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54ピッチ目 ドーバークラブ


「ほんとですか!?そんな都合の良い素材があるんですか!?」


「あぁ、あるよ。ドーバークラブっていうカニからとれる素材なんだが、どういうわけかビールと混ぜると発泡して固まるんだ。よくわからんがなぜかそうなる素材だ。ただ、ドーバークラブ自体がそこまで流通していないから量を手に入れるとなると大変かもな…たまにフローデンでも見かけることはあるんだが…」


まさかカニの一部を使ってホールドを作れるかもしれないとは思いもよらなかった。


それにビールと混ぜると発泡して固まるということは、もしかするとビールの炭酸ガスが関係しているのかもしれない。


「ありがとうございます。流通に関しては多分、商会の方が詳しいと思うのでガマさんに聞いてみますよ」


「そうだな。そういうことは俺の専門じゃねえからな。というより、ドーバークラブの素材のことだって俺の専門ではねえんだよ」


ガッハッハと相変わらず豪快に笑って、そうは言いつつも、なんかあったらいつでも来いとガルバンさんは言ってくれた。





「ノボル様!お怪我なさったのですか…!?」


どこに行っても同じ反応をされてわざわざ説明するのがちょっとめんどくさくなってきたが、まあでもしょうがないか…


商会のガマさんのところにやってきた。


「実はクライミング中に落下しましてね…お恥ずかしい限りですが、例のカラビナに命を救われましたよ」


「それはなんとも…して今日は何用でいらっしゃったのですか?」


本題に入る。


クライミングジムの構想と、そのために必要となるドーバークラブの流通について説明した。


「なるほど、ドーバークラブが大量に必要になるのですね。それでしたら手配可能ですよ。フローデンではそもそも需要が無いのでうちの商会も量を入れないようにしているんですがね、流通量としては世界的に見ればそれほど珍しいカニでもないんですよ。それよりそのクライミングジム、土地や建物なんかも必要になりますよね?その手配、ぜひうちにやらせてもらえませんか?」


商会が不動産を手配してくれるなら俺としても願ってもない話だ。


さすが商会、フローデンを実質的に管理していると言っても過言ではない。


「土地建物、ぜひガマさんのところにお願いさせてください。俺もそこのところどうしようか迷っていたところだったんです。ガマさんもご存じとは思いますが、カラビナのおかげで金ならそれなりにありますからね」


自分が思っているよりトントン拍子で話が進んでいって正直驚いてはいるが、時間もそう多くは無い。


進められるところからスピーディに進めていかないと。


「ありがとうございます。それでは早速土地建物の紹介を…」


商会の管理している不動産をいろいろ見せてもらった。


その中で良さそうな土地、通りに面したかなりの広さがある空き地に決めた。


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