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28ピッチ目 ブラスハイムを望む


「ペンネ、おいしかったね」


さすがは小麦を操るスキルの保有者、ペンネは絶品だった。


オリビアと俺はレストランを出て山間の道を進んでいた。


美しい山だ、緑の高山植物が斜面を覆い、絨毯のようになっている。


寝転んで休憩している人たちも見えた。


「もうすぐ向こう側が見えてきそうだね。きっとブラスハイムの町が見えたらノボルびっくりするよ」


山間の道も向こう側に空が見えるから、もうすぐ視界が開けそうだ。


それにしてもこの峠道、街道並みによく整備されている。


それだけ往来が激しいということだろう。


「ブラスハイムにはなにか名物というか、観光地みたいなものはあるの?」


「そうねぇ、ブラスハイム全体が観光地だけど、いろいろ見るものはあるわよ。ワイバーンの狩猟とかも見学できるの」


ワイバーンの狩猟見学って、危険じゃないのか…?


というかそういえばもうすぐ峠を越えて下りに入るけど、あの笛、使うシーンなかったな…


そうこう考えているうちに向こう側の盆地が見えてきた。


「ノボル、見えたよ、あれがブラスハイム」


今までにみたことのない絶景だった。


巨大なカルデラの中心のくぼみはエメラルドグリーンの水を湛え、その湖を中心にして町が放射状に広がっている。


赤い屋根の家々が並び、美しく整列した様はまさにヨーロッパの城郭都市そのものだ。


「すごいね、前世でもこんな町があったけど、ブラスハイムは比にならないくらい美しい町だよ」


見とれているとちょうど今いる峠道とは町を挟んで反対側の空にいくつかの小さな点が見えた。


どうやらあれが増えすぎて狩られるワイバーンのようだ。


「オリビア、あれ、ワイバーンだよな?町のほうに向かってきているみたいだけど大丈夫なのか?」


明らかに町を狙って山から飛んできている。


町民が襲われたらひとたまりもないだろう。


「大丈夫よ。あれもブラスハイムの名物の一つなの。見えるかな、あの城壁の上に衛兵さんたちがいるでしょ?城壁に備え付けてあるバリスタで攻撃するの」


(アイギス、バリスタって?)


(バリスタとは攻城兵器の一種です。引き絞った弦で巨大な槍を射出します)


最近、アイギスに何か聞くのを口に出さなくてもできるようになってきた。


おかげでアイギスにばかり質問をしてオリビアが不機嫌になることはなくなった。


「危なくないのか?もし上手く狩れなかったら、とか…」


「ワイバーンって意外と小さいのよ。全長も三メートルくらいかしらね。せっかくだし、あとで見学に行ってみましょ」


全長三メートルか、思っていたよりも小さいな。


想像していたのは某学園もの魔法使い映画で出てきたドラゴン、全長は優に十メートルくらいあるものかと思っていた。


ともかく、ワイバーンの狩猟なんて滅多に見られるものじゃないだろうし、楽しみが一つ増えた。


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