に気持ちよく自分の欲求を叶えてもらえるようになる。


◾️NG例

「山村は温かいね」

山村は恒温動物のため、常に温かいものだから。


「俺は山村から◯◯を得ている」

これは千賀の気持ちであり、山村の気持ちではないから。


「山村は俺のもの」

山村は千賀の所有物ではないため。


◾️良い例

「山村が大好きだ。だから◯◯して欲しい」

ストレートな愛情表現であるから。


「山村が俺を真っ直ぐ評価してくれるのが嬉しい」

千賀の成長が感じられるから。

俺の行動による気持ちの変化が感じられるから。


千賀:

恥ずかしいから俺の発言は削除してくれないか?


山村:

甘えんな。これはお前の成長記録だ。俺も十二分にサポートしてやったが、他ならぬお前自身が成長できたんだから、誇っていいぞ。


千賀(追記):

そうか、それは嬉しいな。


◯応用的な取扱方法


・千賀睦月として扱う

 千賀は、平たく言えば人外としての肉体に、人間として培った人格が入っている状態である。

肉体の欲求を、人間としての半生(機能不全家族、研究職)がうまく受け止め切れていない場面が多々見受けられる。

 現状を踏まえ、人外であるから、この過去を持つ人間であったからではなく、「千賀睦月」としての個人として見ることが重要である。


・言葉はしっかりと伝える

 千賀は学習能力が高いため、一度口に出すとずっと記憶する。山村は、譲れないラインを厳格に決めて千賀の欲求に付き合うことが求められる。

 許可を出す際は、必ず期限や範囲を設けること。

 奴の欲求は際限がないことを常に意識すること。


・時には身体に覚えさせる

 千賀は肉体の本能的な欲求に呑まれて言葉が通じなくなることがある。

 山村には、千賀を煽らないこと、千賀を観察して欲求に呑まれないように引き止めることが求められる。

 また、わざと言葉が聞こえないふりをする場合もあるため、注意が必要である。

 千賀の肉体は頑強であるため、山村が全力で拳を振るっても無傷である。

 人間相手には推奨できないが、千賀相手には注意を引くために軽く引っ叩くなどの方法が挙げられる。

 また、日光などの弱点を活用することも視野に入れたい。


・他の人に頼る

 千賀を山村一人で管理するのは無理があるため、ここに緊急連絡先を記載する。


神保(000-0000-0000)

 元政府の狩人。千賀の弱点を知り、人間側のよき相談相手となる。

 相方の氏家は当てにならない。


会田(000-0000-0000)

 千賀の大学時代のゼミの友達で、医療従事者。

 人間の身体に詳しいため、定期的に山村の健康診断をしてもらっている。


星(000-0000-0000)

 千賀の同族。

 人を襲う種族であるのに、人間に紛れて生活している、人外の人格者。

 千賀を物理的に〆てくれる。


千賀:

これ、もしかして、俺は人間として扱われていない……?


山村:

今更気づいたか。どちらかというと大型動物の取説に近いからな。犬のしつけ書みたいな感じだ。


◯メモ


千賀:

山村の取扱説明書

・山村は千賀を深く観察している自身に気付いていない。山村はこの説明書を書く程に千賀の事を大事にしている事に気付くべきだ

・山村はレバーが嫌いだが、それは匂いに依るものであるので、十分に匂い消しをした上で甘辛く味付けすると食べてくれる

・山村は人間なので、振り回したり投げたりすると怒られる。血を吸いすぎても体調を崩すので、常に匂い等で体調管理をすべきである

・山村は風呂上がりが一番熱が籠っているため、接触を狙うのならこの時がベストである

・山村は優しいし寛容だが、言葉遣いが悪いために勘違いされてきた様に思う

・山村は自他境界線が物凄くしっかりしており、駄目な事は駄目と言い、条件付きで許せる場合は条件等を聞き、合格した場合は素直に端的に答えてくれるため、飼育員としてこの上なく優秀

・千賀は山村の気持ちも考えて、自分のお願いを聞いてもらえるように口説く練習をしたい


山村:

これはお前の取説だから、最後の一文以外いらん! 削除!


千賀(追記):

そうなると思い、バックアップを取って復旧しました。


山村(追記):

こういうとこ小賢しいんだよな、後で消しておけよ。


千賀(追記):

俺の大事な山村の事を消せる訳がない。

今までの部分を含めて、永久保存しました。


山村(追記):

やめろ!

俺の部分は消しとくからな!


千賀(追記):

復旧しました。

本編は以下の部分から読めます。

ご興味を持たれた方はどうぞ。


きみが人間と呼ぶなら

https://ncode.syosetu.com/n2283mh/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ