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98ピッチ目 虫料理


レストランで出てきたのは絵の通り、虫料理だった。


東南アジアに行くと虫料理は割とポピュラーな料理だから、俺はそこまで大きな抵抗はない。


だが…


「こ、れは、なかなか…インパクトあるわね…」


「虫を食うんだな蜥蜴人ってなぁ…目つぶって食おう…」


「これ、、、食べれるの?」


オリビア、ガルバンさん、マルセロは明らかに嫌悪している表情を見せた。


確かに俺も初めて虫料理を前にしたときは、ほとんど生きていた時の姿のままで出てくるそのインパクトに衝撃を受けた。


「大丈夫だよ、食べてしまえば意外と海鮮系っぽい味と食感なんだ」


そういって俺はなんだかわからないバッタのような虫を口に入れた。


カラッと揚がっているその虫は、カリカリとした食感でどこか菓子のような雰囲気もある。


味はやはり、ベースはエビ。


香辛料で味と香りがついていて、まさしく東南アジア系の料理のような味わいでなかなか美味しい。


「ディエゴ、これ美味しいね。俺は蜥蜴人の料理結構好きだよ」


「本当かい!?僕たちの料理は人間にはちょっと、あんまり合わないかと思っていたけどそう言ってくれて嬉しいよ!さ、みんなも騙されたと思って食べてみて!」


三人も意を決したようだった。


目をつぶってそのバッタを口に放り込んだ。


苦しそうな顔でバリバリとそのバッタを口の中で嚙み砕く音だけが聞こえていたが、みるみるその苦しそうな顔が晴れやかな顔に変わっていった。


「美味しい!!本当にエビみたい!!虫がこんなに美味しいなんてびっくりよ!」


オリビアは感動した様子だった。


そうなんだよな、初めて虫を食べた時ってその見た目のグロテスクさと美味しい味のギャップで感動するんだよな…


「よかった!さ、食べて食べて!いろいろあるけど全部美味しいから!」


ディエゴも自分たちの文化を受け入れてもらって本当に嬉しそうだ。


それから俺たちは虫料理をすっかり堪能した。


虫料理もすごく美味しかったが、それよりも俺が嬉しかったのは米だ。


湿気の多い地域だからできるのだろうが、この地域では稲作がなされていた。


この世界に転生してからというもの、ヨーロッパ式の料理しか食べることが出来なかった。


しかしこのクルメイロスでは虫料理や米など、前世のアジアを感じさせる料理が中心でどことなく懐かしい気持ちになれた。


俺は何よりもそれが嬉しかった。


クルメイロス、何日滞在するか分からないけど、またいつか来よう。


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