表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルートアウス ~意思と表象としての神話の世界~  作者: 雅号丸
第四章 傾城帝政

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/189

一話 殷々として

第一話 殷々として


黒い視界に、雪のような砂嵐が写るようにして、情景は浮かんだ。ひどく整った、絶望。女性の慟哭は喉を己ごと抉って潰し、それを願うかの如く煉瓦に響き、吸われていった。アリの巣のように、濁点をあぁに詰め込んだもの。その合間に使われる、微かに人徳と理性を混ぜた嗚咽と懇願。

「やめてぇぇ、助けてぇぇ!!やだ、やだ」

牢屋の前に白髪の男は1人、光景を見つめて、紙に文字を起こし、そして画角を取って精密に、目を凝らして描いていた。男が何を描いているかは、視点の主には見えなかった。

「やはり獣というのは、目と鼻で物を感じることが多いのかもしれん。ここまで人語を叫んでいるのに、いまだ同類としてこれを扱っている。おぉ見たまえ、このおぞましい光景を……犯しながら喰らっている、なんて下賤なのだ。彼らこそ、やはり忌むべき存在。だが枢軸議会は、この実験ではまだ足りないという……だが、如何せん母数が足りなさすぎる。私が死ぬまでに、どうにか成功させなければ……母数、そう母数だ。区画の拡充だけではない、種別として、やはりこの能力に長けた物でなければ……げっ歯類、そうかウサギ、ネズミでも良い。さっそく手配しよう、そうすれば成功率は跳ねるはずだ……」

一発の銃声。

薄暗くボロい一室で目覚めた外套は、部屋の外に出る。日差しが目にはいったようにして、手を太陽に、空にかざす。

「……いつか、君は言ったな。夢ほど順列の整ったものはない。なぜなら、真実はより回りくどく、奇っ怪なのだからと」

男は、太陽から現れた降り立つ白い者に話しかけた。連れられた者はひどく怯えているが、外套を見て安堵している。

「……状況は?」

「我ら魔天、彼岸へ到達せり」

「……第二団を向かわせる。では彼岸にて……また会おう」

「はい、ゼナイド様」


2025年6月3日時点で、997,634字、完結まで書きあげてあります。添削・推考含めてまだまだ完成には程遠いですが、出来上がり次第順次投稿していきます。何卒お付き合い下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ