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ブルートアウス ~意思と表象としての神話の世界~  作者: 雅号丸
第四章 傾城帝政 二幕

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二十五話 矜持

二十五話 矜持


日暮れと同時に、ヴァルトたちはバックハウス家に到着した。マルティナが玄関で迎える。ヴァルトはユリウスの書斎、ノイはまた浴室、フアンは寝室へ向かった。

ヴァルトはユリウスの書斎に入る。

「やぁ、お帰り」

「民家は確かにあった……だが有り様はイカれてやがったぞ」

「何かあったの?」

「民家の地下室に死体だ。大量、それに兵装がイェレミアスの衛兵。軍事的介入、あるいは脱走兵による略奪があったような感じだったぞ」

「軍関係の資料と、保安庁関係の書類を当たろう」

「……いや、そこから出てくるとは思えない」

「なんで?」


ヴァルトは拾った手記を鞄から取り出す。腐臭が少し部屋に漂い、ユリウスは窓を開けた。


「まった、うえぇ、酷いものを拾ってきたねぇ」


窓の外は、雪が降っていた、


「開けるのもキツイ、でも閉めるのもキツイなぁ」

「コイツは、民家で死体に埋まっていたものだ。手記の書き手はおそらく家主の妻。アリス・メイデントール。日記の内容に、ネリーの名前が出てきた」

「それって……つまり、その民家はノイちゃんの」

「実家……で確定だ。さっきノイに伝えた。手紙も全部渡した」

「そっか」

「で……こっからがもっとえげつない」


ヴァルトは手記をめくっていく。


「ここだ……書いてあることを要約する。つまりだ、あの場所に、天使が降ってきたそうだ」

「天使が……」

「あぁ。そしてその民家に住んでいるアリス・メイデントールは、落下してきた天使の身体を保護したんだそうだ。落下の衝撃に対して、不自然なほどに全身を留めた、とても美しく長い白髪の、翼の生えた女性の身体」

「それ……もしかして」

「アマデアだ……ノイの実家、アリス・メイデントールは、空から落下してきたアマデアを保護したんだ……」

「身体って書いてあるんだよね?つまり、気絶していた状態だったってことか?」

「可能性としてはある……アマデアが保管されていたであろう地下の棺は開いていた。その部屋にはそこらじゅうに死体が積まれていた。家中の血痕が地下室に向かっていた」

「アマデアは、死体を集めた?」

「それは分からねぇ、しかも殺すことが目的なら、ノイの母親であるネリー・メイデントールはどうやって生き延びた?」

「そのあたり、手紙には書かれていなかったね」

「書きたくなかった……かもしれねぇな」

「どうだろう……でもそうなると、情報がありそうなのは一ヶ所だけだね」

「外務省……」

「そこの掌握は、いまとても難しいんだよね」

「何かあったか」

「いや……実のところあそこはもはや治外法権、ほぼアドリエンヌの大使館って話っぽくてねぇ。外務省に優秀な人材がイェレミアス帝国から出ていることも考えると、かなり経済的・政治的侵食がされてるみたい。貴族社会と、宗教の上層の思考はおおかた似ているから、どこかの段階で基盤を作っただれかがいるんだろう」

「外務省がもし、派兵を行ったとしたら……」

「そしてそれがもし、軍部や保安庁を通していないものの場合、越権行為として処罰できる」

「ひょっとして、潜入が必要だったりするのか?」

「さすがにそれは危険すぎるね。というか、今は下手にアドリエンヌに手出しできない。政権を強引に交替させた都合、イェレミアス帝国はアドリエンヌ側に対して、信頼がない。越権行為を告発するための潜入を逆手に取られて、逆に訴訟を起こされて敗訴、更なる侵食を許すかもしれない。今の貴族社会は、どうやっていきのびようかと苦悶している。そこに聖典教の甘い誘いでもあってみろ、この国はまた瓦解する。守るのに必死なんだよ」

「ナナミならいけるんじゃねぇか?」

「うぅん……それもそうなんだ。でも強行策というのは、実際のところ賭けでしなない。今は賭けもできないんだ……ごめんね」

「だがどうする、天使関連で自由に動き回られたら、俺たちにとって痛手じゃねぇか?」

「それでも現状、八方くらい塞がってる感じ……いや?」

「なんだ」

「……いや、あの娘ならいけるかも。今日の昼に、ちょうどオルテンシアの旧大使館から連絡があったんだ。いま保安官の元最高賞司令官に近衛兵と手を組んで、聖典教内を調査している人員がいる。近衛兵経由で、研修制度を利用して彼女を潜入させよう」

「研……まて、今」

「そう……どうやら、レノーくん経由から得た情報を元に活動していたところ、協力関係になったそうだ。元上司の無事も確認できて、よかったな」

「……まだ、確認できてねぇやつらもいるがな」

「それも調査中だよ。まぁ、出てくるかは分からないけど……」

「で、外務省関係はなんとかなりそうなんだな」

「ナナミさんの潜入よりは、まだ賭け事じゃない。彼女の潜入工作の力量は僕が保障しよう」

「お前、魔天教のときは馬車だけだったっつうのに……」

「あの時はナナミさんとフアンくんがいたし、見つかっても逃げる脚があった。殺しを手段として勘定できない以上、ナナミさんは出番じゃないよ」

「……わぁった。今日はもう寝る」

「僕は今日も寝れないや……あぁそうそう、雪降ってるから窓閉めてね、お休み」


窓の外は、粉のような雪が降り注ぎ、少しずつ渇いた土を湿らせる。鼻から身体に入る空気が一段と寒くなり、ヴァルトは部屋を後にした。扉を閉めて背筋を伸ばし息を強く吐くと、それは白い煙に代わる。手をさすりながら廊下を歩く。


(あんな場所にいったし、俺も今日臭うってことになるよな……さっさと湯にでも入って、さっさと寝るか……ナーセナルじゃ味わえないよな、湯なんざ)


ヴァルトは記憶を頼りに浴室の場所を特定し、扉を叩くことなく開閉した。開閉と同時にヴァルトは廊下の壁に吹き飛ばされ、腹部への痛みが強烈に伝わる。湯気のなかの物理的な一閃が印象に残り、やたらと黄色いような悲鳴を子守唄に、喉や舌は酸味に被われ、そしてヴァルトは眠りについた。


「……なんでヴァルトって、扉叩かないかなぁ!!!」

「ノイ様、ヴァルト様が泡吹いてます!」

「えぇ……う、あぁあぁぁあ!!!」


ノイの叫び声が、館を貫いて、フアンの耳に届いた。


(なにか……やっちゃったみたいですね)


寝室で寝床を整えるフアンは、仮面に手を添えて、外そうとする。冷たく切り裂くような風が窓の隙間を通り、フアンは窓を見る。ズレた仮面を直し、窓に近付く。窓の外には、畑に改造された庭園が望め、野鳥を避けるための人形が設置されている。



窓の上から逆さになって、ぶら下がるようにして、ゆっくりと降りるナナミが現れる。ナナミは窓を叩き、フアンが開ける。


「寒いから、はやく入ってください」


ナナミが部屋に入り、肩と頭に乗った雪を払い落とす。


「外でやった方が良かったですよそれ」

「すぅ……湯は張ってあるかぁ」

「はい、たぶん」

「お主は入らんのか?」

「僕は、えっと……」

「そうか……お主は肌の病じゃったか。あんまり言うのはやめとくかの」

「えぇ?」

「いや、色々とこの国を調べているうちに、ナハトイェーガーの情報をもらっての。妾とお主で斬り伏せたウーフーという者……あの跳ねる弾丸を撃つやつじゃ。あやつはどうやら皮膚の病だったらしくての」

「ナハトイェーガーは、なんというか、その……フォッケ・ヴォルフじゃないですけど、何かしらを患っている人にとっての、最後の砦だったのでしょうね」

「それを踏まえると、その末席に貧民街出身なだけのが2名もおれば、不快にもなるんじゃないかの……」

「そういえば、イグナーツさんは……?」

「あやつの好いた女は、地下牢におったぞ。体つきはまぁ痩せてはおったが、本人の証言から、しっかりと尊厳はあったそうじゃ。今はイグナーツの家で、社会復帰を目指して、文字の勉強をしておるとか。当然というかなんというか、婚姻の書類を提出したそうじゃ」

「良かったです」

「それと、前に話した……ほれ」


ナナミは腰にぶら下げた、小ぶりで分厚い書を渡す。


「これは?」

「日輪の言葉を、アドリエンヌの言葉に訳すための辞書じゃ。確か、言葉を教える約束だったじゃろ」

「……あぁ、そうでしたね」

「今晩はそれを預けよう。とりあえず読み込んでおくがよい」

「ありがとうございます」


フアンは本を開いて、単語ごとの発音を確認していく。


「アリガトウ コンニチワ サヨナラ……タイヨウ、ツキ、ホシ、カワイイ、キレイ、ウツクシイ……単語ごとにまったく言葉が違うのに、意味が似通っている……これは、難しい言語ですね」

「じゃろ?」


フアンのそばにナナミがよる。


「お主は、何を手に入れた?」

「はい?」

「妾が思うに、お主はこの戦いに出る理由はまったくなかった。むしろ表にも裏にも、あまり大きく出てはならんかったと思う。だというのにお主はそれを考えず……いや、知った上で戦いに参加し、そして妾の元で殺しの、まぁ短期だった故に心構えが中心じゃったが、それでもいくつかの殺しの技を覚え、人を殺めるという一線を越えた。これは簡単に越えられるものではない……西陸においても、殺しは御法度であるはずじゃ。なぜできた?なぜ戦った?妾にはわからん……」

「……そう、言われましても」

「妾はもうじきここを発つ。他国のことは、もうユリウスに話してしもうたしな。用済みとして、直にここを追い出されるじゃろうて」

「そんなことは、ないと思いますが……」

「最悪を想定して動くのもまた大切なんじゃ……そしてほれ、つまり妾に何を話しても、もうお主の人生にはあまり関係ない。明日いなくなるかもしれない妾なら、逆に言っても良いじゃろうて……それに、何もお主にだけ言うておる訳じゃあるまいしの、いましがたイグナーツのところところでも同じ会話をした訳じゃし」


ナナミは懐から酒瓶を取り出す。


「飲むか?」

「いいえ……」

「ほうか……」


ナナミは瓶の中にある、紫色の液体を飲む。息に微かに葡萄の香りが混じる。


「日輪のと違って甘くはないのぉ」

「……」

「無理になんて言ってはおらんし……あぁ、まずいイグナーツの家で少し飲んだかたの……すまん、床を借りるぞ」


ナナミはフアンの寝床に座り、横に倒れた。酒をギリギリ溢さない程度に持っている。顔は赤く、声はどこか溶けている。


「……あぁ、して何の話じゃったっけ」

「……」

「そうじゃ、おじじじゃ……元気に、しておるかのぉ。あはは、おじじの飯が旨くてのぉ、つい食べ過ぎてしまう。蛸の酢漬なんて仕込みからやっておったしの」

「……」

「こんら話しておったっけのぉ……?」

「……」


フアンは周囲の音を聞く、廊下、階段、屋根上、館の全てを把握する勢いで意識を集中させる。


「……僕も、ちょっとどうかしていると思っていました」

「えぁ?」

「僕にとっても、皆にとっても利益なんてない……でも僕は立ち上がった、いえ、ただ身勝手に一歩進んだ……あるいは、そこに僕の何か、思いがあるかもしれない、ですね……」

「……なんじゃぁお主、あんまし自分のこと、分ぁっとらんのかぁ?」

「そう、ですね……そう、なんです」

「例えばお主は、なに人なんじゃ?そういうところから……ん?」

「……自分というものは、どのようにしてあるのでしょう」

「まさかお主……戦いに参加したのは、自分を見つけるためだとでも?」

「……ひょっとしたら、そうなのかもしれません」

「正気かぁ?自分なんてものぉ、一番いらんじゃろ」

「そう、なんですか?」

「己を決めるのはぁ生まれと育ちぃじゃ、じゃぁが生まれはともかく育ぁちなんぞ、時間と共に刻々と変わるものじゃ。そんな中で、何か己に確固たるものをもってもみろ、すぐに環境においていかれる。ヒョウヒョウとしろという訳ではないが……それでも、自分を持つことにこだわるのは、妾としてはのぉ」

「ナナミさん…本当に、酔っていますか?」

「知らん……まぁでも、これだけ言葉が出るということは、やはり妾もそういうことを考えておったってことなのかもしれん。自分でも驚いておる」

「自分とは何か、そう考えると、とてつもない、何かこう……」

「というか、お主は十分にちゃんと社会に入れておる。疎外されるようなことはないじゃろ」

「疎外?」

「日輪じゃよくあることなんじゃが……お主らが極東と呼ぶその島国はの、西陸や東陸とは違ってまだまだ社会制度が整っておらん、村社会だったんじゃ。近隣住民、村長、全員が一致団結するために全てを捧げ、冬を越す。嫌われたり、能力が低ければ、食いぶちを減らすために山へ追い出される。歪な形に産まれたり、指がなかったり、あるいは宗教的に双子がダメだったりな理由で、産んですぐの赤子の喉を潰して畑の肥やしにする。そんな、上澄みのみが生き残れる社会と比べて、ここはまだ、それでも生きやすい……そう感じずにはおられん。そしてその社会の中で、お主は懸命に生きて、実力を手にし、幸運にも恵まれ、ヴァルトやノイという友を得て、関係を築いて……妾はお主はの人生で、何が欠けておるかがさっぱり分からん」

「疎外……疎外……」

「どうした?」

「……それ、かもしれません」

「疎外感があると?ここまできておいてか?」

「……まぁ」

「お主って確か、獣人じゃったか。そこかもしれんな」

「人種が一致していないから、僕は疎外感を覚えている……?」


フアンは、クロッカスで起きた出来事を思い出した。赤毛の少女は、自分の産まれを気にした果てに、自身を、思い人と共に散らした。


(あの時、僕が彼女を咎めるように放った言葉、あれはあるいは僕が僕自身に向けた言葉だったのでしょうか……)


ナナミは酒を飲んで、空になった瓶でフアンを優しく叩く。


「なぁにを考えておる?」

「……でも、本当にそれだけなんでしょうか?僕は……その……」

「んぁぁはは、そうじゃ。おぬぅし、好いとるおなごはおらんか?」

「えっ??」


ナナミはよだれを滴しながら、深い眠りについていた。酒瓶を抱き締めていた。


「ここ、僕の寝床なんですが……」


―城内 とある一室―


「君と会うのは、いつぶりだろうか……少なくとも10年は会っていなかった。しかし驚いた、自分を歌手として出せというものは、どんな気の迷いがあった……レガトゥスよ」

「私は、常に勝っているのです。敗者に対する説明など、必要ないのは、帝国の歴史を知るあなた方レルヒェンフェルト家なら御存じのはずです」

「歴史は常に、我々の血を語る。逆もまた然り……血が歴史を語ることもある」

「また、持論の展開ですか?」

「私はお飾りに過ぎなかった。だが時間だけはあった……時間は、思考を深める。だが、それは世間との乖離を示すものだ。世間と乖離した者が政権を担うとき、政の担い手にとっての社会、つまり社会的上位にしか恩恵のない国家運営が始まるだろう」

「ユリウスという人物の台頭が、この国の中間層を向上させ、国力が増強され、オルテンシアへの支援は増量。結果としてベストロの討伐はより簡単になっていく」

「……だが、疑問に思うことがある。キサマら天使の目的は分かっている……だが」

「……?」

「君の目的はなんだ、アマデア」

「……さぁ、なんのことでしょう?」

「君の動きは、天使らの目的と乖離しているような気がする。いや、表向きは相違ないが、結果があまりに人類に対して壊滅的打撃を与えている。ベストリアン虐殺をナハトイェーガーにやらせたのも、マルティナにあやつの純潔を買った男の名前を教え、ユリウスへの自身の状態の告発を提案したのも……」

「なぜ、そのような世迷い言を?」

「世迷い言ではないのは、こちらで裏付けされている。暇であっても私は皇帝であるからして、あまり勝ち誇った様相をするのはやめるべきだ」

「いいえ、私は常に勝っている」

「私は、か……その主語がなぜ我々は、ではないのか……やはり君はこの計画の上に、別の計画を走らせているようにしか思えない。君は主たる父を裏切るつもりか?」

「最後に一つ、聞かせて下さい。10年ほど前、とある北部の民間に、あなた方は派兵なさった。その理由は?」

「答えられない。つまりイェレミアスの仕業ではないということだ……私の話せることは全て話した……私をここで殺したところで、全ては無駄だ。分かっているだろうが、指揮系統の中心は私はではない。その手……殺すか。意味のない殺戮を好む者ではないはずだが……いや、あるいは君にとっては意味がある?」

「何を仰るとか思えば、それは戯言というものです」

「キサマの目的は人類の……つまり、計画の逆をいっている」

引きちぎられるような、ねじり切るような。骨が絞られるようにして、揺り椅子はくだかれる。壁面に飾ってあるおそらく歴代皇帝の自画像すべてが、まっすぐ赤に染まった。部屋の両開きの扉が開けられ、男が入ってくる。


「……アマデア様」

「ヴァーゴ・ピウス。あなたには一つ、任務を与えます」

「外務省並び他省庁の調査、その民家への派兵の痕跡をたどれ……ということでしょうか

「盗み聞きですか?」

「部下としての努めを果たすまいとした……それだけでございます」


ヴァーゴ・ピウスと話す者は、窓枠を一つにまとめるように壁を凪払い、破壊して、その翼をもって飛び、滞空する。


「あれらを御しなさい」

「しかし、件の少年らは」

「私のほうで作戦を一つ走らせてあります。少年たちはきっと北へ向かう。現地の全てを、一切を破壊せよ……ドミニを数体補給する」

「承知いたしました……それから」

「何でしょう?」

「……いえ、もし伺えるのでしたら、ソル・フィリアを……どうして、どうして殺してしまったのですか?」

「職権を大幅に逸脱した行為、複数体のドミニの使用」

「数十年前は、あんなに可愛がっていたではありませんか……」

「公私混同はいけません」

「私たちは、父ぎみの元、家族として」

「ヴァーゴ・ピウス、命令です……北へ向かいあれらを御し、件の少年らを……殺しなさい」

2025年6月3日時点で、997,634字、完結まで書きあげてあります。添削・推考含めてまだまだ完成には程遠いですが、出来上がり次第順次投稿していきます。何卒お付き合い下さい。

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