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懐かしの日々 想い出

ゴジラ対ヘドラ(東宝映画) 人生初 怪獣映画、SF映画はまさに「DEEP IMPACT」そのものでした

作者: 池畑瑠七

 幼いころに見た映画って、内容の良し悪しももちろんあるだろうけど、特別なイベントとしてかなり強い印象が残るものだと思う。


 うちの町に、映画館は二つあった。一つは邦画系。もう一つは洋画系。


 邦画系の映画館は、任侠映画とか大人限定のやつ(笑)とか、見ちゃいけないやつが多くてあんまり入ったことがない。

 もっぱら「洋画系」映画館にお世話になった。



 映画に行く日は朝からワクワク。

 バス停まで家から歩いて15分。そこからバスで20分。

 駅でおりて、歩くこと5分。バスの本数が少ない上に、回数少ない上映時間とのせめぎ合いでいつもハラハラ!


 無事間に合うか?って劇場に入るまで スリリングな時間を過ごしてた覚えがある。

 時間が合わないと、隣の本屋で時間をつぶしていたな。


 当時我が町では、新作映画は封切りから1-2カ月遅れでやっと上映されるのが常だった。

 ただその代わりというか、なんかすっごくちぐはぐな不思議な組み合わせで2本立てになってて。

 新作にとんでもなく昔の旧作を組み合わせたりとか、シリーズものを適当にあわせたりとか(笑)。

「お得感」を無理やりぶち込んで客寄せしてることが、ほとんどだった。


 そんな田舎町の映画館で、生まれて初めて見たのはたしか東宝の特撮映画「ゴジラVSヘドラ」だったかなー。

 おそらく幼稚園かそこら…だったと思う。

 悪役怪獣、めっちゃめちゃ強烈だった。


「田子の浦のヘドロから生まれた巨大かいじゅうヘドラ」だったんだ。


 田子の浦はウチのとこからも割と近くて。舞台になるその町は港に隣接した、製紙工場がすごく多い工業地帯。

 当時はその工場から排出される煙と大量の雑排水で、大気汚染、河川と海の汚染やひどい悪臭とかが大きな社会問題になっていた頃だった。


 一帯は見渡す限り、もくもくと白煙を吐き出す煙突が立ち並ぶ。

 煙でおおわれた空はいつもどんより まだらな灰色。

 街に近づくだけで目に沁みるような息が出来ないような悪臭が鼻を突く。

 とても悲しいことだったけど、そんな感じだった。


 そうやって自然を汚し続ける人間への復讐のため、憎悪を滾らせ工場の町を襲うのが、ヘドラだ。

 どろどろに溶けた製紙材料と汚泥を寄せ集めたみたいな、おどろおどろしい風体だった。

 初めての劇場の大きなスクリーンと大音声で見るその姿がなにしろ怖くて、恐ろしくて。

 身を縮めるようにして指の隙間から覗くように見ていたと思う。


 ストーリー自体はほとんど覚えてないけど、暴れまわるヘドラの姿はインパクトありすぎて、良くも悪くも今も記憶に鮮明だ。


 ただ、自分の記憶の中では「モスラ」が出てきて。ザ・ピーナッツ演じる双子の小さな妖精が

「♬モスラ~やっ モスラ~♬」って不思議な歌を歌って聖獣モスラを呼び寄せる…って話だった気がしたんだよね。

 ところが、ちょっと調べてみたらそれって全然別の話だった(笑)。


 キングギドラとかモスラとか、併映してたやつとかもあったりして、なんか色々と記憶が混ざって自分の中で別の物語が出来上がっていたみたい(笑)。


 とはいえ、生まれて初めて見た「恐怖映画」の主役(悪役?)は間違いなく「ヘドラ」でした。

 正直、幼児が人生最初に大きな劇場スクリーンで見るには、怖すぎたと思う(笑)。あれは、間違いなくトラウマってる。



 そしてもう一つ。トラウマ映画がある。

 地球滅亡へのカウントダウン、隕石衝突系SF映画「メテオ」だ。


 確か、大好きだった漫画「ベルサイユのばら」が実写映画になった、ってんで、喜び勇んでそれを観るため劇場に行った時だった。

 そしたら予想外の出来事、同料金で勝手についてきちゃう「同時上映映画」が

「メテオ」だった( ̄▽ ̄;)。


 少ないお小遣いをやり繰りしての、久々の映画鑑賞。

 1本分の料金で2本見れるんだから、まあ、見ない手は ないもんなあ・・・。

 それで、本命が終わった後に席を立つことなく見始めた。


 隕石衝突って、地球誕生以来幾度も幾度も繰り返してきた出来事で。

 そのたびに物凄い「DEEP IMPACT!」で天変地異や動植物の絶滅とかが起きていたわけで。


 宇宙天体図鑑が大好きで、宇宙の事に夢中で。

 隕石衝突、そういう事も知識としてはちょっと持ち合わせてたから、非常にリアリティがある近未来SFストーリーだった。


 最終的には、地球を絶滅から救うべく対立し合っていた核兵器保有大国が協力し合う事になる。

 地球到達のギリギリ直前、巨大隕石に核搭載ロケットミサイルを打ち込みその軌道を変えさせて、大絶滅から世界を救う。

 そういう大団円のお話しではあったんだけど。


 わたしがその時思ったのは、これは架空の物語でのハッピーエンドであって。

 現実にそういう宇宙から、とか人類同士の対立による脅威とかって、無くなってないじゃんね。

 隕石に限らず、地震とか火山噴火とか台風とかいろんな自然災害、環境破壊、そして戦争とか。

 大きな力による抗いがたい悲劇、恐怖はいつでも、起こりうるんだ…。

 その事が何よりも恐ろしいなと思って、消えない記憶になっていったんだと思う。


 ベルばら見に行ったはずなのに~~www!!全て、ぶっ飛んでしまいました( ̄▽ ̄;)



 とはいえ。

 地球の片隅のすみのちっぽけな一市民だけど、自分にもなにかできることってあるんかなー。

 大切な人とか、笑顔になれない泣いてる困ってる誰かの力とかに、ちょっとでもなれたらいいなあーなりたいなあー。みんながそう思ったら、平和の鎖になって大きな力に、繋がっていかないかなあ。

 いきますように。ってどっかで思っていたり願っていたりもね、しない訳じゃない(笑)。



 これ、メテオとヘドラのせい、けっこうあるかもね。



 結論。いやあ、「ヘドラ」、「メテオ」。


 たいへん、怖かったっす。(笑)



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― 新着の感想 ―
[一言] 今回も楽しいお話をありがとうございます。 いつも池畑さんの、物事を見る優しい視線、温かくユーモア溢れる表現が大好きです。 幼児にとって、大画面での「ゴジラvsヘドラ」は見応え充分だったでし…
[一言]  いや~。ヘドラで洗礼ですかー。  メカゴジラだった私は敵怪獣ながらのカッコ良さにシビレてたんで凄い正反対の洗礼ですね。  あの作品、大人でもビビる程のやり過ぎ(監督の伴野さんは干された)だ…
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