表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

251/274

第251話 説明


「おおっ、これは見事な味であるな! これは米か。師匠は好きで食べていた穀物だが、これほどまでに美味なるご飯を食べたのは初めてだ! それになんとも不思議な味付けであるな」


「気に入っていただけたようで何よりです」


 どうやらスヴィーさんは米を食べたことがあるらしい。アースさんも元は日本人ということだし、この世界でも米を探したのかもしれないな。


 そしてその米よりもアルファ米の方がおいしかったようだ。やはり元の世界の米は幾度も品種改良されて、おいしくなるように育てられている。とはいえ、今はこの世界の米事情がどうなっているのかは分からないから、あとでどこで米を手に入れたかを聞いてみるとしよう。


 昨日は俺のアウトドアショップの能力のことについて説明していなかったから、まずはそこからだな。とりあえず今は食事中だし、みんなが食べ終わってからにしよう。


「テツヤ、デザートのゼリーもお願い」


「すみません、テツヤさん。私もお願いします」


「……了解です」


 レトルト食品を2つずつ食べ終わったフェリーさんとベルナさんが食後のスイーツをご所望だ。よっぽど気に入ったみたいだな。


 とはいえ、今はまだ朝食と昼食の間くらいなので、砂糖少なめバージョンにしておこう。


「ほう。それも初めて見るが、テツヤ殿の世界の菓子か?」


「ええ。スヴィーさんの分もあるので、食後にどうぞ。作り方は俺の世界のものですが、素材はすべてこちらの世界のものを使用しています」


「……むっ、ということは先ほどの米はもしかすると?」


「その辺りのことも含めて、食後に説明しますね」




「ふう~ご馳走になった。料理も菓子も本当に美味であった。後ほど礼をさせてもらいたい」


「いえ、本当にお構いなく。こちらこそ昨日は師匠であるアースさんのお話を聞かせてくれて、本当にありがとうございました」


 食事を終え、改めてスヴィーさんとテーブル越しに向かい合う。


「まずは先ほどの説明もかねてですが、アースさんはこの世界へ来た時に戦闘系の特別な能力を授かったと言っておりましたね。実は俺もこの世界へやってきて、初めてこの世界のお金に触れた時から、元の世界のアウトドアショップと呼ばれる店で販売されている商品を金銭と引き換えることができる能力を使えるようになりました」


「やはりそうであったか! この店の噂をべリアノブ王国で耳にした時、方位磁石という魔法ではないのに一定の方向を差し続ける不思議な道具の話を聞いたのだ。それはテツヤ殿の世界の道具なのだな! テツヤ殿、どうかその能力を我にも見せてほしい!」


 ……ものすごい反応だった。身体をテーブルの前に思いっきり乗り出している。


 方位磁石はすでに他国でも有名になっているんだな。改めて方位磁石の作り方を王都のルハイルさんに教えておいてよかったよ。王都の冒険者ギルドから、今後は他の国へと渡っていくだろう。


 そしてスヴィーさんは俺がこの能力を持っていると少し予想していたらしい。確かにラーメンやカレーを販売していて、そこでしか売っていないという道具があれば、元の世界の物を手に入れられる能力があると多少は予想できるのかも。


「ええ、もちろんですよ。まずはこちらの金貨をチャージします」


 そう言いながら金貨1枚を手のひらに持ち、アウトドアショップの能力にチャージをする。


「……ふむ、確かにこれは収納魔法とは異なっている。魔力もまったく感じられない」


 ランジェさんやフェリーさんみたいに魔力の流れのないことがわかるらしい。


「続けて、チャージした金額を使用して、必要な商品を選んでいきます。他の人には見えないのですが、今俺の前にはパネルのようなものがあって、そこから商品を選んでいます」


「ふ~む、ここにテツヤ殿しか見えないものがあるのか。非常に興味深い」


「………………」


 スヴィーさんが先ほどよりも身を乗り出して、俺の目の前に手を出している。


 それはいいんだけれど、ちょっと近いな……スヴィーさんはダークエルフだが、エルフのフェリーさんとランジェさんと同じくらい容姿が整っているから、少しドキッとしてしまう。


「スヴィー殿、少しだけテツヤから離れてもらってもよいだろうか?」


「ああ、すまない。ついテツヤ殿の能力のことが気になってしまった。謝罪しよう」


「いえ、大丈夫ですよ」


 リリアがスヴィーさんに伝えてくれたおかげで、改めて椅子に座りなおしてくれた。うん、あの距離だと俺の心臓が持たなそうだから助かる。


「そして購入した商品は俺の周囲の場所を指定して出すことができます。こんな感じですね」


「おおっ、これは素晴らしい! いったいどういう仕組みなのだ!? そしてこれが師匠の世界の物か、テツヤ殿、いったいこれはどうやって使うのだ?」


 テーブルの上に購入したライトを出すと、スヴィーさんはとても驚いてくれた。


 みんなに異世界のことを話した時や、アウトドアショップの能力を見せた時とは反応が全然異なるな。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

執筆の励みとなりますのでブックマークの登録や広告下にある☆☆☆☆☆での評価をいただけますと幸いです。

誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◆アウトドアショップin異世界店◆
◇冒険者の始まりの街でオープン!◇

(上をクリックで挿絵やキャラ紹介のある作品ページへ)


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ