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お化け退治しに行ったらならず者がいたのでやっつけたら礼儀作法の先生に見つかってしまいました

「えっ、本当に私がここからロープで降りるんですか?」

メラニーが私の部屋のバルコニーで震えているんだけど……





夜に私はメラニーを理由をつけて部屋に呼んだのだ。寂しいので一緒に友達と寝たいという理由で侍女に頼んだらあっさりと了承してくれたのだけど……。ひょっとしてこの時から監視されていたんだろうか?


「どこに、一緒に行く人がいるんですか?」

呼ばれて部屋に入ってきたメラニーは私の呼び出した理由を判っているみたいで、周りを見渡して聞いてきたんだけど、


「ほら」

私が外のバルコニーを指差すとロープが降りてきて、ひらりとアドが降りてきたのだ。


「えっ、ええええ! なんで、殿下が」

メラニーは絶句していたけれど……

まさか、上の階から王子がロープを使って降りてくるなんて想像もしていなかったんだろう。


やってきたアドはお化け退治に一緒に行くのをあっさりと納得したので、成り行きに唖然としているメラニーを強引に降ろそうとしたのだ。


「さっ、最悪下でアドが受け止めてくれるから、頑張って」

「でも、フラン様」

「さ、早くしないと見つかるわ」

戸惑うメラニーを強引に綱に捕まらせて降ろした。


メラニーは貴族の令嬢らしくロープを使って降りるのが初めてみたいで、ぎこちなくなおかつ途中でロープを離してしまったみたいだが、下でアドが受け止めてくれた。


私はこんなのは慣れているので、さっと下にロープを伝っており立った。


「殿下、ありがとうございます」

ペコペコしているメラニーに

「さっ、さっさと行くわよ」

と言って歩き出す。


「おい、フラン、待てよ」

慌ててアドがついてきた。

その後ろにメラニーが続く。


「幽霊ってどんな姿しているんだろう?」

私は期待感でウキウキしていた。


「あのな、なんで喜んでいるんだよ。女だったら普通は怯えるんじゃないのか」

アドが呆れて言うが、

「そうですよ。普通はお化けなんて会いたくないのに」

メラニーまでブツブツ言っている。


「だって、お化けって透けるんでしょ。魔物の一種なのかな? 燃やしたら燃えるのかな?」

私はもう、どうやって戦ったら良いのかそれを考えるだけでワクワクするんだけど。


「お化けと魔物は違うと思うぞ」

アドが言ってくれるけれど、

「そうかな。似たようなものだと思うけど」

私は退治する気満々なんだけど。

塔までは結構距離があった。


話題の塔はあまり使われていないエリアにあって、周りには寂れた建物しか無かった。


「あーーーん」

その時だ。遠くからかすかな泣き声のような声が聞こえたのだ。なんともいえない声だ。

私は勝手に持ってきた模擬剣を構えた。


「なんか聞こえるな」

アドは真剣を持ってさやに手をかけていた。

「行ってみましょう」

私達は塔に近づいた。

塔は4本の渡り廊下で繋がれていて、その周りにも小屋があった。


「やっぱり塔の上から聞こえてくるぞ」

かすかな泣き声が聞こえている。


「しっ」

私はその時、小屋の影に入る人影を見たのだ。若い侍女のようだった。

「あれっ、イヴォンヌ」

メラニーが驚いた声を出した。

「知り合い?」

「私のところの侍女よ」

メラニーが驚いて言った。各家の侍女も部屋には入れないが一応王宮には控えているのだ。そう言えば我が家の侍女や騎士も一応王宮にはいるはずだ。どこかで見ているかもしれないけれど。


「その侍女がどうしてこんな所に?」

私が聞くが


「しっ、誰か来た」


アドが私を制した。

私達は物影に隠れてその様子を見ると

別のところから男が寄ってきたのだ。


3人の男だった。


「よう、約束通り来たか」

真ん中の男が下卑た笑いをした。


「お願いです。もうこのようなところに呼び出すのは止めて下さい」

侍女が言うが、


「何言っているんだ。借金してるのはそちらだろうが。そっちの家の主に取り立てに行っても良いんだぜ」

「ご主人さまは関係ありません」

男の声に侍女が否定する。


「そのような事を言っても良いのか。お前の弟が良くなるには高級な薬が必要なんだろう。何だったらその薬をやっても良いんだぞ」

「この前もくれなかったじゃないですか」

「お前ん所のお嬢様を連れてきたら薬をやるって言っているんだよ」

「その様な事出来るわけありません」

侍女はメラニーを連れてこいと言われているらしい。それに対して抵抗していた。


「ふうん、ならば俺達がお前のところのお嬢様に言ってやろうか。お前のとこの侍女が高利貸しから金を借りて返せてないので払って下さいって。お前、それで首になってもいいのか」

「そんな、でも、私はお嬢様を裏切るわけにはいきません」

侍女は言い切ったのだ。


パシンっ

男が侍女を張り倒したのだ。

侍女が勢いで地面に倒れ込んだ。


「おい、優しく接してやったら漬け上がりやが……ギャッ」

男のセリフは怒り狂った私の怒りの飛び蹴りによってぶった切られたのだ。


そして、次の瞬間には


ダンッ 大きな音とともに壊れかけの小屋に頭から男は突っ込んだのだ。


ふんっ、女に手を上げるやつは許せない!


そんな私をアド達は呆れて見ていたんだけど……

「このガキ、何しやがる」

他の男達が怒って私に掴みかかろうとした時だ。


ドシーーーーン


と大きな音と共にその小屋が屋根から崩れ落ちたんだけど。


ええええ! なんで!


私は唖然としていた。



やばい、こんな大きな音がしたら皆来るじゃない。


私は逃げ出そうとした時だ。


「フランソワーズさん」

そこには仁王立ちしているフェリシー先生が騎士達をを後ろに従えて立っていたのだ。


ええええ!


私の二時間延々怒れるお仕置きコースが確定した瞬間だった。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

ここに活躍するフランやアド、メラニーやピンク頭が大きくなって活躍する学園物語、

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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