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第249話 初風呂


「おお、これは立派なお風呂だね!」


「そうだね。こんなに立派なお風呂を作ってくれたグレゴさんたちには感謝しないと」


 フェリーさんに収納魔法で保存してもらっていた料理を出してもらって晩ご飯を食べたあと、先ほど魔道具によってお湯を入れていたお風呂の準備ができたようだ。


 このあと女性陣がお風呂へ入ることもあって、時間短縮のためにランジェさんと一緒に入っている。そこまで大きなお風呂ではないけれど、3人くらいは一緒に入ることができるくらいの広さだ。


「我が家に風呂か。ついにここまで来られたんだなあ……」


 ついに俺も我が家にお風呂を持てるところまで来たのかと思うと感慨深いものがある。前の店では外にポータブルシャワーをつけた簡易シャワー室でシャワーを浴びていただけだったからな。


 それ以外の日は桶に入れたお湯を使ってタオルで身体を拭いていたり、公共のあまり快適ではない公衆浴場に行っていた。外だから寒い日は本当に寒かったんだよなあ。


 水を入れるとお湯を沸かしてくれる魔道具がかなり高価なこともあって、この世界でお風呂を設置するのはかなりの贅沢なのだ。


「それじゃあお湯で軽く身体を洗ってからっと……」


 桶でお風呂のお湯をすくって身体にかけながら汚れを落としていく。すでにこの時点でだいぶ気持ちが良い。そしてランジェさんと一緒にいよいよ湯船の中へと身を沈めた。


「ああああ~気持ち良い~」


「うん、お風呂って疲れた身体に本当に効くよねえ~」


 温かいお湯が全身を包み込み、身体か軽くなって疲れがじわじわとお湯の中に溶けていく感覚。こればかりはお風呂でないと味わえない感覚だよなあ~


 これからは毎日お風呂に入ることができると思うと本当に幸せだ。まあ、その分お湯を沸かす魔道具の維持費はかかるから、頑張って働くとしよう。


「テツヤの世界のシャンプーとリンスに石鹸は本当にすごくいい香りがするよ」


「こっちにはない香りだからね。王都の王妃様も気に入ってくれるといいんだけれどなあ」


 ランジェさんと交代で身体を洗う。アウトドアショップのレベルが5になった時から使用していたオーガニックのシャンプー、リンス、石鹸は当然このお風呂でも大活躍だ。


 自然由来の成分だから、この世界でもそのまま使用できるのはありがたい。そろそろ王都で肌に害がないことは確認できて、王妃様やその家族である王族の方も実際に使っている頃かもな。


 唯一面倒なのは他の商品と同様に容器なんかがないため、プッシュすると出てくるノズルがないから容器の蓋を開ける時に手が滑るんだよ。グレゴさんにお願いして、あのプッシュ式のノズルを作ってもらいたいところだ。


 さて、気持ちが良すぎていつまでもお風呂に浸かっていたいところだけれど、リリアたちも早くお風呂に入りたいだろうから早めに出るとしよう。




「テツヤ、本当に素晴らしいお湯だったぞ」


「ええ、疲れが消えてなくなるようでした。私たちまで入らせていただいて本当にありがとうございました」


「それにテツヤが出してくれた石鹸とかは他の物よりも髪や肌が綺麗になる」


 俺とランジェさんと入れ替わりで一緒に入った女性陣もお風呂には満足してくれたようだ。今日はこのままこの店に泊まっていくからベルナさんとフェリーさんもいつもの服ではなく、部屋着のような服を着ていて、風呂上がりなこともあって少しだけドキッとしてしまったのは仕方がないことだよな、うん。


「やっぱりお風呂はいいよね。明日改めてグレゴさんにお礼を伝えるとしよう。風呂上がりの飲み物を作ってみたから3人とも試してみてよ」


「いろいろと試してみたけれど、本当においしかったよ!」


 3人がお風呂に入っている間にランジェさんと一緒にお風呂から出た時用の飲み物を作っておいた。というか、普通に座っていたらそのまま寝ちゃいそうだったから、無理やり身体を動かしたというのもある。


「っ!? 冷たくて甘くてこれはおいしいぞ!」


「甘いけれど、果物の爽やかさもあっておいしい! お風呂上がりに最高!」


「とてもおいしいですわ! こちらはホワイトブルの乳に果汁と砂糖を混ぜたものですね!」


「うん、正解だよ。俺の故郷ではフルーツ牛乳という飲み物なんだ」


 作り方は非常にシンプルで、冷えたホワイトブルの白い乳に果物の果汁と砂糖を加えただけだ。果汁については何種類かアバウトに入れたからまだまだ改良が必要だけれど、それでもランジェさんと一緒に試してそこそこの味にまとまったと思うぞ。


 個人的に風呂上がりには牛乳だけれど、甘いものが好きな女性にはフルーツ牛乳が好きかなと思って作ってみた。やはり風呂上がりにはこれだよな。あとはコーヒー牛乳さえあれば3種類から選べて完璧だったか。


 この街でも牛乳は販売しているけれど、ホワイトブルの乳の方が濃厚な味がするので、フルーツの果汁を加えることを考えるとこちらの方がいいかもしれない。もちろん冷やすのにはランジェさんの氷魔法を使ってもらった。


 ここにはいないフィアちゃんやアンジュ、ドルファの分も作っておいたから、今度味を見てもらうとしよう。さあ、いい加減に眠気が限界だから、今日はこのまま寝るとしよう。


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◆アウトドアショップin異世界店◆
◇冒険者の始まりの街でオープン!◇

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― 新着の感想 ―
やっと現代の生活水準に追いついてきましたね! あとは稼ぐだけ。
 風呂上がりにはコーヒー牛乳やろ!(_*òωó)_バァン
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