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29ピッチ目 ブラスハイム中央通り


大きな門を抜けると大勢の人が行き来する通りが広がっていた。


通りの両側には露店が所せましと並んでいる。


「オリビア、すごい人だなここは!」


馬車に乗っている俺たちは通りの中央の車道のようなスペースを進んでいるが、歩道には人があふれかえっている。


中には車道を歩いている人もいた。


「あ、あそこよワイバーンの素材が売っているお店は。骨はそんなに人気商品じゃないから、たぶん手に入ると思うわ」


「なんの商品が人気あるんだ?」


「一番はやっぱり鱗ね。加工しやすいから鎧とか、あと矢じりにも使われるわね。あとは翼膜かな。防水性があるから縫い合わせれば水筒になるわ」


なるほど、体丸ごと全部使えるってわけか。


さっきから通りにちらほら見えるワイバーン料理の店では多分ワイバーンの肉料理を出しているのだろう。


「ここか、店名はバロン、ね」


大きな店だ。


中の様子は思っていたよりも明るく雰囲気も良さそうだ。


それに商人風の男数人が商品を物色している。


ドアを開けると小気味いい音のベルが鳴った。


「いらっしゃい、見ない顔だね。買い付けかい?」


奥から出てきたのは賑やかそうな女性だ。


赤いバンダナを巻いてデニムのエプロンをかけている。


「いや、買い付けって言うほどの量はいらないんだが、ワイバーンの骨が欲しくて来たんだ。あるかな?」


「もちろんあるさ、あそこだよ」


女性が指さした一角にに灰色がかった骨のようなものが積まれていた。


それは俺の知っている人間の骨よりも明らかに分厚く、そして大きなものだ。


「部位とかは?特に指定はないかい?」


(マスター、部位は特に限定されていません。全身のどこの骨でも問題なく精錬が可能です)


アイギス、俺が聞くより先に応えてくれるなんて気が利くじゃないか。


「あぁ、部位はどこでも大丈夫だ。量は、そうだな…そこのかごいっぱいにもらおうかな」


家庭用の鍋ほどのサイズのかごにいっぱいにワイバーンの骨を入れてもらった。


お代は想像していたよりも安価だったし、これでブラスハイムに来た目的はあっさり達成されてしまった。


なんだか肩透かしだ。


「無事に骨が買えたわね。さて、どうしよう、ワイバーンの狩り、見に行ってみる?」


そうだった狩りが見れるんだ。


「ぜひ見てみたいよ。行こう、町の反対側だな」


オリビアが出してくれた馬車はこうして湖に向かって中央通りをゆっくりと下って行った。


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