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ブルートアウス ~意思と表象としての神話の世界~  作者: 雅号丸
第六章 蒼之肉叢

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十七話 ピースリーダー

十七話 ピースリーダー


リンデたちは残った兵士と共に火を囲んでいた。手を伸ばし、指先を伸ばして暖めるリンデの脳裏に、銃弾を命中させた瞬間がよぎる。溜め息をいくつか、すると隣のノイとフアンがやってきた。二人の手には、缶と食器がある。ノイがそれをリンデはに渡す。


「これ、食べ物が入ってるんだって、かんずめって言うらしいよ」

「……あぁ、そうやって保管してるのね」


爪をたてるように金具を押し上げ蓋を引き剥がす。中身はまったく分からない。側面を見ると、PINEと書かれている。香りは良い。


「果物っぽいわね」

「フアン、さっき一個丸々食べちゃったよ」


フアンが焦る。


「あぁ、ちょっと……!」

「いいじゃない、ご飯食べれるなら、それで」


ノイが蓋を開けようとすると、缶詰の爪を破壊してしまった。


「あっ……」

「力入れすぎたわね」

「どうしようこれ……」

「押し込んで逆向きに一回開けたら?あと、その食器渡して」

「フォークのこと?」


ノイが押し込んで若干だけ缶を開けると、フォークの持ち手を浅く差し込んでこじ開ける。


「テコの原理、覚えておいて」

「わぁ、ありがと!」


ノイはフォークの持ち手を逆手に果物を食べる。

「甘いっ」


リンデとフアンがノイを挟むよいに座っている。ノイが咀嚼し、飲み込む。食事する手が止まった。


「どうしました?」

「……さっきまで殺しあってたのに、普通にご飯食べてるって……私たち、おかしくなってっててるなぁって」


足音が聞こえ始める。ノイは振り返ると、アル=ライスがいた。歩きながら火元まで歩いてくると、立ったまま火に当たりはじめる。


「……生きていたいと思う限り、絶対に飯は食わんねぇといけなくなる。身体はしっかりと疲れていく。殺し殺されも、誰かが命を、未来を勝ち取るための行動、遠目からみたら飯を食うのと変わらねぇ」

「……そうなの?」

「……あぁ、すまねぇ。やっぱ俺は、励ますとかは苦手みてぇだ。言いたいことが、そのまま言葉になっていかねぇ」

「……ありがと、励まそうとしてくれて」

「……俺は全身の切り傷擦り傷が酷い、これ以上は戦うなって話だ」

「えっ、じゃあここからは戦えないの?」

「……お前らは、シャノンと一緒に王都ペルガモまで行くんだったな。行きたいのは俺もそうだが、足手まといになるらしい」

「……そう、なんだ」

「利確のための人員含めると、ペルガモまで行く兵士はたったの4人……リンデ、ノイ、フアン、シャノンだけだ、俺は作戦中止を打診したが、シャノンはやる気らしい。お前らの賛同が得られず、例え一人だとしてもだそうだ」


フアンが火に伸ばす手元を引く。


「……暗号解読、僕らの目的はそれです」

「話にあったな。で、情報はあったのか?」

「……いいえ」

「ここにもなかったか」

「ですが、色々とやり方があることは分かりました。暗号には鍵を機転とした、文字の入れ替えがある。単式置き換え法……しかしそれ以上の効果を持つ暗号もまた存在する。複式置き換え法……理屈は複雑化された単式置き換え法。でも、解き方までは記載されていませんでした」

「解き方まではない、となると、植民地人の誰かが開発した可能性もあるか」

「塹壕……とかなんとか言ってましたね?それもですか?」

「地面を掘って穴の道を迷路みたいに作る。そこを鉄条網なりバリケードで固め、重要な補給地点とかは機関銃とコンクリートの建物で固める……安い、、強い、作りやすいだ」

「何だか、技術がいらなさそうですね」

「何よりもそこだな、戦車と違って技術力はいらない。知恵は技巧を作り出すことじゃなく、むしろ使わないことにも使えるってワケだ……」


日が若干傾き始めたとき、遠いで機関車の汽笛がなる。フアンが気付いた。


「……機関車?」


サルディス工廠に、エペソ学院方面から機関車が到着した。その機関車からは、いくらかの兵士と、老人と娘が降りてくる。シャノンが走っていった。


「ムタリカ!?それに、ギブソンさんまで……」


ムタリカにシャノンは肩を掴まれた。


「……ご無事で良かったです、シャノン様」

「ムタリカ、怒らないでくれよ?」

「私も作戦を立案した側です、怒る訳が……」

「立案したとき、命を大切にって散々」

「それは、あなた様が参加なさると頑なだったからではありませんか!」


ムタリカはギブソンを指差した。


「ギブソン様が運転技術を知っていた。彼の持っている武装も一応積んであります。工廠の在庫も合わせれば、完全武装でペルガモまでいけるでしょう……ですが、思っていた数倍、被害はありそうですね……おやっ、キング上院議員は?」


全員が黙ってしまった。ブラッドは懐から紙巻きのタバコを取り出して、鉄の道具の蓋を開けて火をつけた。ノイがそれを見て、ガスマスクを装備した。深く、深く吸い込んでいき、吐き出す。


「……ったぁく、来なきゃ流した武器の代金も渡さねぇって、そこのガキんちょに言われたからなぁ。まぁいいぜ、で?俺も戦えってか?」


腰に構えたリボルバーを2丁、引き抜いて回す。胸の前で腕を回すようにして4回転、回転方向を対にして4回転、腰に片付ける。


「……まぁいいぜぇ。正しいことしねぇと、そろそろアニキにどやされる」

2025年6月3日時点で、997,634字、完結まで書きあげてあります。添削・推考含めてまだまだ完成には程遠いですが、出来上がり次第順次投稿していきます。何卒お付き合い下さい。

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