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第248話 内装


 1階にはレジ、トイレ、商品を置くための倉庫がある。特に倉庫はテントなどの大きな商品も置くことになるから、かなり広くしてもらった。また、前のお店にはお客さん用のトイレはなかったのだが、今回の店にはお客さん用のトイレもある。


「2階の部屋もだいぶ広いですね」


「うむ。テツヤやリリアの私物はすでにそれぞれの部屋へ運んであるぞ」


「ありがとうございます」


 2階は完全に従業員のスペースだ。1階が広いこともあって、2階もかなり広い。大きな居間と3つの部屋を作ってもらった。


 俺の部屋がひとつと、リリアは以前と同様に護衛としてこの店に住み込みで働いてくれるのでもう1部屋。そしてもうひとつは予備の部屋だ。これまでランジェさんが店に泊まる時には居間にマットと寝袋で寝てもらっているので、ここを使ってもらう。あと下の階の倉庫がいっぱいになった時には倉庫としても使う予定だ。


 以前の店で使っていたベッドや居間に置いてあったテーブルなんかはグレゴさんたちがすでに運んでくれたようだ。


「おお、これは立派なお風呂ですね!」


「満足してくれたなら何よりだ。お湯は魔道具を使って出すようにしておるから、あとで詳しい使い方を説明するぞ」


「はい!」


 そう、この新規店舗の2階には俺の熱望した風呂があるのだ!


 この世界では風呂を個人の家で持つことはかなり贅沢なこともあって、貴族やお金持ちの家にしかない。特にこのアレフレアの街は物価も安く、駆け出し冒険者が多い街ということもあって、他の街よりも少ないらしい。


 ポータブルシャワーがあるだけいいんだけれど、やはり元日本人としては湯船にゆったりと浸かれる風呂だよな! 楽しみにしておこう!




「……さて、説明はこれくらいじゃな。それでは儂らは切りあげるぞ」


「はい。素晴らしい建物を作ってくれて本当にありがとうございました。また明日もよろしくお願いします」


 新規店舗を一通り案内してもらったのだが、図面で見たよりも実物はずっと素晴らしかった。手直ししてほしい部分もなく、完璧であった。


 グレゴさんたち職人さんと、オーダーメイドの店舗を建てるための資金のもとになった方位磁石には感謝しないといけない。


 グレゴさんと職人さんたちをみんなで見送る。外装もあと数日で終わるようだ。


「……ふう~さすがに今日は疲れたな。台所もすでに整備してくれたみたいだけれど、今日は以前に作ったご飯で許してね」


 台所の方はすでに水や魔道具のコンロも使えるらしいけれど、長い王都の旅から戻ってきたことと、スヴィーさんの来訪や新規店舗にテンションが上がり切ってしまったこともあってもうクタクタだ……


 今日はフェリーさんとランジェさんの収納魔法で収納してもらっていた前に作った料理で我慢してもらうとしよう。作りたての料理をそのままの状態で保存できるんだから、収納魔法って本当に便利だよね。


 そういえば食器なんかはまだ出していないから、それだけはやらないといけない。元の世界で引っ越しをした直後みたいにまだまだやることはいっぱいありそうだ。




「それにしてもお店全体が新しいからなんだか新鮮な気分だよね」


「本当だね。王都から帰ってきて、いきなり新しいお店だから。まあ、すぐに慣れると思うけれど」


 晩ご飯を食べ終え、みんなでまったり雑談タイムだ。もちろんご飯のあとに昨日も食べたスイーツをしっかりと食べている。


 ランジェさんの言う通り、新しい家で過ごすわけだからとても新鮮な気分だ。とはいえ、少ししたらそんな気持ちはすぐになくなるんだろうけれどな。


「とても素晴らしいお店ですわね。この街でこれほど大きなお店は中々ありませんわ」


「立地は冒険者ギルドから少し離れているけれど、それ以外は完璧」


「ありがたいことにこのお店の知名度も多少はあるから、立地が悪くても土地が安くて広い場所を選んだんだ」


 冒険者ギルドと街の出入り口からは少し離れていることもあって、立地的にはそれほど良くないかもしれないけれど、それよりも店の広さでここを選んだわけだ。


 ちなみにベルナさんとフェリーさんもランジェさんと同様に今日はこのお店に泊まっていく。


 ……う~む、戦力として見ると最強すぎて、今日は何の心配もせずに寝ることができそうだな。


「そういえば、テツヤ。スヴィー殿とはこれからどうするんだ?」


「スヴィーさんか。どうやら本当に俺の故郷の話が聞きたいだけのように見えたね。俺も役に立つ情報をたくさん教えてもらったし、できる限りのことは答えるつもりだよ」


 まだ確実とは言えないけれど、純粋に師匠であるアースさんの故郷の話が聞きたいだけのように見えた。


 俺が異世界から来たことを話したみんなはそれほど気にしていなかったけれど、賢者という魔法を極めた研究職にとっては未知の異なる世界に興味があるのはある意味当然かもしれない。


 危険な情報はともかく、できる限りの情報は教えてあげるとしよう。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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◆アウトドアショップin異世界店◆
◇冒険者の始まりの街でオープン!◇

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