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「この世の全ての女が。いや、言い過ぎたか。
僕の視界、僕が視界に入れば女なら大体好意を寄せて近付いてきた。
その言い方が正しい。
唯、俺は嫁だけを愛している。
嫁が出来たからモテても辟易したし、
近付く女は全員嫁より劣っていた。
それだけだ。
俺達は愛し合っていた。
結婚していたんだ。
何が悪い?
間違っているなら言ってくれ!」
これは少女誘拐監禁事件容疑者の第一声だった。
供述調書を記録する担当だった僕はこの事件に関して心を殺し淡々と業務をこなした。