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35ピッチ目 ポルトマルク


ポルトマルク、港の石桟橋を洗う波音と、さわやかな潮風が気持ちのいい町だ。


今回の旅も例にもれずいつも通り、オリビアと一緒だ。


「オリビアもポルトマルクに来るのは初めてなんだよな?」


「そうよ。それにしてもこの町はほんとににぎわってるわね。ブラスハイムもかなりにぎわっていたけど、ポルトマルクはそれどころじゃないわね。まあでも、それもそうよね。この大陸で流通するほとんどの外国製品はこのポルトマルクの港を通して運び込まれていくんだもん」


確かに港にはかなりの数の船が停泊しているし、港の外、湾内にも喫水が深く港に入れない船がたくさん停泊しているのが見えた。


桟橋には樽や木箱、内側に宝石が形成されているカットドームなどの嗜好品も置かれている。


人の数もすごく多い。


見たところ船乗りらしい人、商人らしい人、武装した人もいる。


なんだか見るからに怪しげな人もいるが、少なくとも街中で何かをしでかす者はいないだろう。


「港じゃちょっと試験をするには向かないよな。ちょっとはずれの方に行ってみよう」





港を外れて市街の方にやってきた。


海のすぐ横にポルトマルクの住民達が住んでいる街が広がっている。


海沿いの石垣の道は手すりが付けられ、海を見ながら人々が憩える場所が整備されていた。


「このあたりで上手くやれないかな?常に潮風を浴びる環境だったらいいはずだから、この手すりにぶら下げておくとかでもいいと思うんだよな」


「潮風を浴びると金属って早く錆びるの?」


「そうだよ。潮風、塩分があるとそうでないときと比べて錆の進行が圧倒的に早くなるんだ。その環境である程度耐えることが出来れば内陸のさびにくい環境下ならもっとずっと長い時間錆びることなく使うことが出来るってわけさ」


どれくらいの試験時間をとればいいんだろう。


俺もさすがに鉄が錆びるのを試験することなんてやったことないし、検討もつかない。


こんな時はアイギスの出番だ。


(アイギス、試験する時間の目安は?)


(空気中の塩分濃度によりますが、おおよその目安は240時間の高塩分環境下が通常時の一年に匹敵します)


さすがアイギス。


なんでも知ってるな。


それに十日、不可能な時間じゃない。


「十日くらいを目処に試験してみよう。ほっといて毎日様子を見にくればいいし、それまでポルトマルクを楽しもうよ」


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