表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/36

付けているのを忘れていた魔封じの腕輪を外して魔王をやっつけました

私を魔王の生贄にしようとした伯爵が私のエクちゃんに弾き飛ばされて魔王の口の中に消えて行った。

可哀想だけどこいつが今までにしたこととは到底許されるべきではない。こいつのせいで何人の女の人の命が失われたことか。後で聞いた事だが、魔王のためにこの伯爵領の騎士団が主体で人さらいを行っていたらしい。許されるべきことでは無かった。多くの騎士が騎士身分はく奪、処刑、あるいは牢に入ることになったらしい。


当然それを命じた伯爵は命をもってして償われるべきだと私は思った。



そして、待ちに待ったエクちゃんが私の手の中にぴたりと納まったのだ。


魔王は何も気づかずにその私を口の中にそのまま放り込んだのだ。


私は剣を構えると思いっきり突き刺した。


「ギャーーーーー」

魔王のこの世とも思われない凄まじい悲鳴と共に、私は外に放り出されていた。


「ウワーーーー」

魔王は苦しさに坑道内をのたうち回っていた。


その振動で石が落ちてくる。


私はすべて障壁で防いだ。


のたうち回って、飛んで来た触手の一部をエクちゃんで叩き斬る。


「ギャーーーー」

また、魔王が痛みに叫んでいた。


斬られた触手はそのまま金色に輝くと消え去った。


「うーん、浄化されたのかな?」

私は呟いた。

こうなったらやるしかあるまい。


他の皆はいつの間にか坑道からは逃げ出したみたいだ。


これなら思いっきりやれる。


私が剣を構えた時だ。


「おのれ、小娘、よくもやってくれたな」

立ち直った魔王が憎悪の気配を私に叩きつけてきた。


「もう貴様だけは許さん」

魔王が叫ぶと周りのおどろおどろしい気配が収縮した。


そして、

「食らえ、地獄の一撃」

凄まじいおどろおどろしい気が私に襲い掛かって来たのだ。


「負けるか!」

私はエクちゃんをその奔流に叩きつけたのだ。


ガンッ


おどろおどろしい流れはエクちゃんに切りつけられて坑道の横にぶつかっていた。


ダアーーーーン!


凄まじい大音響とともに坑道全体が大きく揺れた。


石が一杯落ちてくる。


私はそれを障壁で防ぎつつ、耐えた。


振動の終わった後には巨大な横穴が開いていた。


「おのれ、小娘め」

魔王は今度は触手攻撃に変えたみたいだ。


しかし、エクちゃんを持った私には効かない。


私は次々に迫りくる触手を斬り刻んだのだ。


その度にさすが宝剣、斬り取られた触手が金色に光って浄化されていく。


「くっ、これでは埒が明かんか。ではこれでどうだ」

魔王がどす黒く光った。


「魅了じゃ」

そして、光が去った後には、そこには胡散臭い金持ちのボンボンが立っていたのだ。


私はぽかんとした。


一体魔王は何がしたいんだろう?


そして、気持ち悪い微笑みをこちらに向けてくるんだけど。


「そこの小娘、こちらに来よ。可愛がってやるぞ」

私の背筋に怖気が走った。


「何やってくれるのよ。喰らえ」

私はエクちゃんを構えるや、渾身の力で叩きつけたのだ。


「ギャーーーー」

胡散臭い男は私が切りつけた途端にまた、おどろおどろしい化け物に変わった。


私に切りつけられて粘液を撒き散らしながら。


「おのれ、おのれ、もう許さんぞ」

そう叫ぶと魔王はその体ごと私に襲いかかってきたのだ。


のしかかるように。

「くっそう」

私は必死にエクちゃんで斬りつけたが、エクちゃんで斬れるのはほんの少しで少ししか浄化できない。


このままでは私は魔王に押しつぶされてしまう。


そんな時、私は右手にした緑の腕輪に気付いたのだ。


そう言えばいざという時はこの腕輪を外せってお母様に言われていたのだ。


私はそれを外した。


腕輪を外した途端に、

ダアーーーーン

と一気に私の魔力が膨れ上がったのだ。


じゃまになった腕輪はそのまま魔王の口の中に放り込んだ。


「ギャーーーー」

魔王が叫んだ。


魔王はのたうち回っている。私につけられた腕輪ってそんなに酷いものだったんだろうか? まあ、あの母のやることだからそうかもしれない。私は少しムカついた。


そして、私は魔王と距離を取る。



私は自分の体の溢れかえる魔力の多さに驚いていた。


「何よ、これ、魔力が溢れかえっているんだけど」

戸惑ったが、これなら魔王にも勝てる。

私は喜んで剣を握り直した。


「き、貴様、何だ、その魔力は」

魔王は焦って叫んできた。


「ふんっ、行くわよ」

私はエクちゃんを振りかぶると一気に魔王に斬りつけたのだ。


「ギャーーーー」

魔王の絶叫が響き渡った。左の三分の一が金色に光って浄化されたのだ。


そして、もう一太刀。


「ギャーーーー」

更に魔王の叫びが続く。


更に右の半分が浄化された。


「待ってくれ、頼む。見逃してくれ」

なんかいきなり魔王が命乞いを始めたけれど。


お父様やお母様はここで見逃してやったって言っているけれど、そんな事したから多くの領民が死んだのだ。私は許すわけにはいかなかった。


「お前に殺された人々の恨み思い知りなさい」

そう言うと私は渾身の力を込めて魔王に斬りつけたのだ。


「ギャーーーー」

魔王は叫ぶと同時に全身が金色に光って全て浄化されたのだった。



本来の魔力で魔王をも圧倒したフランでした……


ここまで読んで頂いてありがとうございました。


評価等まだの方は是非ともして頂けたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/


16歳の女子高生葵は病弱で学校にもほとんど行けていない。親友の凛に密かに思っていた連くんを取られてショックを受けた所を、その凛と一緒に異世界に聖女として召喚される。そこでも、凛のせいで王宮から追放されてしまう。雨の中とぼとぼ歩く葵はクリフという男に拾われた。しかし、助かったと思ったのはつかの間、奴隷として働かされる羽目になるのだ。葵の運命やいかに……

つぎラノ
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰で私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

この物語のフランが16歳の学園生になったお話がアルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

前の作品はこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ