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第252話 元の世界の話


「これはライトという商品です。太陽の光から得た電気というエネルギーを貯めて、このボタンを押すと光を出してくれる道具になります」


「おおっ、確かに魔法とも魔導具とも異なる! すごい、これはすごいぞ!」


「さすがにこういった商品はまだこの世界にはないと思うので、まだこの店では販売していない商品です。これで俺がアウトドアショップという特別な能力を持っているという証明にもなるでしょう」


「ああ、こんな不思議な能力と道具は初めて見る! 頼む、テツヤ殿。もっとテツヤ殿の世界のことや物、テツヤ殿の能力のことをいろいろと教えてほしい!」


「はい、もちろんですよ」


 先ほどまで以上に目を輝かせているスヴィーさん。その好奇心旺盛な瞳はまるで不思議なおもちゃを見つけた子供のようだ。


 とりあえず、アウトドアショップの能力で購入できる商品をいろいろと見てもらおう。






「……そんなわけで、俺の世界では電話という道具があって、電波さえあればいつでも世界の裏側にいたとしても連絡が取れるんです」


「おお、そんな素晴らしい道具もあるのだな! 魔法では数百メートル先まで自分の意識を飛ばせることはできるが、それよりも遥かにすごいではないか!」


「しかもそれが誰でも使うことができるんですよ。俺の世界には魔法がなかったので、そういった科学という技術が著しく発展していったんです」


「ふむ、師匠も言っていたが、それは非常に興味深い。もしもこの世界に魔法というものがなければ、テツヤ殿の世界のような技術が発展していった可能性もあるということか」


「ええ、その可能性もあります。おっと、もう日が暮れてしまいそうですね。すみませんが、今日はこのくらいで大丈夫でしょうか?」


 スヴィーさんにアウトドアショップで購入できる商品を見せたり、元の世界のことを話していたら結構な時間になっていた。俺も元の世界のことがいろいろと話せたし、アースさんの話も聞けてとても楽しかった。


「ああ、もちろんである。昨日長旅から帰ってきたばかりなのに本当にすまない。皆の者も我に付き合ってくれて本当に感謝する」


「いえ、滅相もありませんわ。私もテツヤさんの話を詳しく聞く事は初めてなので、とても楽しかったですわ」


「僕もだよ。やっぱりテツヤの世界って本当に楽しそうだよね。ぜひ行ってみたかったなあ!」


 ずっと元の世界のことを話していただけだが、みんなも多少は楽しめたらしい。俺がこの世界の英雄譚なんかを聞いた時と同じなのかもな。


「そういえばスヴィーさんはまだラーメンやカレーを食べたことがないらしいと言っていましたが、せっかくなら食べていきませんか?」


「よいのか? テツヤ殿はまだ長旅で疲れているのではないか?」


「実は俺のアウトドアショップで購入できるラーメンとカレーはすぐにできる簡易な物なんですよ。とはいえ、味は保証します」


 スヴィーさんの話によるとアースさんはラーメンやカレーを再現することができなかったようだな。どちらも料理をできない人が作るにはハードルが高い。特にカレーなんて、日頃から料理をしている俺でも一から作ることは難しいだろう。


「……もしもテツヤ殿たちの迷惑でなければ頼む。正直に言うと、朝食べた料理はとても美味であった。ぜひ師匠の国の料理を食べさせてほしい」


「もちろんですよ。ラーメンやカレーはこのお店でも売っている商品なので、お土産に持っていってくださいね」


「すまない、感謝する!」


 ラーメンとカレーは料理がまったくできないベルナさんとフェリーさんでも作れる料理だからな。お土産にも持って帰ってもらうとしよう。




「おおっ、このラーメンとやらは本当においしいぞ! これがたった3分間湯の中で煮て、それに粉を入れただけの味とはとても信じられぬ!」


 想像以上にスヴィーさんはラーメンをおいしそうに食べてくれている。


 作り方を見たいとのことだったので、お湯を茹でて棒状ラーメンを茹でるところから見てもらったのだが、かなり驚いていた。特にどうやって粉のスープを作ったのか気になっていたようだ。


 スープの原材料である香辛料、調味料、野菜や肉や魚介のエキスなんかを細かく刻んで乾燥させて作ると教えてあげたら、さらに驚いていた。これを一定量のお湯に溶かすだけでこれほどの味になるように計算されているんだから、よく考えるとインスタントスープやインスタントラーメンのスープってうまく作られているよな。


「麺とスープだけでもおいしいですけれど、野菜や肉を入れてもおいしいですね」


「うむ、特にこの肉は柔らかくて、今までに味わったことのない味が染みこんでいてこのスープとよく合っているぞ!」


「これはチャーシューと言って、調味料を加えて煮込んだお肉です。弱火で長時間煮込むので、肉が柔らかくて味が染みこんでおいしいんですよ」


「普通に焼くよりもおいしいよね。このチャーシューだけでもお酒とよく合うよ!」


「これを白米のご飯に載せるだけでも最高!」


「パンに野菜と一緒に挟んでもおいしいですわ!」


 みんなもチャーシューはよく渡しているから、食べ方はよく知っているようだ。チャーシューとネギだけでも酒とよく合うんだよなあ。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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◆アウトドアショップin異世界店◆
◇冒険者の始まりの街でオープン!◇

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― 新着の感想 ―
「キャンプで出来る本格料理」的なレシピ本ありそうだけどなぁ。 現地素材で再現可能かは別問題だけど。
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