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ブルートアウス ~意思と表象としての神話の世界~  作者: 雅号丸
第7章 世々後天 二幕

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十二話 赭きしじまは後に燼なし

十二話 赭きしじまは後に燼なし


エヴァリストが大剣に繋がる分銅を回して赤龍に投げ付ける。甲殻を粉砕し出血させると、エヴァリストは分銅を回収し後部座席へ座る。


「もっと近付けるか!?今の感じなら、野郎に飛び移れるかもしんねぇ!!」

「了解、すれ違いざまに乗り込んで下さい」

「任せた!」


ゼナイドは高度を上げながら、赤龍を過ぎていく。飛行機の後ろに赤龍がついて、火球を放つ。空中で火球は爆発し、飛行機が煽られる。


「ふむ、使えそうですね」


二度目の火球を至近距離で当てられ爆風で軌道がずれる。ゼナイドは操作により飛行機の翼にある下げ翼を下ろし風を受ける。


爆風により機体の傾く勢いと受ける風を利用して機体を立ち上げ縦に飛行する。赤龍とすれ違い、エヴァリストは分銅を投げて突き刺し、命綱として腕に巻き付け飛び乗った。エヴァリストは赤龍の尻尾に飛び乗ると、剣を突き立てながら頭へ向かって走っていく。


「カッ捌いてやらぁぁぁぁ!!!!」


エヴァリストが大剣を背中に突き立ててると、赤龍の高度が落ちる。ゼナイドは高度を上げて赤龍の頭上を取る。姿勢を安定させると、懐から着火装置を取り出しながら操縦席を立ち上がって、複葉の前に出た。その視線の先に、3発縦に並んで導火線が繋がれた矢のような弾丸がある。


導火線に火を着け操縦席に戻ると、いっきに降下して照準を定める。噴進材に着火し火を上げて推進する弾頭は、エヴァリストの視界に入る。エヴァリストは飛び上がると、砕かれた甲殻で爆発し、赤龍の高度がより下がる。エヴァリストが飛行機を掴んで引っ付いた。ゼナイドは機首を上げて軌道を起こし、赤龍に飛んでいく。


「エヴァリストさん、今のをもう一回」

「何をすればいい?」

「ロケットに合わせて……」


バビロンの片目が光る。そこから、一発の弾丸がゼナイドをかすめた。


「……おい、あれ!!」


エヴァリストはバビロンを見る。片目から涙のように黒点が落ちる。


「あれは……まて、銃……リンデ少女!?」

「やべぇ、回収するぞ!!」


ゼナイドは機首を上げて高度を稼ぐと、加速しながら高度を下げていき、リンデとノイ、背負う何者かの落下速度に合わせるようにして、複葉の上に乗せる。


機首を緩やかに上げながら稼働させ、近付いてくる海面ギリギリで機首は上がりきり、空中へ戻っていった。エヴァリストが後部座席の機関銃で赤龍を撃つが、上を取られた。弾丸は飛膜すら貫通しない。


「おいおい、そこは薄いのが普通だろうが!!」


赤龍は火球を放つ。爆風で神が落下し、ノイがそれを掴みながら落下し、リンデがそれを掴み、エヴァリストは片手でリンデを掴んだ。鎖のように繋がった命は飛行機の複葉から垂れ下がる。ゼナイドは操縦管を握ると、赤龍から離れるように操縦席する。


(どうすれば良い?機体は大きく動かせない。おそらくだがこの要人が……神だ。回収が優先?いや、まだあそこに残っている人員がいる。付近で待機?どうやって待機する、このままでは赤龍の討伐も……)


エヴァリストが繋がった全員を複葉に引き上げると、複葉に立つ。


「おい、あのデカイの俺やがやってもいいよな!?」

「……まさか、1人で!?」

「まぁバビロンよりはまだ希望あらぁな」

「なぜでしょう、まったく心配ありません」

「うっそぉ、もうちょっとお涙をだなぁ」

「……行ってきて下さい」

「あいよ」


エヴァリストは接近する赤龍に飛び乗ると、大剣を振りかざして赤龍の頭を殴り付ける。赤龍の軌道が反れ、飛行機を呑み込もうとする攻撃は阻止された。ゼナイドは軌道を安定剤させながら、ノイとリンデを複葉に乗せたまま、レルヒェンフェルトの方面へ飛んでいこうとする。ノイが後部座席に神を乗せる。


「お願いゼナイドさん、あの片目に!」


ノイが座席の外側に掴んで待機している。リンデが後部座席からノイの手を握る。


「ダメよノイ!私たちのやることは、神を回収すること!あの2人に、アマデアを任せるの!」

「無理!絶対、絶対2人とも死んじゃう!!」

「分かってたうえであの2人は残ったんじゃない!」

「死にたい人なんて誰もいないわよ!それにヴァルト言ってたじゃん、自分の意味がなんとかって!!みんなが嫌でも、私いくから!!」


ノイがバビロンに視線を向けて、遠方の海面を見る。リンデは、ロケットが視界に入る。


「……ったく!ゼナイド、それ貰うわよ!あとそこの男をレルヒェンフェルトに!!なんかあったらブッ飛ばすからね!?」


リンデは複葉に飛び乗ってロケットを3発外すと、手持ちの縄で縛って束にする。


「ノイ、掴まって!!」


ノイがリンデに掴まると、リンデは腰に綱を巻き付け、初動で利用した固定具を縄に取り付ける。道具で火を着け、ロケットの推進力で空中に2人は飛び差っていった。


「その胆力、見事。だが……」


ロケットの燃焼によって綱が焼けていく。


「ノイ!すぐ綱が燃え尽きるわ!」

「大丈夫!」

ノイは綱が燃え尽きると同時に慣性で投げ出されるが、リンデを掴んで抱える。


「ちょっ!!」


ノイはバビロンの皮膚に飛び付いた。


「ダメよ!死神に感染しちゃうわ!」

「大丈夫!」


ノイはミルワードで聞いた話を思い出していた。


(なんだっけ、病気?感染?それでも大丈夫、今までの感じ、服着てれば大丈夫!直接触らなければいいし、私頑丈だし……!!!)


ノイはリンデを抱えたままバビロンの皮膚を脚で抉りながら、駆け上がっていった。ノイはそのまま首と顔面を踏み越えて、片目に到達し、光に飛び込んでいった。

2025年6月3日時点で、997,634字、完結まで書きあげてあります。添削・推考含めてまだまだ完成には程遠いですが、出来上がり次第順次投稿していきます。何卒お付き合い下さい。

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