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王宮に出る幽霊退治に出かけることにしました

それからの毎日は本当に疲れた。


礼儀作法がありとあらゆる場面に入って来て本当に大変だったのだ。

昼食、私のとても楽しみにしていたおやつ、夕食、果てはお風呂の中までやろうとして、流石に私は拒否した。風呂に礼儀作法って何だ?


本当にもうムカつく……。一度フェリシー先生の前で切れたら100倍返しされたので、それ以来逆らっていない。倍返しとか三倍返しはまだ判るけれど、100倍返しはない……。一言「そんな」って絶望的な声出したら「フランソワーズさん。あなた何言っているんですか。少なくとも今あなたは公爵令嬢で……」

それから30分くらい怒られ続けたのだ。

いや、千倍、万倍返しだ。私は一言たりとも言い返せなかった。


それ以来、逆らうのは止めているんだけど……


もう止めたいと本気で思う度に、アドが珍しいお菓子とか、王都で流行りのケーキなんかを持ってきてくれて、誤魔化されていたのだった。



唯一朝食だけは先生がいなかったので、私は朝に食いだめすることにしたのだ。


朝食は好きなところで食べていいとのことだったので、私は王宮のバイキング食堂に行くことにしたのだ。


ここは騎士たちもいて、皆、結構大量に食べていた。


それに負けないくらい私も食べたのだ。


「ちょっと、フラン様、流石に多いのでは」

一緒に連れてきたメラニーが白い目で見てくれるのだが。


私のトレイの上はすべて山盛りだった。

ご飯に、野菜サラダにソーセージにすべての皿が塔のようになっていた。


「おい、あの子の皿、俺らより多いぞ」

「さすが、剣聖を一撃で倒すだけの事はあるな」

「そうか、あの子がルブランのゴリラ女か」

「見た目は可愛いのに凄まじい実力だよな」

なんか騎士達が言っているんだけど……

ゴリラ女は変わらないのかよ!

と私はとても不満だった。


「だから言わないこっちゃない」

なんか、メラニーが呟いている。メラニーは見た目と違い、結構言うことがきついんだけど。



私達は適当に座った。


「ねえねえ、聞いた? 塔の部屋から夜な夜な女のすすり泣きが聞こえるって」

「ええ、私も聞いたわ」

「やっぱりお化けかしら」

「昔、周りから散々いじめられた侍女があの塔から飛び降りたそうよ」

「その侍女の幽霊なの?」

「そうみたいよ。昨日もイザベラが聞いたって言っていたわ」

侍女たちが噂しているんだけど。


「ねえ、メラニー、聞いた? 幽霊が出るんだって」

私は興味津々でメラニーを見た。


「まあ、これだけ王宮も歴史があれば、そういうこともあるのではないですか」

なんか今一つの反応なんだけど。


「ここは是非ともその幽霊の正体を突き止めましょうよ」

私が提案すると


「えっ、いや、フラン様はその様な危険なことに近付かないほうが宜しいかと」

「何よ、それ。さすがフェリシー先生の愛弟子ね。言うこともそっくりよ」

私が意地悪に言うと

「えっ、フラン様は先生の前でそのような事を言われたのですか?」

「言うわけ無いでしょ。さすがの私も空気を読むわよ」

聞いてきたメラニーに私が答えたが、


「フラン様が空気を読まれる?」

なんか疑問形で聞いてくれるんだけど。さすがの私も空気を読むわよ! 多分……



それから私は、散々メラニーを誘って行こうとしたんだけど、メラニーが中々うんと頷いてくれない。


「メラニーのケチ」

私がたまらずに言うと、


「ケチってなんか違うと思いますけれど、私はフラン様がまたフェリシー先生に怒られるのを未然に防いでいるだけで」

なんかメラニーが言い訳してくれる。


「もう、めらにーったら、いつも決められたレールの上だけじゃ、面白くないじゃない。偶には冒険しないと」

「冒険ですか?」

メラニーが変わったところで食いついてきた。一番冒険しなさそうなメラニーが……

でも、ここだ。


「そうよ。メラニーも一度くらい冒険しても良いと思うのよ」

「でも、侍女が監視していますし」

「そんなのうらから縄使って降りたらすぐよ」

「そんなのすぐには出来ませんよ。それに二人だけだと流石に」

「じゃあもうひとりいれば良い?」

「こんな事に頷く人はいないと思いますよ」

「じゃあいれば参加してくれるのね」

私は畳み掛けた。


「そんなの、他の人が参加してくれる訳ありませんよ」

メラニーが自信を持って言ってくれたんだけど。


「じゃあいたら参加ね」

「はい」

自信満々にメラニーは頷いてくれたのだ。


でも、メラニーは知らないのだ。毎日夜に密かにやってくるアドの存在を。

私はアドを巻き込む気満々だったのだ。





さて、メラニーの運命やいかに……


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が皆様の応援のお陰様で『次にくるライトノベル大賞2023』ノミネートされました。

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なんと上から五番目に載っていました(あ行だから当然なんですが)

投票して頂けたら嬉しいです!


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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16歳の女子高生葵は病弱で学校にもほとんど行けていない。親友の凛に密かに思っていた連くんを取られてショックを受けた所を、その凛と一緒に異世界に聖女として召喚される。そこでも、凛のせいで王宮から追放されてしまう。雨の中とぼとぼ歩く葵はクリフという男に拾われた。しかし、助かったと思ったのはつかの間、奴隷として働かされる羽目になるのだ。葵の運命やいかに……

つぎラノ
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰で私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

この物語のフランが16歳の学園生になったお話がアルファポリスのレジーナブックスにて

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なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

前の作品はこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です

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