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75ピッチ目 再会


振り返るとバックパックを持った蜥蜴人が一人でワインを飲んでいた。


「お、やっぱりそうだ!俺だよ俺、前にもこのバーで会っただろう!アーガイルだ!あんたは確か、ノボルっていったか?横の君はオリビアだな?こんな偶然あるもんなんだなぁ」


アーガイルさん、一年前にこの店、オニックスで会った登山家の蜥蜴人だ。


まさか同じ店で再開することになるとは思ってもみなかった。


「アーガイルさん!驚いたなぁ、またあえて光栄ですよ!あれからどうしてたんですか?この大陸の山を登っていたんですか?」


「あぁ、一年近くこの大陸に滞在して山を登っていたんだ。これからベロゼルスクに帰ろうかと思っていたところだが、この店が気に入っていたからな、最後に寄って見たら懐かしい顔に出会ったわけだ」


それにしてもよく覚えていたな。


俺は蜥蜴人をほとんど見たことがないから印象に残っていたが、アーガイルさんはこの大陸でもたくさんの人と出会ったはずだ。


そんな中で俺たち二人の顔を覚えていてくれたのは素直にうれしい。


「おいノボル、お前に蜥蜴人の知り合いがいたとはな。これから蜥蜴人の国にいくんだ、俺にも紹介してくれよ」


ガルバンさんが割って入ってきた。


「アーガイルさん、こちら俺がいつもお願いしている鍛冶師のガルバンさんです。こう見えても腕のいい鍛冶屋なんですよ」


「ガルバンさん、お初にお目にかかります、アーガイルと申します。私は彼らと一度この店で会っただけの仲ですが、偶然再会したのも何かの縁だ。ぜひあなたとも交友を深めたい」


見るからに貫禄のあるガルバンさんに、アーガイルさんも礼儀正しく対応しているのを見てなんとなく可笑しくなった。


「蜥蜴人の国に行くって言っていたが、どこに向かうつもりなんだ?」


「そうだ、俺たちはこれから南の大陸の蜥蜴人の国に行くところなんだ。ギバランって鳥がいる地域に行ってその翼膜の加工法を教えてもらいにな。アーガイルさん、あんた蜥蜴人なんだからちょうどいい、案内してくれよ」


ガルバンさん、彼は雪蜥蜴だから南の大陸じゃなくて北の大陸にいる人たちなんだよ…って言おうと思ったが、それよりも早くアーガイルさんが否定した。


「俺は雪蜥蜴、住んでるのはベロゼルスク地方だから南の大陸じゃないんだ。だが同じ蜥蜴人だ、俺がいた方が何かと便利かもしれない。どうせ帰っても雪に阻まれて港町からは出られないし、よし、俺も一緒に南の大陸に行こう」


まさかの展開だ。


アーガイルさんがこんなにもフットワーク軽く一緒に来てくれることになるとは。


確かに同じ蜥蜴人のアーガイルさんがいた方が話がうまく進むことがあるかもしれない。


「願ってもない申し出ですよ!よろしくお願いします」


「これも何かの縁だ。こちらこそよろしく頼むぞ」


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