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23ピッチ目 アイギスの思わぬ能力


講習会の翌日、俺は使用したギア類をチェックしていた。


鉄製カラビナの弱点は重量はもちろんだが、もう一つ決定的な弱点がある。


錆だ。


鉄製カラビナを錆から守るために一応表面に油性塗料での塗装を施している。


しかしこの文明レベルでの油性塗料は前世での塗料とは違い、膜厚が厚く可動部等には塗布してもすぐに割れて剥がれてしまう。


それにロープと擦れたりすると簡単に剥げてしまうし、実際に使用したほとんどのカラビナは表面の塗装が剥がれて錆が発生し始めていた。


長持ちさせるためにはこの錆を早い段階で除去して、防錆油に浸けておくことが適切だろう。


ということで早速やすり掛けをして錆を落とし、カラビナをはじめとするギア類は防錆油に浸けた状態で保管することにした。


「マスター、防錆に関してお困りでしたら良い方法があります」


アイギスの方から提案してくれるとは正直驚いた。


俺の行動を見て適切な回答を見出すことも出来るというわけか。


「なんだアイギス、いい方法って。先に言っておくけど実現可能な方法で頼むよ?」


「素材に関して、ワイバーンの骨を使用するのはいかがでしょうか?ワイバーンの骨は比較的入手しやすく、また適度な量を鉄と混合して精錬することにより錆びにくく軽い金属とすることが可能です」


「ワイバーンの骨って、そんなに簡単に手に入るものなのか?」


そもそもワイバーンなんて見たことないし…


「西のブラスハイムでは周囲が山々に囲まれておりワイバーンの群生地が近くにあります。町民への被害を防ぐため、ワイバーンの数が一定以上に増えないよう日常的に狩猟が行われています。ブラスハイムであれば比較的安価にワイバーンの骨の入手が可能です」


ワイバーンか…


俺のイメージだと恐ろしい竜のようなイメージだが、そんなにしょっちゅう狩りができるものなのか?


でもとりあえず、この方法を試してみるのも悪くない。


この方法であれば重量と錆やすさと、二つの弱点を同時に解消できる。


精錬もガルバンさんに依頼すればきっとやってくれるはずだ。


「よし、ありがとうアイギス。まずはワイバーンの骨を手に入れに行こう。精錬の時に必要になる重量とかのデータもあるか?なかったらそもそもワイバーンの骨があってもしょうがないんだけど…」


「ご安心ください。データの提供は可能です」


なんでこんな技術を知っているのかはわからないが、使えるものはありがたく使わせてもらう。


アイギスって、もしかすると使い方によっては思っていたよりもはるかに便利なスキルなのかもしれない。


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