表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/36

王子様が婚約の申込みをしに、お菓子の家を持ってきてくれました。

すみません。昨日間違えてあげてそれをもう一度パニックのあまり削除してしまいました。

再掲載です。

領地にお母様に強引に転移で連れて帰られてから大変だった。


お母様の訓練という名の下の可愛がりは、本当に悲惨だった。


衝撃波で地面に叩きつけられて、爆裂魔術で燃やされて……


実の娘にここまでやるのかと何度思ったことか。


このきれいなお肌に跡が残ったらどうするのよ!


もう一方的なサンドバック状態だ。


魔王はこれとお父様の二人がかりでやられたのだ。魔王が少しは可哀想になった。そりゃあ、二人を恨みもしよう。


あの魔王に食べられた伯爵にしろ、母にこっぴどく振られてその逆恨みだったらしいし……

本当に私にとって迷惑以外の何物でもない母なのだ。


父はその母に逆らって私を助けようとして、逆に母にこてんぱんにやられていたけれど。


良くお父様はこんな母と結婚しようとしたものだ。


しかし、偶に二人でイチャイチャしてるので私ではわからないなにかがあるんだろうか?




そして、今日も母にボロボロにされた。

城までフラフラになりながら歩いている時だ。


訓練場に人だかりができていた。


なんだろう?


私が近寄っていくと

「お館様。そんな小僧やっつけてしまいなされ」

「先々代の恨みを晴らして下さい」

「殿下、少しは頑張って!」

騎士たちがワイワイやっている。

戦っているのはお父様とアドじゃない!


しかし、アドは剣豪と言われる父の前に既にぼろぼろになっていた。


もう立っているのが精一杯みたいだ。


「小僧、降参するか」

お父様がアドになんか言っている。


「まだまだ、私は決して諦めません」

アドは必死に剣を構えている。


何をしているんだ。アドは。お父様に勝てるわけはないじゃない。


私が止めようとしたところをエリクが手で押さえてきたんだけど。


「姫様。殿下にも男の意地があるのです」

「エリク、何言っているのよ。アドがお父様に勝てるわけはないじゃない」

私が言った時だ。


アドの体が、一瞬地面に沈んだ。


そして、そこから一直線に飛び出したのだ。飛び出す矢のように。一気に加速して、ただ一に、突っ込んでいった。


お父様が弾こうとするが、アドの腕だけが伸びて一瞬お父様の額に触れていた。

次の瞬間、アドは地面に叩きつけられていた。


「アド!」

私は慌ててアドに駆け寄っていた。


「ふんっ、小僧! 少しはやるようになったな」

お父様はアドを一瞥すると、去っていった。さり際にお父様の額から一粒の血が流れ落ちたのが見えた。



「あっ、フラン」

アドが私の腕の中で目を開けた。

「もう、何むちゃしているのよ」

「男にはやらないといけない時があるんだよ」

「お父様に挑みかかるなんて無茶よ」

「でも、フランを得るためには絶対に一太刀浴びせないといけなかったんだ」

アドが言い張るんだけど。


「一太刀っていうか、一針は届いたと思うけれど……私を得るってどういう事?」

私が聞くと。


アドがフラフラと体を起こした。

「アドまだ、寝ていないと駄目だって」

私は言うがその手を押さえてアドが私の前に跪いてくれたんだけど、


「フラン、私と婚約して下さい」

そう言って手を差し出してきたのだ。


「えっ」

私は驚いた。


「フランに申し込む条件が公爵に一太刀浴びせるということだったんだ」

「それでお父様とやり合ったの?」

私は呆れて言った。

でも、それが女心に嬉しくもあった。そこまで努力してくれたんだ。

普通はそこで頷いてアドの手をとるところなんだけれど……


でも、頷こうとして厳しいフェリシー先生と王妃様の顔が私の頭の中にちらついたのだ。


アドと婚約したら今までみたいな気楽な生活はおくれないに違いない。

恐怖の礼儀作法の授業が食事の間も続くのかと思うとゾッとしたのだ。



「だめか?」

アドが心配そうに私を見るが、

「だって王妃様とかフェリシー先生が……」

私は懸念事項を言ったのだ。


「あれを!」

アドがそんな私の前に合図した。


ゆっくりと大きな木箱に包まれた巨大な物を載せた馬車が引かれてきたのだ。


「何、これは?」

そう聞く私の目の前で箱が開けられたのだ。


「ええええ! これってお菓子の家?」

そう、そこには巨大なお菓子の家があったのだ。

クリームに彩られて壁はチョコレートだろうか。窓は飴の成分でキラキラ虹色に光っているんだけど。そして、表札にはアドとフランの家とデカデカと書かれている。その前に寄り添う、私とアドの人形まであるのだ。

私はそれを見て感動したのだ。


「そう、これは王宮のシェフたちが腕によりをかけて作ってくれた正真正銘お菓子の家だ。彼らは俺の婚約者になる者の為に作ってくれたのだ。でも、フランがなりたくないのなら……」

アドが残念そうに言ってくれた。


「なる。なるわよ」

私はお菓子の家を前に即答したのだ。


「えっ、姫様」

「それはあまりにも」

「やはりフラン様は花より団子ですな」

騎士や侍女たちの残念な声は無視して私は早速かじりついていたのだ。


「本当に、美味しい。これって最高」

私は大いにお菓子の家を堪能したのだ……


でも、私は時のことを後でどれだけ反省したことか……

それは別の物語だ。


でも、6歳の女の子は普通はお菓子に釣られるわよ!

私は心の奥底から叫んでいた。





おしまい




ここまで読んで頂いてありがとうございました。

これにて完結です。

ブックマーク、評価等まだの方はぜひともよろしくお願いします。


またこの話のヒロインたちが大きくなって学園生活を送るお話の書籍『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

がつぎラノ2023ノミネートされました。

これも全て応援して頂いた皆様のおかげです。


厚く御礼申し上げるとともに投票まだの方は是非とも投票いただきますよう、よろしくお願いします。下にリンク張っています。私の作品はキミラノの上から五番目にあります。


その書籍の表紙絵や説明もリンク張ってあるのでまだお買い求めいただいていない方は是非ともお買い求め頂けたらとても嬉しいです!


また、閑話等上げていく予定です。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/


16歳の女子高生葵は病弱で学校にもほとんど行けていない。親友の凛に密かに思っていた連くんを取られてショックを受けた所を、その凛と一緒に異世界に聖女として召喚される。そこでも、凛のせいで王宮から追放されてしまう。雨の中とぼとぼ歩く葵はクリフという男に拾われた。しかし、助かったと思ったのはつかの間、奴隷として働かされる羽目になるのだ。葵の運命やいかに……

つぎラノ
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰で私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

この物語のフランが16歳の学園生になったお話がアルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

前の作品はこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ