♯21
「吸血鬼に噛まれたい」
「噛みませんから!! とっとと、ぶっ殺して帰るか……
ここ、ピュアな美女いないし」
お母さん。疲れました。この人間、恐ろしいです★
オレの膨れ上がる殺意をキャッチしたのか。シバが、オレに哀願した。
「待ってください!」
「今更、命乞いか?」
高慢な男の豹変ぶりは、目に鮮やかだった。
「私の命を助けてくれれば、ポケットマネーで、全寮制ミッションスクールの一つや二つ、
手に入れられますが」
銀ブチ眼鏡のヒビ割れたレンズの下で、シバの目がキラリと光る。
「……」
(ミッションスクールの女生徒の血)
オレの目が、妄想でうっとりとした。
隔離された女子校には、タバコは持ち込めない。ブラボー!!★
ニコチンアレルギーを恐れず、ピュアな少女の血を吸いたい放題!!
オレは、シバを助けてやるコトにした。
シバも何故か、うっとりとした目をしている。
「男子校に君臨する鬼理事長。素晴らしい。私の天職だ。
素敵過ぎる。逆らう者は、愛のムチ制裁です!
制服は、絶対、詰襟ですね」
「は……? 女子校しか興味ないよ、オレ。
男子校なんて言ったら、この場で処刑だよ」
「ま、仕方ありませんね」
(男子校は、後日、自分用に作ろう)
シバは、そう心の中で嘯いたのだった。
この男色殺人快楽狂と、付き合うのか……
女学生の血に釣られたが、我に返り、オレは少し憂鬱になったのだった。
後日。
シバは、経営難に陥っているミッションスクールを買収。理事長の座に収まったのだった。
ニコチンアレルギーの心配なく血が吸えるのはいいが。
ま、女学生が死なない程度に加減しているし。
シバは、自分が血を吸ってもらえないからとひがみ、血を吸われた女子生徒から採血し、
教団施設でバンパイアウイルスの研究を始めたようだ……
そのうち、人体実験をしそうで怖いが。ま、面倒臭くなったら、シバや教団全て処分し、バックれよう。
オレは、千年以上を闇に生きる吸血鬼。そんなに細々、思いわずらっては生きてはいけない。
良い子のみなさん。
悪質なカルト教団には、くれぐれも近づかないコトです。
献金・お布施・浄財と称し、全財産をちゅうちゅうと吸われた挙句、利用してポイ捨て★
のみならず、
あなたの生命や身体。
魂までも、生贄として捧げられるやもしれませんよ★
了




